1. 介護費用の考え方のポイント
介護の費用というと、皆さんはどのようなイメージを持たれますか?「介護はお金がかかる」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。実際に弊社の相談窓口には「介護にかかる費用はどれくらいですか?」というご相談が寄せられることもあります。介護をする上で、お金の問題は避けては通れません。ということで、今回は「介護費用の考え方」についてご紹介いたします。
介護費用の考え方として大切なポイントは3つあります。
①どのような費用がかかるのかを知る
②介護費用の計画を立てる
③介護費用の軽減制度を知っておく
これらのポイントを押さえたうえで、介護費用について具体的に考えていきましょう。
◎介護にかかる平均額
まずは、どのようなことに費用がかかるのかについてご紹介しますが、その前に「介護費用の平均額」を確認してみましょう。生命保険文化センターが行っている「生命保険に関する全国実態調査(2021年)」によると、介護のためにかかる費用は月額平均8.3万円となっています。
ただこれはあくまで平均額であり、「この金額さえ用意しておけば大丈夫」という指標になる金額ではありません。介護は人によって状況が異なるので、どんな状況にあるかによってかかる費用は変わってきます。例えば要介護5の方で寝たきりの方と、要支援で少し家事のサポートが必要な程度、という方では、介護にかかる費用は全く異なってくるということはイメージしやすいかと思います。
また、介護期間がどれだけ長期にわたるかによっても費用は変わります。一般的に介護の期間が長ければ長いほど介護費用の総額は増えます。しかし、介護にかかる期間を予測するのは困難なことです。つまり、介護の費用がいくらかかるのか、事前に正確に判断することは極めて難しいといえます。
2. ①どのような費用がかかるのかを知る
具体的にかかる費用としては、介護保険サービスの利用料がまず挙げられます。例えばホームヘルパーに来てもらって食事や入浴の手伝いをしてもらったり、昼間デイサービスに通って介護を受けたりと、サービスの種類は多岐にわたります。このような介護保険のサービスを利用した際には、サービス利用料がかかります。その他、介護保険サービス以外のサービスを利用している方もいます。例えば、自治体や民間企業などが提供しているもので、配食サービス、移動スーパー、家事代行、外出支援サービス、対話サービス、緊急通報システム等が挙げられます。現在は多くの民間サービスがありますが、料金形態は、自治体やサービス提供会社などによって様々です。
また、介護サービス以外にもかかる費用はあります。例えば医療費、おむつや介護食など介護用品の費用なども考えられます。ほかに、忘れがちなのが「帰省にかかる移動費用」。こちらも介護のための帰省であれば介護費用として考えておきましょう。
3. ②介護費用の計画を立てる
様々な費用がかかる上にいくらかかるか正確には予測できない、と思うと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですから、ポイントは、「介護費用の全体像をつかんだ上で予算を考える」ということです。
「月々の介護に使える費用はいくらまでなのか」、「入院・施設入居などまとまったお金が必要になったらいくらまで出せるのか」ということを念頭に置いて予算を組んでいきましょう。
◎介護の費用は誰のお金から使う?
介護の予算を考える上で非常に重要となるのが「介護にかかる費用は、誰のお金から使うのか」という問題です。
結論からいいますと、介護費用は「介護される人」の資産から使うことが望ましいです。
特に自分の親の介護をする場合、介護費用は「子どもが払ってあげるのが親孝行」と考える方も少なくありません。しかし、先ほどもお伝えしたように介護はいつまで続くかわかりません。また、状態が変わればかかる費用も変わります。はじめは「月々5,000円くらいだから、これくらいだったら親のために支払おうかな…」と思って負担していたら、年数が経つにつれ利用する介護サービスが増えていき、結果的に高額な負担に膨れ上がっていた、ということも。
家族の介護のためにお金を使いすぎて、自分自身の老後が危うくなってしまうということもあり得ます。介護が終わった後の自分の生活にも目を向けて、まずは本人の資産から使うように考えていきましょう。
そのためには、親の収入や支出・資産などを把握することが大切です。介護が始まる前から今後について話し合い、お金のことについても確認しておきましょう。できれば年金額や貯金額、入っている保険など詳細を確認しておきたいところですが、どんな方でもお金の話はあまりオープンにしたがらないものです。ですから、難しい場合は無理に聞き出そうとせず、大事な書類がしまってある場所やおおよその収入だけでも確認しておけるとよいでしょう。
介護の費用は「いくらかかるか」ではなく「いくらかけられるか」という視点で考え、自分たちの予算を踏まえた介護プランを考えていきましょう。
4. ③介護費用の軽減制度を知っておく
介護費用が高額になってしまった際には、高額介護サービス費などの助成制度もあります。「高額介護サービス費」は、1ヶ月分の介護保険サービスの自己負担額の合計が負担限度額を超えた場合に、その超えた金額部分が払い戻される制度です。
また、「高額医療・高額介護合算療養費」として、1年間の医療費と介護保険のサービス費用の合計が著しく高額だった場合に自己負担額を軽減してくれる制度もあります。
その他、自治体で独自に助成事業を行っているところもありますので、前もって確認しておくと安心です。