多くの食品をバランスよく取ることは、健康を維持するうえでとても大切です。東京都健康長寿医療センターの研究によると、摂取する食品の種類が豊富な人ほど認知機能の低下リスクが低いことがわかっています。今回は、さまざまな食材を使う代表的なメニュー「八宝菜」を、さっぱりとヘルシーに仕上げたレシピをご紹介します。
健康的な食事をするために、さまざまな食品を組み合わせて食べることを推奨する合言葉「さあにぎやかにいただく」をご存じですか?
これは、フレイル(加齢による心身の衰え)を予防するために、ごはんやパンなどの主食に加え、さ(魚)・あ(油)・に(肉)・ぎ(牛乳)・や(野菜)・か(海藻)・に・い(芋)・た(卵)・だ(大豆)・く(果物)の10の食品群から、毎日7品目以上を摂取することを推奨するものです。
八宝菜は、肉や魚介、野菜をたっぷり使うため、この基準を満たしやすい料理のひとつ。
今回のレシピでは、一般的に八宝菜に使われる豚肉の代わりに鶏ささみを使用し、カロリーを抑えつつ、高たんぱくに仕上げました。
さらに、おいしさの秘訣は「蒸し炒め」にあります。少量の油でも、ささみやエビがしっとりジューシーに仕上がり、野菜は焦げる心配なくシャキシャキの食感をキープできます。また、ごま油を少し加えるだけで風味が引き立ち、ヘルシーでも満足感のある味わいになります。
日々の食事に多様な食品を取り入れながら、おいしく健康的な食生活を目指しましょう!
材料(2人分)
鶏ささみ……2本
むきエビ……6尾
白菜……120g
小松菜……50g
にんじん……1/5本
長ねぎ……1/3本
パプリカ(黄)……1/4個
生しいたけ……2枚
ゆでたけのこ……40g
片栗粉……大さじ1
ごま油……小さじ1
A
酒……小さじ1
塩……少々
B
水……180mL
酒・オイスターソース……各大さじ2/3
しょうゆ……大さじ1/2
こしょう……少々
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 146kcal
塩分 1.8g
料理撮影:石井 宏明
レシピ開発・調理:満留 邦子
①ささみはすじを取ってそぎ切りにし、Aをまぶしておく。エビは背ワタを取る。
②白菜は葉と軸に分け、葉はざく切り、軸は4㎝長さの拍子木切りにする。小松菜は4㎝長さに切り、にんじんは斜め1㎝厚さに切って薄切りにする。長ねぎは斜め切り、パプリカは2~3㎝角に切る。しいたけは石づきを取って薄切りにし、たけのこはひと口大に切って、さっとゆでる。すべてボウルに入れ、ごま油をまぶす。
③①に片栗粉をまぶす。
④フライパンにBを入れて強めの中火で熱し、煮立ってきたら②を加え、ふたをして2分ほど蒸す。ふたを取り、③を加えてささみとエビに火が通るまで炒める。
シニアのためのひと工夫:
嚙む力が不安な場合は、各具材の切り方を下記のようにするとよいでしょう。
白菜:繊維を断つように切る
小松菜:2cm長さに切る
パプリカ:2~3㎝幅の薄切りにする
ゆでたけのこ:ひと口大の薄切りにする
また、野菜に火がよく通るように蒸し時間を3~4分にしましょう。
著者:満留 邦子(みつどめ くにこ) /管理栄養士 料理研究家
大学の家政学部を卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て、独立。書籍、雑誌、新聞、テレビなど多様な媒体で活動し、料理教室の講師や企業のレシピ開発を手掛ける。特に「家庭料理」を得意とし、身近な材料で作りやすいレシピ作りに定評がある。著書に『料理が楽しくなる圧力鍋レシピ』(成美堂出版)、『今日のうどん』(成美堂出版)、『ごはんのおとも』(成美堂出版)など多数。