中華風のとろみ煮にカルシウム豊富な牛乳を加えた「厚揚げとチンゲン菜のミルク煮」。野菜、海鮮、キノコ類など多様な食材を使った栄養バランスに優れた一品です。とろみのおかげで冷めにくく、最後まで温かくいただけます。

1. シニアに不足しがちなカルシウムとビタミンを中華風味で食べやすく

骨は年齢とともにカルシムなどが減少し、骨密度が低下します。その状態を放っておくと、骨折しやすくなったり、背骨が曲がったりします。年を重ねても骨を丈夫に保つには、カルシウムの摂取が不可欠ですが、厚生労働省の調査によると日本人は男女ともほぼ全ての世代で推奨される目標量に達していないのが現状です。

カルシウムは牛乳や小魚などから単体で摂るよりも、さまざまな食品から満遍なく摂ることで吸収率が高まります。特に、たんぱく質やビタミンD(キノコや青背魚に多く含まれる)、ビタミンK(青菜や海藻に多く含まれる)と併せて摂ると、カルシウムの吸収率を高めることができます。

 

今回のレシピでは、牛乳と厚揚げのカルシウムに、きくらげのビタミンD、チンゲン菜のビタミンKを組み合わせています。また、使用する食材は牛乳を含め7品目。多様な食品をバランスよく摂ることは、加齢による衰え(フレイル)の予防に役立つだけでなく、認知症予防にも有効であることが研究で明らかになっています。

牛乳を加えることでカルシウムを補えるのに加え、甘みとコクが具材のうま味を引き出し、より深みのある味わいに仕上がります。具だくさんで食べ応えも十分。栄養満点で体も温まる一皿です。

 

MySCUE 健康レシピ 厚揚げとチンゲン菜のミルク煮 栄養素 イメージ

2. 厚揚げとチンゲン菜のミルク煮|材料(2人分)

材料(2人分)
厚揚げ……1/2枚(120g)
ベビーほたて……6個(85g)
チンゲン菜……1株(100g)
にんじん……20g
きくらげ(乾燥)……4g
ヤングコーン(水煮)……3本
サラダ油……大さじ1/2
ごま油……小さじ1
  

水……1/4カップ 
酒……大さじ1/2
鶏ガラスープの素(顆粒)……小さじ1/2

 


牛乳……1カップ
片栗粉……大さじ1

 


ナンプラー……小さじ1
こしょう……少々

 

*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。 
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。

 

エネルギー 237kcal 
塩分 1.4g

 

厚揚げとチンゲン菜のミルク煮

 

料理撮影:石井 宏明
レシピ開発・調理:満留 邦子

3. 作り方

厚揚げは熱湯をかけ、キッチンペーパーで水気を取って1㎝幅に切る。

 

にんじんは短冊切り、チンゲン菜はざく切りにして茎と葉に分ける。きくらげは水に浸けて戻し、石づきを取ってひと口大に切る。ヤングコーンは斜め半分に切る。

 

フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、②を火の通りにくい順(にんじん、チンゲン菜の茎・葉、きくらげ、ヤングコーン)に加えて炒める。①を加えてさっと炒め、ほたて、Aを加え、ふたをして1分ほど煮る。

 

混ぜ合わせたBを加え、かき混ぜながらとろみがつくまで煮る。Cで味をととのえ、ごま油を加える。

 

シニアのためのひと工夫:
具材はすべて食べやすい大きさに切り、やわらかくなるように煮る時間を少し長めにとりましょう。

 

 

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この記事の提供元
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著者:満留 邦子(みつどめ くにこ) /管理栄養士 料理研究家

大学の家政学部を卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て、独立。書籍、雑誌、新聞、テレビなど多様な媒体で活動し、料理教室の講師や企業のレシピ開発を手掛ける。特に「家庭料理」を得意とし、身近な材料で作りやすいレシピ作りに定評がある。著書に『料理が楽しくなる圧力鍋レシピ』(成美堂出版)、『今日のうどん』(成美堂出版)、『ごはんのおとも』(成美堂出版)など多数。

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