ふだんの料理では出番が少ない家庭も多そうな大豆の水煮ですが、元となる大豆は“畑のお肉”とよばれるほど栄養価の高い食材です。煮物やスープなど和食を中心にさまざまな料理に使える水煮大豆を、今回は中東の伝統料理「ファラフェル」風にアレンジしたレシピをご紹介します。
肉や魚、卵などの動物性たんぱく質に比べて植物性たんぱく質は、脂質やエネルギーが控えめで、健康的な食事を心がけたい人におすすめの栄養素です。
その中でも大豆は、たんぱく質のほか、ビタミンB群やカルシウム、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル、そして食物繊維も豊富に含まれており、栄養バランスのよい食材として知られています。
ただし、植物性たんぱく質だけでは体内での合成が難しい必須アミノ酸をすべて補うことができないため、動物性たんぱく質と一緒に摂ることがポイントです。そこで今回はツナを組み合わせ、たんぱく質の吸収をより効率的にサポートするメニューをご紹介します。
ツナ缶は油まで使えば、うま味が増し、口当たりもなめらかに。たまねぎやピーマンを加えることで食感も楽しめ、満足感のある一品に仕上がります。さらに、にんにくを効かせたヨーグルトソースは好相性です。
水煮大豆はペースト状にしているので、豆が苦手な人でも食べやすく、ピタパンや食パンに挟んでサンドイッチにするのもおすすめです。
材料(2人分)
水煮大豆……120g
ツナ缶(オイル漬け)……小1缶(70g)
たまねぎ……1/4個
ピーマン……1個
赤たまねぎ……1/8個
サラダ菜……6枚
パン粉……大さじ1
小麦粉……適量
オリーブ油……大さじ1/2
パプリカパウダー(あれば)……少々
A
塩……ふたつまみ
カレー粉……小さじ1
B
ヨーグルト(プレーン)……大さじ4
マヨネーズ……小さじ1
塩・おろしにんにく……少々
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 290kcal
塩分 1.4g
料理撮影:石井 宏明
レシピ開発・調理:満留 邦子
①たまねぎとピーマンはみじん切りにする。赤たまねぎは薄い輪切りにし、水にさっとさらして水気を取る。
②フライパンにツナ缶の油と①のたまねぎを入れて中火で炒め、しんなりしたら①のピーマンを加えてさっと炒め、Aで調味する。
③大豆の水気を切ってポリ袋に入れ、麺棒やびんの底などで押してよくつぶし、②、ツナ、パン粉を加えてよく混ぜる。6等分して丸め、上下を少し平らにし、小麦粉を薄くまぶす。
④フライパンにオリーブ油を入れて中火で熱し、③を並べて両面に焼き色がつくまで焼く。
⑤器にサラダ菜と①の赤たまねぎを盛って④をのせ、混ぜ合わせたBをかけ、パプリカパウダーを振る。
シニアのためのひと工夫:
ピーマンもたまねぎといっしょによく炒めましょう。付け合わせはお好みなので、食べにくい場合は省いても構いません。
著者:満留 邦子(みつどめ くにこ) /管理栄養士 料理研究家
大学の家政学部を卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て、独立。書籍、雑誌、新聞、テレビなど多様な媒体で活動し、料理教室の講師や企業のレシピ開発を手掛ける。特に「家庭料理」を得意とし、身近な材料で作りやすいレシピ作りに定評がある。著書に『料理が楽しくなる圧力鍋レシピ』(成美堂出版)、『今日のうどん』(成美堂出版)、『ごはんのおとも』(成美堂出版)など多数。