介護をしていると、「いつかは施設に入るかも・・」と漠然と考えていらっしゃる方も多いかと思いますが、実際に施設入居をされた方やそのご家族が、具体的に入居に踏み切ったきっかけはどのようなものだと思いますか。 
 
よくある入居のきっかけやタイミングについて紹介します。 

1. 「待ったなし」でホームを探す人が多い

高齢者の一人暮らしや夫婦暮らしが不安になってきた。かといって、今すぐ施設に入るほどでもない。そんなとき、「老人ホームに入居するタイミングはいつがいいの?」という疑問を抱く人は多いようです。 
 
 老人ホーム探しをサポートする老人ホーム紹介センターに寄せられる相談には、「今すぐ入れるホームを探したい」といったような急ぎのケースが数多くあります。例えば、同居の母親を娘さんが頑張って介護していたが、娘さん自身が体調を崩してしまい一刻も早くホームを探さなければならなくなったケース。例えば、自宅マンションでそれなりに元気に一人暮らしをしていたが、火の元の不始末で小火を起こしてしまい急遽ホームに入居することになったケース。あるいは、一人暮らしをされていた親御様が転倒事故で骨折してしまいお一人で暮らすことが困難になってしまったケース。ほんの一例ですが、いざ施設を探そうという時には「待ったなし」の状況であることが多いようです。 
「待ったなし」でホームを探す人が多い

2. 『負担』を感じる少し手前から

では、ホーム探しは、いつ始めるのが良いのでしょうか? 老人ホーム紹介センターの相談員によると、「老人ホームは『負担』を感じる少し前から探しはじめる」のが良いとのことです。 
 
 老人ホーム探しのきっかけは、ご本人の食事、排泄、入浴などの変化が一つのサインとなります。しかしそれよりも意識すべきは介護する側の状況です。 
 
 介護の負担が増して、仕事や家庭・プライベートの時間に影響が出る、ストレスを強く感じるなど、いわゆる「介護疲れ」の状態になってしまってからでは、物理的にも精神的にも余裕がなくなり、本当にその方にふさわしいホームをじっくり見極めることが難しくなります。 
 
 また、ホーム入居の際は、見学、健康診断書の準備、本人面談、契約の段取りが必要となっており、申込みから入居まで平均すると約2~3週間はかかるものです。 
 
 いざという時に慌てることのないように、できればご本人が元気なうちからどんなホームに入りたいのかなど家族で話をしておくとよいでしょう。 
 
 とはいえ、いきなりご家族が「老人ホームを探しましょう」とお話ししても、ご本人にとっては受け入れにくいものです。まずはどんな老後を過ごしたいのか、もし介護が必要になったらどんな生活を大切にしたいのかなど、将来についての話をし、不安を解消するひとつの手段として老人ホームという選択もあることを伝えるのがよいかもしれません。 

※この記事は2023年4月時点の情報をもとに作成されており、制度内容等は変わる場合があります。 
 

『負担』を感じる少し手前から
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著者:株式会社ベネッセシニアサポート

医療、福祉

「従業員のワークライフマネジメント支援で培った人事ノウハウと高齢者の介護ノウハウを重ね合わせて、法人のお客様向けに、介護離職を防止する「両立支援サービス」を提供しています。

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