ケア活を進める時に、多くのケアラーが不安に感じるのがお金のこと。

 

「子どもが負担する必要があるのか?」「実際にいくらかかる?」「準備はどうすればいい?」

 

そんな疑問にお答えするため、今回は介護費用の実態や親が元気なうちに話し合っておきたいことを解説します。

1. まずは知っておきたい、介護の「期間」と「費用」

介護には、一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。生命保険文化センターの調査から、リアルな数字を見てみましょう。 


介護費用は、大きく2種類に分けられます。


一時的にかかる費用:平均 47.2万円

(住宅リフォーム費や介護用ベッドなど)


月々かかる費用:平均 9.0万円

(※公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)


そして、この月々の負担がいつまで続くのかも気になるところです。

 

同調査によると、介護期間は平均4年7カ月となっていますが、長期化するケースも少なくありません。内訳を見ると「4〜10年未満」が27.9%、「10年以上」も14.8%にのぼり、実に4割以上の方が4年以上の介護を経験しています。介護期間が長期化すれば、それだけ経済的な負担も大きくなることを覚えておきましょう。


さらに、月々の費用は「どこで介護するか」によっても大きく変わります。


在宅介護:平均 5.3万円
施設介護:平均 13.8万円


このように、自宅で介護するのか施設に入るのかで、月々の負担額は大きく変わってきます。「期間」と「場所」で必要な費用が大きく変動することをまずは押さえておきましょう。

 

MySCUE記事 費用負担 介護施設イメージ

2. 介護費用の内訳

では、具体的に介護にはどのような費用がかかるのでしょうか。在宅と施設、それぞれのケースで見てみましょう。


【在宅介護でかかる主な費用】
▪食費
▪光熱費
▪住宅改修費
▪介護サービス利用料
▪医療費
▪おむつ、尿取りパッドなどの消耗品
▪お尻拭きシート
▪ビニール手袋
▪防水シーツ
▪口腔ケア用品
▪理美容代
▪健康保険、介護保険料、住民税など

 

【施設介護でかかる主な費用】
▪入居一時金
▪月額利用料(賃料、食費、光熱費、介護サービス費)
▪おむつ、尿取りパッドなどの消耗品
▪理美容代
▪口腔ケア用品
▪レクリエーション参加費
▪医療費
▪健康保険、介護保険料、住民税など

3. 介護費用は「誰が」支払うの?

MySCUE記事 介護費用負担 扶養義務

 

◾️「親本人の資産」で賄うのが基本
ある調査によると、介護費用の負担者として最も多いのは親本人(またはその配偶者)で、その収入や貯蓄から支払っているケースがほとんどです。次いで多いのが、子ども(またはその配偶者)の就労収入による負担となっています。 

 

もし子どもの就労収入で支える場合、介護期間が長引けば、それだけ自身の家計への負担も大きくなっていきます。無理をして費用を負担し続けると、自分たちの生活や老後資金まで危うくなってしまうかもしれません。だからこそ、介護費用は親自身の資産から支払うことを基本に考えることが大切です。

 

◾️知っておきたい、法律上の「扶養義務」
一方で、民法第877条では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と規定されています。

 

ここでいう「扶養」とは、自力で生活を維持できない親族に対する経済的なサポートを指します。つまり、介護が必要な親への金銭面でのサポートは、子どもの法的義務とされているのです。

 

とはいえ、この義務は自分の生活を犠牲にしてまで強制されるものではありません。経済的に余裕がない状況で、無理をして支援する必要はないのです。

 

大切なのは、扶養義務のある家族のうちの誰か一人だけに負担が集中しないよう、早めに家族で話し合うことです。お互いの経済状況を考慮しながら、負担の割合を決めていきましょう。もし話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に申し出て判断してもらうことも可能です。

4. 元気なうちに話しておきたい「お金のこと」

ここまでお伝えしたように、介護費用の支払いは「親の資産」が基本となります。いざという時にスムーズに活用できるよう、元気なうちに「お金の事情」を共有しておくことが何よりも大切です。

 

介護が始まると、ゆっくり話す時間も気力もないかもしれません。だからこそ、お互いに元気な今、最低限以下のことを確認しておきましょう。


▪現在の収入(年金など)
▪預貯金の額
▪預貯金以外の資産(不動産、有価証券など)
▪ローンの残額・負債
▪生命保険などの加入状況


介護費用に関する不安や悩みは、地域包括支援センターや市区町村の福祉事務所、社会福祉協議会で相談できます。困った時には、専門機関に頼りましょう。

 

MySCUE記事 介護費用 親のお金事情

5. まとめ

介護費用は「期間」や「場所」によって大きく変わります。また、その支払いは、親本人の資産で賄うのが基本です。いざというときに慌てずに済むように、元気なうちから親の「お金事情」を親子で共有しておくことも大切な「ケア活」なのです。



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この記事の提供元
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著者:中谷 ミホ

福祉系短大を卒業後、介護職員・相談員・ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。現在はフリーライターとして、介護業界での経験を生かし、介護に関わる記事を多く執筆する。
保有資格:介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・保育士・福祉住環境コーディネーター3級

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