介護の歴史からご両親と私達の介護に対する価値観の違いがある事はお分かりいただけたと思います。介護をするうえで一番大切なのはご両親のことをどれくらい理解しているか、または理解しようとしているかです。
ご両親は子供には弱い所を見せたくないのでついつい無理をしてしまいがちです。もしかしたら、本心を隠して我慢しているかもしれません。
そして私達の中にも幼少期のネガティブな出来事を思い出して、ご両親に素直に向き合う事が出来ない人もいるかもしれません。
どのようにして解決していくのか、ご両親との関わり方を3つの要点としてまとめました。
⑴思い込みを手放す
第一回目の記事でもお伝えしましたが、ご両親に対して素直な気持ちで向き合えない場合、それは過去の記憶が影響している可能性があります。
ここで大切なのはマイナスの記憶が多くある事は人間の正常な反応であり、自分自身を責める必要はないという事です。
私達の記憶のプログラムは何万通りもあり、それに基づいて人生が形成されています。
介護をする際にネガティブな感情が湧きあがるのは、過去の記憶が影響している場合が多いのです。したがって、ご両親に対して普段から会話するのを避け、嫌いだと感じる感情は自分自身の真意ではない可能性があります。
振り返ってみましょう。本当にネガティブな記憶ばかりなのでしょうか。ご両親との記憶でどんなことが思い出されますか。
⑵親の生き方を肯定する
今の高齢者の方々は自分達で人生を選択して歩んでこられた方達は少なく、日本経済の発展の為に尽くしてこられた方々が多いはずです。その方達に尊敬の気持ちを表すことが大切です。
介護を始めるとき・介護をしている最中はお世話をすることで精一杯だと思います。しかし、ご両親は子供の為に生き方を見せてくれていると捉えたら、親の見方も変わってきます。
ご両親は私達に自分の失敗や教訓を伝えてこられませんでしたか?
ご両親が他界して初めて気づくことも沢山あると思いますが、現在、そして過去にも私達に向けてご両親が伝えていたメッセージを思い出してください。
・礼儀正しくしなさい
・人に優しくしなさい
・コツコツ努力をしなさい
このメッセージは私達が生きていくうえで同じ過ちを繰り返さず、同じ苦労をしないように教えてくれたものです。
この教訓の裏にはご両親が生きてきた道のりがあり、そのおかげで私達は幸せに暮らせています。
私達からすればご両親の生き方は理解できないかもしれませんが、私達の時代にはない苦労が沢山あったことを理解し、ご両親の存在すべてを肯定することが大切です。
⑶感謝の気持ちを伝える
ある雑誌の企画で「親が死ぬ前にすべきだったこと」という内容でアンケートを取った結果が掲載されていました。その結果は以下の通りです。
1位:感謝の気持ちを伝えておくべきだった 80.6%
2位:親子連れ立って外出や旅行に行くべきだった 60.2%
3位:親の人生の歩みについて聞いておくべきだった 26.8%
その他の結果は以下の通りです。
・重症時の治療方針を確認しておくべきだった 7.4%
・遺産相続に関する意思を確認しておくべきだった 6.0%
・資産や借金について細かく確認しておくべきだった 5.2%
・葬儀の仕方やお墓選びについて確認しておくべきだった 5.2%
・介護方針を確認しておくべきだった 4.8%
この結果から言えることは相続などの具体的な確認事項は少数であり、後悔しているのは主に「心」の部分で、ご両親の心に寄り添うことが出来なかったことです。
感謝の気持ちを改めて表現するのは勇気が必要で恥ずかしいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、人間はいくつになっても誰かの役に立ちたい、必要とされたいと思っています。思い切ってご両親に感謝の気持ちを伝えてみませんか?