介護のある暮らしを、より快適に、心地よく過ごすための便利なアイテムとは?そんな観点でMySCUE編集部が選りすぐった、生活まわりの品々をご紹介します。

自宅介護がスタートしたなら、住空間も徐々に介護仕様になっていきます。そうした中で手強い課題とされているのが、使用済みおむつの処理の仕方。どんなに工夫しても、気をつけていても、臭いが漏れてしまうというのが実情のよう。この悩みを解決するのが、小森樹脂が開発した「HOALU(ホアル)」です。臭いの遮断を徹底的に突き詰めて生まれたこのゴミ箱は、一体どんな工夫があるのでしょうか。

1. 現場のニーズをもとに生まれた、“介護にやさしい”設計

今回お話を伺ったのは、小森樹脂社長の小森聡明さん。大阪に本社を構える小森樹脂はプラスチック製品の製造を得意とする企業で、長年にわたり病院や介護施設で使用される食器を手掛けてきたそうです。

「取引先に伺った際にスタッフの方々とお話ししていると、臭いの問題にまつわる悩みをよく耳にするんです。つまり、それだけ皆さんが困っているということだと感じました。こうした問題は必ずついてまわるものだとはいえ、どうにかできないだろうか? 施設を利用なさる方々も、働く方々もどちらも快適になるように、私たちが何かできないだろうか? ……こんなふうに考えたのが、このゴミ箱開発のきっかけでした」

現場のニーズをもとに生まれた、“介護にやさしい”設計

2. 蓋を開けてビックリ、臭い防止の秘密は内側に!

「HOALU」は、ワンタッチで蓋が開閉するタイプのゴミ箱です。蓋を開けると、専用の防臭袋が上部を覆うようにピンと張られた状態で現れ、真ん中にはスリットが。このスリットの上に使用済みのおむつなどを乗せて蓋を閉じると、スリットの下へ落ちて回収され、次に蓋を開けた時には見えない状態です。

「本体はステンレス製で、気密性の高い作りを追求しました。さらに、開口部を防臭袋で塞ぐという構造にすることで、次に蓋を開けた時に中のゴミの臭いが立ち上ってきたり、漏れたりということを防いでいます。この袋自体も7層構造の特殊フィルムで、防臭・抗菌効果があるんです。それから、蓋の裏にも消臭・抗菌・抗ウイルス効果を発揮するシートを取り付けていて、さらに臭いをカットすることができます」

この独自の仕組みは特許出願中だそう。また、箱の中に溜まったゴミを処分する際の快適性にも、かなりの気配りが。

「回収する時に手を突っ込んだりする必要がないこと、ゴミを触らない・見えない状態で捨てられること……とにかく“いかに手軽に捨てられるか”ということを大事にして設計を吟味しました」

蓋を開けてビックリ、臭い防止の秘密は内側に!

3. 目指したのは、一般家庭・在宅ケアに寄り添う設計

ちなみに、センサー式ではなくワンタッチ開閉式にしたのも、横を通った時などに不意に蓋が開いてしまうことがないようにするためだとか。また、電気を使わないことでメンテナンスが簡単になり、故障のリスクも軽減されるというメリットが。

「あとは本体の大きさですね。コンパクトにしすぎると袋の取り替え回数が増えてしまいますし、大きすぎても古いおむつが回収されないままという状態が発生してしまう。私たちは『このゴミ箱が置かれるのは、グループホームや一般のご家庭だ』ということを念頭に議論を重ねました。病院や大規模な施設とは違い、ケアする方々がゴミを回収・処分する。そうした環境下での快適さを追求して、ホアルができあがったんです」

設置場所にデッドスペースを作らないスクエア型や、シンプルを極めたデザインは、インテリアとも好相性。デザインについて小森さんは、「ゴミ箱らしくないゴミ箱にしたかった」ともおっしゃっていました。家族みんなが快適に過ごすことのできる工夫が、随所に凝らされています。

4. 取材を終えて…

介護が始まることで、これまでの生活環境が大きく変わってしまうことについて、あらためて考えさせられた取材でした。

「ケアされる側が過ごしやすく、ケアする側はお世話をしやすく」という環境作りが大切ではあるけれど、“仕方ない”という選択を余儀なくされることが多いのも事実だと思います。でも、多くの人が仕方ないと思っている部分が改善される方法はどこかにあるのではないか?  

「HOALU」は、そんな願望が形になったような製品でした。臭いというデリケートな課題を解消に導き、家の中を快適に保つ。なおかつ洗練された見た目で、家庭のインテリアにもスッと溶け込む。機能面でも気持ちの面でも、力強くバックアップしてくれるプロダクトだと思います。

介護のある日常が、家族が長年育んできたライフスタイルとシームレスにつながるようになれば、毎日の豊かさはアップするはず。まだまだ理想論に過ぎないかもしれませんが、こうしたことを考えていくのもMySCUEの役割のひとつだと感じています。

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著者:MySCUE編集部

MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい人への介護やサポートをする、ケアラーのためのプラットフォームです。 My SCUE(マイスキュー)は、高齢化先進国と言われる日本が、誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。

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