ムサカは、ギリシャやトルコなど地中海東部で親しまれている伝統料理です。本場では、合いびき肉にポテトやナスを合わせるのが定番ですが、今回は栄養価の高いほうれんそうをメインに、まいたけとたまねぎで食べごたえをプラスしたアレンジレシピをご紹介します。
和洋中どんな料理にもなじみ、栄養価の高いほうれんそうは、鉄分を豊富に含む野菜の代表格でもあります。鉄分は赤血球の材料となり、全身に酸素を運ぶ重要な役割を果たします。高齢になると食事量が減るだけでなく、栄養素の吸収率も低下しやすいため、鉄分不足に陥りやすくなるといわれています。鉄分が不足すると、貧血や疲労感、めまいなどの症状が表れることも。健康維持のためにも意識的に摂取することが大切です。
今回のムサカ風レシピでは、たんぱく質を含むひき肉と組み合わせることで、筋力の維持もサポートします。こうした栄養豊富な食材を重ねて、オーブントースターで加熱します。ホワイトソースにはヨーグルトとチーズを使用し、カルシウムをプラス。通常のホワイトソースより口当たりが軽く、エネルギー控えめなのでダイエット中の方にもおすすめです。野菜と肉をたっぷり使い、鉄分・たんぱく質・カルシウムをバランスよくとれる1品です。
材料(2人分)
合いびき肉……100g
たまねぎ……1/4個(50g)
まいたけ……1/2パック(50g)
ほうれんそう……150g
トマト缶(ホール)……150g
バター……5g
塩……少々
赤ワイン……大さじ1
オリーブ油……小さじ1
A
塩……小さじ1/4
粗びき黒こしょう……少々
B
水……大さじ2
洋風スープの素(顆粒)……小さじ1/2
オレガノ(ドライ)……少々
C
ギリシャヨーグルトまたは水切りヨーグルト……150g
粉チーズ……大さじ2
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 294kcal
塩分 1.4g
料理撮影:石井 宏明
レシピ開発・調理:満留 邦子
①たまねぎはみじん切りにし、まいたけは石づきを取って粗いみじん切りにする。
②ほうれんそうは根元を取って3~4㎝長さに切る。フライパンを熱してバターを溶かし、ほうれんそうを強火でさっと炒めて塩をふり、ざるに上げて汁気を切る。
③フライパンをキッチンペーパーでさっと拭き、オリーブ油を入れて中火で熱し、ひき肉を炒める。色が変わったら①を加え、Aをふって炒める。赤ワインを加えて煮立て、トマトを手でつぶして缶汁ごと加え、さらにBを加えて1~2分煮る。
④耐熱皿に②を入れて広げ、③をのせ、混ぜ合わせたCをかける。オーブントースター(1000W)で焼き色がつくまで8分ほど焼く。
シニアのためのひと工夫:
ほうれんそうは、約2㎝長さ位と短めに切り、よく炒めましょう。
著者:満留 邦子(みつどめ くにこ) /管理栄養士 料理研究家
大学の家政学部を卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て、独立。書籍、雑誌、新聞、テレビなど多様な媒体で活動し、料理教室の講師や企業のレシピ開発を手掛ける。特に「家庭料理」を得意とし、身近な材料で作りやすいレシピ作りに定評がある。著書に『料理が楽しくなる圧力鍋レシピ』(成美堂出版)、『今日のうどん』(成美堂出版)、『ごはんのおとも』(成美堂出版)など多数。