高齢者の「読む労力」減らす工夫とは
2025年4月2日 1:24 AM
「え、高齢者向けの自主トレメニュー、ここまで伝わらないの?」
こんにちは。老人保健施設の理学療法士です。
今日から始まった令和7年度。
私が配属されている通所リハビリテーション(デイケア)では、今年度より予防的アプローチの取り組みを強化することに。
その一環として、利用者さんには自主トレメニューに取り組んでもらいたいと思い、年度末からリハビリ科のみんなとメニューを作ってきました。
「高齢者向け」を意識して、これでもかというほどシンプルに。
簡単にできるストレッチを2種類、筋トレメニューを6種類、巨大な模造紙に写真付きで見やすく作りました。
しっかり見出しをつけて、運動の手順がパッとみて分かるように、超絶シンプルな箇条書きを添えてね。
「これなら、誰でも分かるはず!」
みんなで作った自信作。
文字も大きく、写真もクリア。情報は最低限。なかなかの出来栄えだなと。
しかし、実際の利用者さんの様子を見て愕然としました。
巨大な自主トレメニューを見てくれてはいるものの、見ているのは大きな写真と、せいぜい見出しまで。
そう、一番肝心な、具体的なストレッチのやり方が書いてある箇条書きの部分が、ほとんど読まれていなかったのです。
写真を見て、「ああ、こういう動きね」となんとなく理解したつもりになっているのかもしれませんが、「おいおい、全然やってること違うよ・・・」
そもそも「細かい文字を読む」という行為自体が億劫なのかも。
正直、ショックでした。良かれと思って、分かりやすさを追求したつもりが、全くの的外れだったとは。
箇条書きにしたことで、「読むべき文字」が増えたと認識されてしまったのかもしれません。
シンプルにしたつもりが、利用者さんにとってはまだまだ複雑だったのです。
この経験から痛感したのは、「高齢者向け」の資料作りは、私たちが思う「シンプル」の、さらにその先を目指す必要があるということ。
単に「見やすい」(視認性)だけでは不十分。
フォントサイズや写真の大きさはもちろん大切ですが、それ以上に「読む労力」そのものを極限まで減らす工夫が不可欠なのだと思い知らされました。
もしかしたら箇条書きのテキストは不要で、写真やイラストだけで完結させるべきだったのかもしれません。
あるいは、手順を示す矢印や番号を写真に直接書き込む方が良かったのかも。
動画で見せるのが一番早いのかもしれませんが、紙媒体でとなると、工夫の仕方はまた変わってきます。
「読む」という行為は、私たちが想像する以上にエネルギーを要します。
特に、集中力の維持が難しくなったり、小さな文字への抵抗感が強くなったりする高齢者にとっては、なおさら。
「分かりやすさ」の基準は、作り手ではなく、受け手にある。
そして、「高齢者向け」と一括りにせず、その方の状態や意欲、習慣などをより深く想像し、寄り添う視点が欠けていたことを反省しました。
写真と見出ししか見られないのであれば、その二つだけで最低限の情報が伝わるようにしなければなりません。
あるいは、スタッフが口頭で補足することを前提とした、補助的なツールと割り切るべきなのかも。
「伝わらない」には、必ず理由があります。うーん難しい。
どうすれば本当に「伝わる」のか、利用者さんの負担を最小限にしつつ、目的を達成できるのか、試行錯誤を続けていきたいと思います。
もし良いアイデアがあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。
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