訪問リハビリでは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といった国家資格を持つリハビリの専門職が自宅を訪問してサービスを提供してくれます。どの職種のサービスが受けられるかは、利用者の症状や受けたい訓練などによって異なります。
理学療法士:マッサージや体操、運動、電気刺激、温熱などの手法を用いたリハビリテーションを行います。
作業療法士:工作や手芸、家事などの作業を通したリハビリテーションを行います。
言語聴覚士:発声・発語の訓練、飲み込みのリハビリテーションなどを行います。
①利用回数
1週間に6回程度
②利用時間
1回あたり20分
③費用
・基本サービス費
1回20分ごとの基本サービス費:308円( 1単位=10円 1割負担の場合)
・加算
特別なサービスには、基本サービス費に加算料金がプラスされます。
例えば、短期集中リハビリテーション加算(200円/日)やリハビリテーションマネジメント加算(180〜483円/月)、サービス提供体制強化加算(6円/回)などがあります。なお、訪問リハビリの費用は基本的にサービス利用時の単位で計算されますが、1単位ごとの料金は地域によって異なります。
そのため、同じサービスを利用した場合でも、お住まいの地域により料金が異なる場合があります。
訪問リハビリテーションは、介護保険だけでなく医療保険でも利用可能です。ただし、要介護認定を受けている方は、原則として介護保険が優先されます。介護保険と医療保険の併用はできません。要介護認定を受けていない方や65歳未満の方は、医療保険で利用することになります。
訪問リハビリテーションを利用する手順は、以下の通りです。
1.ケアマネジャーに相談する
2.訪問リハビリ事業所を決める
3.主治医から指示書をもらう
4.訪問リハビリ事業所と契約する
5.訪問リハビリ事業所がリハビリ実施計画書を作成する
6.ケアマネジャーがケアプランに組み入れる
7.訪問リハビリの利用開始。計画書に基づいてリハビリテーションを受ける
訪問リハビリテーションを実際に利用したい場合は、担当のケアマネジャーに相談しましょう。また、訪問リハビリを利用するには、実施するリハビリの内容や注意点などについて、主治医に指示書を書いてもらう必要があります。ケアマネジャーを通じて依頼してもらいましょう。
訪問リハビリのサービスが提供できる事業者は、病院や診療所、介護老人保健施設、介護医療院に限定されています。そのため、地域によって訪問リハビリテーションの事業者が不足していることがあり、望んだ通りの利用ができない場合があります。そのような地域では、訪問看護のサービスの中で理学療法士などによるリハビリが受けられる場合があります。
お住まいの地域で訪問リハビリの事業者が見つからない場合は、ケアマネジャーに相談して訪問看護によるリハビリテーションが利用できるかどうかを相談してみましょう。
著者:中谷 ミホ
福祉系短大を卒業後、介護職員・相談員・ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。現在はフリーライターとして、介護業界での経験を生かし、介護に関わる記事を多く執筆する。
保有資格:介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・保育士・福祉住環境コーディネーター3級