食べる力が低下すると、思うように食事がとれず、栄養不足から体力の衰えや、食事の楽しさを感じにくくなります。そうならないために、食べる力に合わせて具材の固さや大きさを工夫した食べ物を選ぶことが必要です。

1. 食べる力の変化

年齢を重ねると、体が今までのように動かなくなります。その中には、口の機能の低下も含まれます。

口は食べ物を食べる機能や食べる楽しみを感じること、そして会話によるコミュニケーションをとるなど、日々の生活の中で重要な働きをしています。口の機能の中でも、食べる機能は、「歯で食べ物をかみ砕く→口の中で唾液と混ぜて飲み込みやすい状態にする→のどに送り込み飲み込む」という複雑な動作の連携によって機能しており、それらの動作の連携が不調になると、食べる機能は低下すると言われています。

食べる機能の低下は、歯の欠損や欠落、かむ力の低下、舌をうまく動かせなくなる、薬の影響など、さまざまな要因から起こります。これらの要因で食べる機能が低下すると、食べこぼしが増えたり、固いものがかめなくなったり、飲み込みにくくなる等、食べることが難しくなります。厚生労働省の調査では、年代が高くなると20本以上の歯を持つ割合が下がるとともに、「何でもかんで食べられる」人の割合も低下すると報告されています。


下図:「何でもかんで食べることができる」者と歯の保有状況(厚生労働省.平成29年(2017年)国民健康・栄養調査報告 結果の概要 図14.より転載)

食べる力の変化

2. 加齢に伴う「食」に関わるからだの変化

〇固いものが食べにくくなる
歯が弱くなったり、入れ歯になったりするため、固いものが食べづらくなります。かむ力が若い頃の1/3から1/4になるとも言われています。

〇脱水症状を起こしやすくなる
のどの渇きに対する感覚が鈍くなり、脱水症状になりやすくなります。トイレを気にして水分摂取を控える人もいるようです。

〇むせやすくなる
飲み込む力が弱くなり、のどにつかえやすくなります。

〇パサパサしたものが食べにくくなる
唾液の分泌量が減少し、パンなどの乾燥した食べものがのどにつまりやすくなります。

〇濃い味付けを好むようになる
味覚が衰える傾向があり、濃い味付けを好むようになります。特に塩味と甘みを感じにくくなると言われています。

〇食欲がなくなる
視力や聴覚の低下などにより、食欲が低下します。

〇便秘になりやすくなる
腸の運動能力が低下し、消化機能が衰えることが原因のひとつと言われています。

〇胃もたれしやすくなる
胃粘液の分泌が低下しやすくなるためです。膵液の分泌も加齢とともに低下しやすく、低下すると脂肪の消化・吸収力が弱くなります。

参考資料:
・『おとしよりに喜ばれる食事』 杉橋啓子著 新企画出版社
・『やさしくつくれる 家庭介護の食事 おいしく楽しく元気なくらし』西原修造・田中弥生共著 日本医療企画

3. 食べる機能が低下したときの対策

食べる機能が低下すると、食べられる物が少なくなり、食べる楽しみが減ってしまいます。また、食べる機能に合わせた調理が必要になるため、食材を普段よりやわらかく調理したり、具材を小さく切るなど、調理の手間が増えてしまいます。これらは、介護をする方、介護を受ける方の双方にとって負担となり、食事が楽しめなくなります。

そんな時に活用したいのが、ユニバーサルデザインフードです。ユニバーサルデザインフードは日常の食事から介護食まで幅広くお使いいただける、食べやすさに配慮した食品です。「固さ」や「粘度」の規格により、「容易にかめる」、「歯ぐきでつぶせる」、「舌でつぶせる」、「かまなくてよい」の4つの区分で表示されています。店頭や通信販売で販売されているやわらか食(介護食)の多くで採用されている規格です。ユニバーサルデザインフードの商品には、必ず「『ユニバーサルデザインフード』ロゴマーク」が表示されております。

食べる機能が低下したときの対策

4. アサヒグループ食品のやわらか食 バランス献立シリーズ

アサヒグループ食品では、「“食べる”をずっと楽しく」の理念のもと、食べる力が低下した方でも、食事を美味しく、また安心して楽しんでいただけるように、ユニバーサルデザインフードの規格を採用したやわらか食(介護食)を、「バランス献立シリーズ」としてラインナップしております。

やわらか食は、「薄味で美味しくない」というイメージがありますが、バランス献立はしっかりとした美味しさを感じていただくため、だしをきかせた味わいとなっております。また、食べやすさにも配慮して、食べる力に合わせて具材の大きさや固さを調整しております。

アサヒグループ食品のやわらか食 バランス献立シリーズ

5. 注目の商品!バランス献立 スプーンで食べるおもちの特長

“食を楽しむ”ということの中には、「食べたいものを食べる」ということも、一つの要素として含まれていると思います。そこで、高齢のため食べる力が低下して、食べたくても食べられなくなった方が安全に「おもち」を食べられるように、「バランス献立 スプーンで食べるおもち」を開発しました。

「バランス献立 スプーンで食べるおもち」は、ユニバーサルデザインフードの「かまなくてよい」区分の商品で、おもちが食べたくても、のど詰まりやべたつきの不安があり、食べられない方にもおすすめです。また、おもちを食べたいと思う方々全員に食べていただけるよう、試作段階から、大学や病院の専門の先生方に評価とアドバイスをいただき、べたつきを抑え、冷めた状態でも固くならないなどさまざまな工夫をしております。

おもちは、お正月やイベントの時の食べ物と思われがちですが、日常的に食べている方もいらっしゃいます。普段のやわらかいごはんやおかゆなどの主食として使っていただくことも、アレンジをしていただいて和風のデザートとして、ご使用いただくこともできます。

•おもちの特性である伸びや付着性を抑えたやわらか食です
•かむ力や飲み込む力が弱い高齢者でも食べやすい固さに仕上げており、おもちが伸びないのでスプーンですくって食べることができます
•国産もち米粉を使用し、おもちらしい風味に仕上げました
•食物繊維入りです
•レトルトパウチタイプで調理の必要はなく、開けてすぐそのまま食べられます
•食べたくても食べられなかった“おもち”を安心して食べていただくことで“食べる楽しさ”に貢献します

注目の商品!バランス献立 スプーンで食べるおもちの特長

6. より詳しい情報は、こちらをご覧ください

この記事の提供元
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著者:アサヒグループ食品株式会社

製造業

アサヒグループ食品は、アサヒビールを含むアサヒグループの中の食品メーカーです。粉ミルクやベビーフードブランドの和光堂、サプリメントブランドのディアナチュラ、菓子ブランドのミンティア、フリーズドライブランドのアマノフーズなど、人々の健康や日々の生活に寄り添った商品を取り揃えております。
私たちは、「おいしさ+α」を追求した商品やサービスを提供し、心とからだの健やかさの実現に貢献できる企業を目指します。

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