残暑で食欲が落ちやすい夏は、麺だけで済ませるなど、食事が適当になりがちです。しかし、夏バテを防ぐためには、栄養を意識したバランスのよい食事が欠かせません。そこで今回は、魚と旬の野菜を同時にとれるメニューをご紹介。見た目も色鮮やかで、元気を後押ししてくれる一皿です。
青背魚の代表格「あじ」は、高たんぱく・低脂質で、EPAやDHAといった良質な脂を含んでいます。これらの栄養素は、血行を良くし、動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立つといわれています。
「あじ」だけでも多くの栄養素がとれますが、今回は旬のトマトとピーマンを組み合わせます。どちらにもビタミンA・Cが豊富に含まれており、紫外線や暑さによる体へのダメージを防ぐほか、免疫力の維持にも貢献します。
調理には魚焼きグリルを使い、アルミホイルで良質な脂が流れ落ちないようにひと工夫。あじ、ピーマン、トマトを交互に重ねることで、見た目も彩り豊かで、食欲をそそる仕上がりになります。
最後に、刻んだ青しそとしょうがをオリーブ油であえた香味ソースを添えます。オリーブ油に含まれるオレイン酸には、LDL(悪玉)コレステロールを抑える働きがあり、野菜に含まれる食物繊維と一緒にとることで、より効率的に作用するとされています。
また、その日の気分に合わせてアレンジするのもおすすめです。たとえばオリーブ油をゴマ油に変えると中華風に早変わり。好みに合わせて楽しんでみてください。
魚と野菜の栄養が一度にとれ、夏バテ対策にもぴったり。調理に直火を使わないのもこのレシピのうれしいポイントです。
あじ(三枚おろし)……2尾分(150g)
トマト……1個
ピーマン……1 1/2個
塩…小さじ1/4
こしょう……少々
A
青しそ(みじん切り)……10枚分
しょうが(みじん切り)……1/2かけ分
塩・こしょう……各少々
オリーブ油……小さじ2
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
あじとトマトの重ね焼き
エネルギー156kcal
塩分 1.3g
料理撮影:貝塚 純一
レシピ開発・調理:伊藤 晶子
著者:伊藤 晶子(いとう・あきこ)
料理研究家・管理栄養士
料理教室FRASCO 主宰(福島県いわき市)
女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家アシスタント、料理教室スタッフなど様々な食の
現場を経て、2009年に独立。『栄養と料理』『レタスクラブ』『お料理家計簿』(講談社)などの料理雑誌でのレシピ提案や、料理教室講師、イベント運営、企業のレシピ開発、料理番組の裏方など、多岐にわたって活躍。2020年末にいわきへUターンし、現在は料理教室運営を軸に、東京へも出向き、食の仕事に携わる。確かな調理技術をもとに、作りやすさと美味しさを兼ね備えた、食べて笑顔になる料理を提案し続けている。『フィスラーの料理教室』(KADOKAWA)、『ラプンツェルと学ぶ 料理の基本(料理担当)』(KADOKAWA)、『おいしすぎる糖質オフカレー』(KADOKAWA)、『幼児から小学生まで 食物アレルギー栄養しっかりごはん(料理担当)』(女子栄養大学出版部)など著書多数。