この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の特徴やサービス内容、メリットとデメリットなどを詳しく解説いたします。

1. サービス付き高齢者向け住宅とは?

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定確保に関する法律(通称:高齢者住まい法)の第5条に基づいた、高齢者のための賃貸住宅です。


「サ高住(さこうじゅう)」とも呼ばれ、民間事業者により運営されています。


サービス付き高齢者向け住宅の目的は、日常生活や介護などに不安がある、ひとり暮らしの高齢者や高齢夫婦世帯が住み慣れた地域で安心して暮らすことです。そのため、自宅で生活するのと同じように、介護保険サービスが利用できます。


また、サービス付き高齢者向け住宅には、「一般型」と「介護型」の2種類があります。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

2. サービス付き高齢者向け住宅の入居条件

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は、以下の通りです。


◾️一般型:60歳以上 ひとりでの生活に不安を感じる方 


◾️介護型:65歳以上 要介護1以上(要介護認定受けている60歳未満も入居可能)

3. サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービス

サービス付き高齢者向け住宅で必ず受けられるサービスは「安否確認・生活相談」と「生活支援サービス」の2つです。


一般型のサ高住で介護サービスを利用する場合は、外部の介護サービス事業者と個別に契約して訪問介護などの「居宅サービス」を利用することになります。


一方で、介護型のサービス付き高齢者向け住宅は、介護保険における「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設のため、施設の介護スタッフから、食事や入浴、排泄などの介護サービスを24時間体制で受けられます。

4. サービス付き高齢者向け住宅の設備・人員配置

◾️設備
サービス付き高齢者向け住宅の居室面積は、原則として25㎡以上です。自立した生活が送れるようトイレ・キッチン・洗面、浴室、収納スペースが付いている部屋もあります。一人部屋のほかに、夫婦で入居できる二人部屋も用意されています。

バリアフリー完備の住宅であるため、高齢者が生活しやすい環境です。


◾️人員配置
人員配置は一般型と介護型で異なります。一般型では、以下のような資格を持った職員が、日中に1名以上配置されています。

・社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員
・医師
・看護師
・介護福祉士
・社会福祉士
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
・介護職員初任者研修課程修了者

夜間は職員が常駐せず、緊急通報システムで対応するケースが多いです。


介護型は、介護保険法に基づいて、職種ごとに入居者数に応じた人員配置が定められています。

・介護職員:入居者3人に対して1人
・看護職員:入居者30人まで1人以上、30人を超える場合、50人ごとに1人
・機能訓練指導員:1人以上配置(他の職種と兼務可能)
・ケアプラン作成担当者:1人以上
・生活相談員:入居者100人に対して1人以上

介護型では、夜間も介護職員が常駐して入居者のケアにあたります。

サービス付き高齢者向け住宅の設備・人員配置

5. サービス付き高齢者向け住宅の費用相場

◾️一般型の費用相場
一般型のサ高住は、主に賃貸方式のため、入居時には、家賃の2〜3ヶ月分の敷金がかかります。また、月額利用料として、家賃や共益費、基本サービス費、食費が必要です。費用相場は以下の通りです。


初期費用(敷金):0~25万円
月額利用料:10~20万円

自炊する方は、食費が不要です。また、外部の介護サービスを利用する方は、月額利用料とは別に、介護サービス事業所へ支払う「介護サービス費」が必要となります。


介護サービス費の利用者負担は、介護サービスにかかった料金の1割(一定以上所得者の場合は2〜3割)です。


◾️介護型の費用相場
介護型は、利用権契約方式のため、入居一時金あるいは前払い家賃が必要な施設と、入居一時金が必要ないかわりに、その分が月額利用料に上乗せされる施設とがあります。費用相場は以下の通りです。


初期費用:数十万~数千万円(入居金が不要の場合もある)
月額利用料:15〜40万円です。

介護サービス費は、要介護度に応じた定額制となっています。

6. サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット

◾️サ高住のメリット
・一般型では要介護や要支援の認定を受けていない「自立」の方も入居できる
・バリアフリー完備の住宅のため、高齢者が生活しやすい
・賃貸住宅のため、自由度の高い生活が可能
・初期費用が有料老人ホームよりも安い
・住宅数が多いので、比較的入居しやすい


◾️サ高住のデメリット
・一般型では夜間の見守り体制に不安がある
・一般型では、介護度が上がると退去を求められる場合がある
・一般の賃貸住宅よりも費用が高くなる

7. サービス付き高齢者向け住宅のまとめ




監修:中谷ミホ

この記事の提供元
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著者:古賀優美子

北海道の2つの自治体で約15年間保健師として勤務。母子保健・高齢者福祉・特定健康診査・特定保健指導・介護支援専門員業務などを経験。その後、高齢者デイサービスセンターで5年間介護員として勤務。2021年4月から専業ライターとして活動を始め、主に介護福祉関連の記事を執筆する。

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