1. シミができる原因と仕組み
そもそもシミは、なぜ、できるのでしょう?
「シミの元は『メラニン色素』と呼ばれる色素です。そう聞くと“メラニン色素=美肌の敵”と思われるかもしれませんが、紫外線など肌への 有害な刺激から肌を守るために生成されるのが、メラニン色素です。例えば、紫外線の場合、肌に紫外線をくり返し浴びると、表皮のいちばん下の基底層にある『メラノサイト』が、メラニン色素を大量につくり出します。そして、メラニン色素が紫外線を吸収し、肌内部への侵入をガード。皮膚がんなどの原因となる肌細胞の損傷を防ぎます」と、ウォブクリニック中目黒 総院長の髙瀬聡子先生は解説します。
通常、メラニン色素は、約28日かけて肌表面に少しずつ押し出され、角質となって剥がれ落ちます。これがターンオーバーと呼ばれる肌の代謝です。ところが、紫外線を過剰に浴びたり、加齢などによってターンオーバーが乱れると、メラニン色素の生成が排出 のペースを上回り、肌に留まって蓄積され、やがてシミになります。
「メラニン色素が増加するいちばんの要因は紫外線ですが、摩擦による炎症、ニキビなどの肌トラブル、女性ホルモンの影響もあります 。また、ストレスや喫煙などによって発生する活性酸素によってもメラニン色素がふえ、シミの原因になります」(髙瀬先生)
2. あなたのシミはどれ? シミの種類とは
「シミ」と一言でいっても、シミにはたくさんの種類があります。ここでは、代表的なもののうち、3種類のシミを紹介します。
●老人性色素斑・日光黒子
日焼けによってできる、最も一般的なシミ。紫外線を浴び続け、メラニン色素が大量につくられることで肌に現れます。直径1〜3cmほどの丸く茶色いシミで、紫外線を浴びやすい頬骨付近にみられることが多く、肌との境界線がはっきりしているのが特徴。加齢とともに色が濃くなったり、大きくなる傾向があります。
●肝斑(かんぱん)
紫外線や摩擦などのほか、女性ホルモンのバランスの乱れが影響するシミ。淡い褐色で、多くは、目のまわりを避けるように、頬骨に沿って左右対称に、匂玉のような形で現れますが、肝斑のタイプによっては額や口のまわりに現れたり、左右で大きさや位置が異なることも。30代後半から現れ、50代後半まで続き、60代になると薄 くなったり、消えやすくなります。
●炎症後色素沈着(炎症性色素沈着)
化粧品や薬剤などの刺激によるかぶれ、ニキビや虫さされなどによる炎症が治ったあとに生じる褐色のシミ。かぶれや炎症の刺激によってメラノサイトが活性化し、メラニン色素を大量につくり、色素沈着をおこしてシミになります。年齢に関わらず現れ、顔だけでなく、全身に現れることもあります。
上記は、シミの症例の目安で、シミの現れ方によっては判断が難しい場合があります。また、年齢を重ねると、複数の種類のシミが混在していることが多く、さらに見極めが難しくなります。「気になるシミは自己判断をせず、専門医の診察を受けるのが安心ですね」(髙瀬先生)
3. 美容医療の治療1:レーザーでシミをとる
目立つシミをとるには、美容医療を扱う医療機関やクリニックで、レーザー治療を受けるのが効果的です。ここでは、ウォブクリニック中目黒で行われるレーザー治療を紹介します。
●Qスイッチ型レーザー
シミの原因となるメラニン色素にのみ反応するレーザー光線を照射し、メラニン色素を破壊する治療。レーザー光線を照射した部分は、5日前後でかさぶたになり、かさぶたが剥がれたあとに皮膚が再生され、きれいな肌に生まれ変わります。照射後2週間は、紫外線から患部を守るためにテープを塗布してケアします。シミの大きさにもよりますが、ほぼ1回の施術でシミを除去することが可能。肝斑以外のほとんどのシミに有効で、ウォブクリニック中目黒では「シミ取りレーザー治療」がQスイッチ型レーザーになります 。
【治療期間】基本的に1回
【料金(税込) 】1mm~5mm未満 11,000円(1個あたり)
5mm以上10mm未満 2,530円(1mmあたり)
10mm以上 3,080円(1mmあたり)
【副作用】治療後にやけど、炎症がおこり、炎症のあとに色素沈着する場合があります。
●肝斑レーザートーニング
炎症をおこさない肝斑専用のゆるやかなパワーのレーザー光線を照射し、蓄積したメラニン色素を少しずつ壊していく治療法。トラネキサム酸などの内服薬やハイドロキノンなどの美白外用薬などを組み合わせて治療すると、より効果的。肝斑のほかにも、毛穴の開きやくすみにも効果的です。
【治療期間】週に1回×4〜5回
【料金(税込)】1回2万2000円〜
【副作用】治療後に発赤、水泡、痂皮(かひ)、 やけど、炎症がおこり、炎症のあとに色素沈着する場合があります。
4. 美容医療の治療2:光でシミをとる
美容医療による治療では、レーザー治療のほかに、光や高周波エネルギー、薬品など を利用する美肌 治療法もあり、シミの種類によっては提案されることがあります。ここでは、ウォブクリニック中目黒で行われる美肌治療法を紹介します。
●フォトフェイシャル、フォトRF
IPL(Intense Pulsed Light) と呼ばれる光エネルギーを顔全体にあて、その熱反応でシミを徐々に薄くする光治療がフォトフェイシャル。フォトRFは、フォトフェイシャルに高周波エネルギー(RF)を組み合わせた光治療法で、光エネルギーでは届かない肌深部の細胞に働きかけ、コラーゲンの再生 を促しながら、シミを少しずつ薄くします。シミのなかでも、炎症後色素沈着やそばかす の治療に効果的。ウォブクリニック中目黒では「フォトRFオーロラ治療」がフォトRFになります。
【治療期間】4週間ごとに5~10回定期的に行う
【料金(税込)】全顔1回3万3000円〜
【副作用】治療後に発赤、 やけど、炎症がおこり、炎症のあとに色素沈着する場合があります。
●ケミカルピーリング
グリコール酸やサリチル酸マクロゴール などの薬品を塗布して古い角質を取り除き、ターンオーバーを促す治療法。ターンオーバーが正常になることで、肌に蓄積されたメラニン色素の排出がスムーズになります。「肝斑レーザートーニング」でとりきれなかった肝斑や、レーザー治療が肌に合わない人に適した治療法です。
【治療期間】2〜4週間ごとに定期的に行う
【料金(税込)】1回1万6500円〜
【副作用】治療後に発赤や痛み、腫れがおこる場合があります。
ウォブクリニック中目黒で行われるシミの治療は「カウンセリング→診療→同意書説明→治療→アフターケア 」の流れで進みます。
「シミの治療法は、種類や状態によっても異なり、レーザー治療が有効でなかったり、治療を行うことで悪化するシミもあります。そのため、当クリニックでは治療を始める前に必ずカウンセリングを行い、シミについてのお悩みや不安をうかがうとともに、治療法や施術後のケアについて、詳しく説明します。まずはカウンセリングを受け、それから治療を行うかどうかを考えていただくことも可能です」と髙瀬先生はアドバイスします。
5. レーザー治療は痛い? シミ治療にまつわるギモンにお答えします
ここからは、美容医療にまつわる素朴なギモンにQ&A方式で答えます。
Q. 肌にレーザーを照射するのは痛い?
A. 痛みの感じ方は、人それぞれで個人差がありますが、レーザーを照射すると「パチパチとゴムで弾かれたような刺激」を感じることが多いようです。レーザー治療は基本的に、麻酔が必要な治療ではありませんが、痛みに弱かったり、不安を感じる場合は、医師に相談しましょう。
Q. レーザーをあてた箇所は赤くなる?
A. 照射直後に赤みが生じる場合もありますが、通常は数時間でおさまります。ただし、レーザーをあてた箇所は肌が敏感になっているため、紫外線ケアをしっかり行うことが大切です。
Q. 治療後、すぐにメイクできる?
A. 「肝斑レーザートーニング」「フォトRFオーロラ」は、治療後すぐにメイクできます。「シミ取りレーザー治療」は、治療直後は患部が敏感になっているため、レーザーをあてた箇所にファンデーションなどを塗るのはNG。患部以外は、すぐにメイクできます。
6. 今から でも遅くない! シミをふやさないためのセルフケアとは?
日常生活には、シミの原因となる要因がたくさん潜んでいます。レーザーや光治療でシミをとったあと、きれいな肌を保つにはシミ対策をすることが重要です。日常的にセルフケアを心がけ、新たなシミをふやさないようにしましょう。
セルフケア1:紫外線から肌を守る
シミが発生する、いちばんの要因は紫外線です。紫外線から肌を守るために、スキンケアでは1年を通して日焼け止め剤を利用しましょう。日常生活で紫外線を防ぐ、日焼け止め剤の数値はSPF25〜35、PA++ (*1)が適しています。また、外出時には日傘やUV加工された帽子、長袖の洋服、ストールなどで、直接日光が肌にあたらない工夫をしましょう。
セルフケア2:肌のターンオーバーを整える
肌のターンオーバーが乱れるとメラニン色素が蓄積し、シミができやすくなります。ターンオーバーを正常にするには、規則正しい生活を送ることが大切。食事は美肌効果が高いビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを中心に、栄養バランスを考慮しましょう。そして、適度な運動を心がけ、寝不足にならないように6時間〜6時間半の睡眠時間を確保。また、過度なストレス、たばこやお酒の大量摂取は、メラニン色素の生成を促す活性酸素を発生させる ため注意が必要です。
セルフケア3:適切なスキンケアを行う
肌のターンオーバーは、汚れや刺激によっても乱れます。メイクをした日は、必ずメイクの汚れを落としましょう。その際、肌をゴシゴシこすると肌への摩擦が刺激となってターンオーバーを乱したり、防御反応によってメラニン色素の生成を促すことに。洗顔するときは泡で包みこむように洗い、洗顔後はタオルをやさしくあて分を吸収させると、肌への刺激を抑えることができます。
*1 SPF、PA…SPFとPAは、日焼け止め剤に表示されている紫外線防止効果の指標。SPFはSun Protection Factorの略で、UV-B(紫外線B波)を、PAはProtection Grade of UV-Aの略で、UV-A(紫外線A波)を防止する。SPFの値は1~50までで、大きいほど防止効果が高い。PAは+を1~4で表し、+が多いほど防止効果が高い。
7. まとめ
「若い頃に、シミとりをしたことがあるけど、再発した……」という話を、時々聞くことがあります。しかし、美容医療の世界は日進月歩、日々進化 しています。現代の技術とケアで、シミのないきれいな肌を取り戻すことが可能になっています。
シミがあることにストレスを感じたり、そのことで 気持ちが沈むようであれば、美容医療に頼るのもひとつの方法。シミのない美肌を手に入れることができたら、新たな自信につながりそうです。
監修:髙瀬聡子先生
髙瀬聡子(たかせ・あきこ) ※写真下
皮膚科医。東京慈恵会医科大学卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務。2007年に美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開業 。メスを使わずに女性の美しさを引き出す、安全で効果的なアンチエイジング治療を提供。丁寧で的確なカウンセリングに定評がある。著書に『お肌は最強の「バリア」です!――美容皮膚科医が伝える、<病気>と<老化>を防ぐ肌を育てる方法 』(晶文社)など。