ハンドトリートメントが生む、ふれあいの魔法
2025年6月6日 10:42 AM
整えることで、心がほどける。
国際介護士の上地(ウエチ)です。
この連載では、「ケア美容」が心と身体にどんな力をもたらすのか、日々の現場で感じたことをもとにお伝えしています。
今回のテーマは、ハンドトリートメント。
一見シンプルなこのケアには、驚くほど深い“ふれあいの力”が詰まっています。
◆ただ手をさわるだけ?いえ、それ以上のことが起きています。
ハンドトリートメントと聞くと、
「気持ちよさそう」「リラックスできそう」そんなイメージを持たれる方も多いと思います。
でも実は、それだけではありません。
人にやさしく触れてもらうという体験には、心をほぐし、安心感を生み出す、不思議な“魔法”があるのです。
◆触れることで、心が通う
介護の現場で働く中で、こんな経験を何度もしてきました。
言葉が出にくい方、感情表現が苦手な方、どこか周囲との関わりを避けていた方…。
そんな方の手を、やわらかく包み、
ゆっくりとトリートメントをしていくと、ふとした瞬間に、ぎゅっと手を握り返してくれることがあります。
無言のまま、目を見つめてくれたり、
ほっこりと笑顔を見せてくれたり。
「ここにいてくれてありがとう」
そんな気持ちが、手を通して伝わってくるように感じます。
◆ケアが作業になっていませんか?
介護の現場では、「手を拭く」「保湿する」「爪を切る」など、日々たくさんの「手を使うケア」があります。
けれど、それが“作業”になってしまうと、触れられる側にとっては、ただの処置で終わってしまうことも。
ハンドトリートメントは、その逆。
目的は“整える”こと以上に、つながること、安心を届けることです。
だからこそ、ふれあいの時間として心に残るのです。
◆手は、心の窓
手には無数の神経が通っており、触れられることで脳にやさしい刺激が伝わります。
とくに高齢の方にとって、手は「今も動かせる大切な部分」
そこにそっと手を添えるだけで、“生きている実感”を思い出せることもあります。
あるご高齢の女性は、手をケアしている間ずっと無表情だったのに、最後に「昔、旦那さんに手をつないでもらったことを思い出したわ」と涙ぐみながら話してくれました。
手は、人生の記憶がつまった場所でもあるのです。
◆家庭でもできる、簡単ハンドケア
特別な技術がなくても、以下のポイントを押さえれば、家庭でも心を通わせるハンドケアができます。
① あたたかい手で始める(手を温める)
② しっかりと目を合わせる
③ やさしく包むように触れる
④ 相手の呼吸に合わせてリズムを整える
⑤ 無理に話さず、“沈黙”も大切にする
この時間は、ただのケアではなく
“あなたを大切に思っています”というメッセージの時間です。
◆ケアする人にも、癒しの時間を
ハンドトリートメントは、ケアされる側だけでなく、ケアをする側の心も落ち着かせるという効果があります。
ゆったりと手に触れることで、自分の呼吸も深くなり、「今ここ」に集中することができる。
それは、忙しい介護生活の中で生まれる。ちいさなマインドフルネスの時間ともいえるでしょう。
◆体験してみませんか?ケア美容で心を整える時間
📍6月28日(土)11:00〜16:00
📍品川AEONマイスキューにて、体験会を開催!
☑ ハンドトリートメント体験(無料)
☑ 気軽におしゃべりできる「井戸端カフェ」
☑ ご予約不要・途中参加OK・お子さま連れも歓迎!
「ちょっと疲れてるな」
「誰かと話したいな」
そんな気持ちのまま、ふらっと立ち寄っていただければOKです。
手に触れながら、心にそっと寄り添う時間を。
ぜひ、体感しにいらしてくださいね。
📌次回予告:第4回は「ケア美容と認知症予防の深い関係」について。
美容ケアが脳や心に与える力を、科学的な視点からもご紹介します。
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