2025年10月19日(日)、東京都品川区で開催された「RUN伴しながわ2025」。「認知症の人とともに走る」をテーマに、当事者・家族・地域住民がランニングを通じて交流し、認知症への理解を深める全国的なプロジェクトの一環です。
今年、MySCUE品川店は初めて協賛・参加し、スタッフ4名がランナーとして出走しました。当日の様子をレポートします。
今回の「RUN伴しながわ」のスタートは、西大井の高齢者施設「ロイヤルサニー」。その後、「喫茶いばしょ」や、中小企業センター(西品川)、大井町の高齢者複合施設などを経て、ゴール店の品川シーサイド、オーバルガーデンへ、という行程でした。
スタート地点、西大井の「ロイヤルサニー」前での様子
約6kmのフル行程のほか、3km地点や1km地点からの途中参加も可能で、体力に合わせて選べる柔軟な仕組みも魅力のひとつです。
フルコースのランナーは13時20分にスタートし、約2時間半をかけてゴール。ふだんのランニングよりもゆったりとしたペースで、約70名の参加者とともに街の中を進みました。中継地点では施設の入居者の方やスタッフの方が笑顔で手を振り、ハイタッチで応援してくださる姿も。
「シニアケアや介護にかかわる事業のスタッフとして、高齢者の方の施設の雰囲気や品川区の地元の方々の素の表情を直接感じられたのは、とても貴重な体験でした」(MySCUEスタッフ)
また、西大井から品川シーサイドまでの住宅街を走り抜けることで、普段は見えない街の暮らしの空気や人の流れを知ることができた点も大きな学びでした。
RUN伴の魅力は、ただ走るだけでなく、認知症への理解を深める出会いが随所にあることです。
最初の中継地点「喫茶いばしょ」では、レビー小体型認知症の方が体験した“せん妄”をテーマに描いた作品展示を拝見。運営者の方の言葉にも、認知症とともに生きる地域の姿勢がにじんでいました。
スタート地点から約1.5kmほどの豊町の「喫茶いばしょ」ではお店のスタッフの方にお店についての話を伺い、差し入れもいただきました
こうした立ち寄り地点での交流は、MySCUEのスタッフにとっても“現場を超えた学び”となりました。介護・医療・地域のあいだにある「人とのつながり」を、まさに走りながら実感する機会となったわけです。
最後に立ち寄った東大井の高齢者複合施設では、入居者の方が複数出てきてくださり、参加者を激励してくれる一幕も

ゴール近く、夕方の気配が色濃くなった運河の有ほどを走る参加者たち。傍らに咲くコスモスに癒された
品川シーサイドのオーバルガーデンに到着すると、迎える人々の拍手と笑顔に包まれました。速さを競う大会ではなく、「心をつなぐラン」だからこそ生まれる一体感。


ゴール地点の品川シーサイド、オーバルガーデンでのゴールイベントの様子。そして、参加者、関係者全員での集合写真
ゴール後にはオレンジリングスによる歌の披露、元女子バレーボール日本代表・大山加奈さんの登場、そして品川区の認知症啓発キャラクター「くるみちゃん」も加わり、会場は温かな雰囲気に包まれました。MySCUE事業部長・駒井の挨拶や主催者の言葉も交え、イベントは夕暮れまで続きました。
手づくりの温かさと、関係者の尽力が感じられる「RUN伴しながわ」。参加を通じて、MySCUEは「品川の地域の仲間」に一歩近づけたように感じました。
RUN伴しながわ2025は、認知症をきっかけに、人と人が支え合う社会を目指すイベントでした。
MySCUEはこれからも、地域の皆さんとともに、「認知症とともに生きる社会づくり」に向けて歩みを続けます。
最後に、イベントの参加者の方々や運営者、イベント会場の設営に協力いただいた方々、そして参加者へのプレゼントの物品を提供いただいたメーカーの方々にも感謝申し上げます。
・RUN伴しながわ2025
著者:MySCUE編集部
MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。