イオンライフ株式会社は、2023年8月1日より、ご家族や大切な方が認知症などで「資産凍結」されるのに備え、「家族信託サービス」を全国で開始いたしました。ここでは「家族信託」について解説いたします。

1. 認知症による資産凍結とは?

認知症になると、物忘れや判断力の低下などの症状が現れることがあります。
 
この状態で本人が銀行口座からの引き出しや不動産の売買を行うと、不利な契約を結ばされたり、振り込め詐欺に巻き込まれる可能性が高まります。
 
そのため、認知症の診断を受けた場合、銀行は本人の取引を制限し、預金の引き出しや窓口での手続きができなくなります。
 
また意思能力がなけないと見なされれば契約は無効となることが民法で定められているため、不動産売買や贈与などの契約行為もできなくなります。
 
認知症になった本人の資産は、何も対策を取らなければ「資産凍結」の状態に陥ります。
 
この場合、資産を動かすためには成年後見制度(法定後見)を利用する必要がありますが、ご家族の負担も大きく、2020年における認知症患者数に対する成年後見制度の利用者は約3. 7%でした(※1)。こうした課題を解決する手段として、「家族信託」が注目されていま す。
 
家族信託は認知症に備えた柔軟な資産管理方法で、本人の意思を尊重しつつ資産を守るための制度です。
家族が本人に変わって資産の管理・保護を行うことで、資産凍結リスクを回避することができます。
 
(※1:2020年における認知症患者数(推定)631万人に対し、成年後見制度の利用者数は23万2,287人。内閣府「平成29年度版高齢社会白書」と最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」より)
 

2. 家族信託とはなにか

家族信託は、委託者(例: 親)が所有する財産を受託者(例:子)に託すことで、受託者(子)が財産の管理・運用を委託者のために行う仕組みです。
 
家族信託の主な登場人物例:
 
・委託者:財産の所有者で信託する人(親)
・受託者:財産の管理運用処分を任される人(子)
・受益者:財産権を持ち、財産から利益を受ける人(親)
 
例えば、受託者(子)が委託者(親)の代わりに生活費や医療費、介護費などの金銭を預金口座から引き出し、受益者(親)のために必要な支払いを行います。
 
また、家賃収入のある不動産を家族信託の対象にする場合、受託者(子)は委託者(親)が所有している不動産の管理・運用を行い、家賃収入など、信託財産から生じる利益を受益者(親) に提供します。
 
このように、家族信託では財産から得られる利益を受益者(親)が受け取りながらも、実際の管理・運用を受託者(子)に委ねることができます。
 
家族信託を活用することで、資産凍結のリスクを未然に防ぎつつ、家族の経済的な安定や将来への備えをより確実に行うことができるのです。
 

3. 家族信託のメリット

家族信託を行うメリットには様々なものがありますが、ここでは大きく2つのメリットを紹介していきます。
 
① 委託者の意思能力に関わらず財産を動かせる
② 成年後見制度では難しい、柔軟な財産管理が実現する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 委託者の意思能力に関わらず財産を動かせる
 
家族信託を活用し、元気なうちに財産管理を家族に任せることで、認知症になったとしても、ご本人のご意向に沿って、ご家族の方が財産の管理・運用・処分をすることができます。
 
例えば親の金銭の管理を子に託したり、親の所有する賃貸アパートなどの収益不動産の管 理・運用を子に任せたりすることができます。医療・介護費用の捻出や介護施設への入居に伴う不動産売買など、いざという時にご本人のご意向に沿って、ご家族の方が財産の管理・運用・処分をすることができます。
 
何も対策せずに資産凍結が起こった場合、原則家族信託を利用することはできず、成年後見制度(法定後見)を利用せざるを得ない方も多くいらっしゃいます。
 
まだ本人の意思能力がある状態であれば、家族信託の利用によって資産凍結対策ができるうえに、成年後見制度を利用する際に発生する煩雑な手続きやご家族にかかる負担もあらかじめ回避できます。
 
②成年後見制度では難しい、柔軟な財産管理が実現する
 
 
本人の判断能力が十分でない場合に、本人を法律的に保護し、支えるための制度として「成年後見制度」があります。
 
しかし本人の財産から支出できるものは、基本的には本人の生活・療養看護に関する費用や本人の負債、被後見人が扶養義務を負う配偶者や子の生活費などと使途の範囲が厳しく定まっています。
 
一方、家族信託では、成年後見制度よりも柔軟な財産管理が可能です。
 
家族信託では原則として、財産管理の方法を信託契約の中で自由に定められます。
 
信託契約の範囲内であれば、成年後見制度では難しい不動産の買換え・購入・株式投資などの積極的な資産運用や、生前贈与などの相続対策を受託者が行うことも可能です。
 
また、家庭裁判所の関与もなく、自宅の売却に許可を得る必要などもないため、手続きの労力や時間も削減でき、財産管理を柔軟かつスムーズに進められます。
※個人の資産状況およびご家族構成により、成年後見制度(法定後見)や家族信託以外の最適なプランがある場合もございます。
 
家族信託や認知症対策などについてご不明点等がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

4. イオンライフ株式会社のご紹介

イオンライフ株式会社は、2009年にイオンリテール株式会社の事業部からスタートして以来、お葬式を中心に、お墓・永代供養、仏壇、ペット葬、相続、身元保証など、お客さまのご要望 にお応えする終活サービスをご紹介してまいりました。今後もお客さまの「温かいセレモ ニーと人生100年時代をサポート」する企業であることを目指してまいります。

 

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著者:イオンライフ株式会社

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私たちイオンライフは、「イオンのお葬式」を軸に人生100年時代を生き生きと過ごすために将来に向けての不安や心配事を解消し、安心できる明るい未来設計ができるよう、各世代に合った終活サポートサービスを提供しています。おひとりさまを支援する身元保証、大切な家族であるペットのお葬式や供養、ペットと一緒に入れるお墓のことなど、家族の100年に寄り添ってまいります。
また終活で大切なことは、想いを「伝える」ことです。メッセージノートを書き残すことはもちろん大事なことですが伝わらなければ意味がありません。そこでイオンライフがお勧めするのが「親子で始める終活」です。後に残るものが不安にならないよう、親子で話し合いながら一緒にメッセージノートを書いていくのが理想的です。私たちは終活相談会等のイベントも行っていますので、ぜひ親子でご参加されてみてはいかがでしょうか?

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