医療費や介護サービス費が高額になってしまった場合は、以下のような制度により、払い戻しを受けることができます。
【高額療養費制度】
医療費の負担が大きくなりすぎないよう、年齢や所得に応じた上限額を超えた分が払い戻される制度です。
70歳以上の一般所得層(年収約156万~370万円)の場合、ひと月の上限額(世帯ごと)は57,600円、外来(個人ごと)は18,000円(年間上限14万4,000円)です。
「住民税非課税世帯」であれば、上限額が24,600円(収入が一定以下の場合は15,000円)になります(外来は8,000円)。
【高額介護サービス費】
介護保険サービスの利用料が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
住民税課税世帯(年収約770万円未満)の場合、ひと月の上限額(世帯ごと)は44,400円です。
「住民税非課税世帯」であれば、上限額が24,600円(収入が一定以下の場合は世帯24,600円、個人15,000円)になります。
【高額医療・高額介護合算制度】
同一世帯の、1年間の医療費と介護サービス費の自己負担額の合計が、年齢や所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
夫婦共に75歳以上の一般所得層(年収約156万~370万円)の場合、年間の上限額は56万円です。
夫婦共に75歳以上の「住民税非課税世帯」であれば、年間の上限額は31万円(収入が一定以下の場合は19万円)になります。
【国や自治体の支援・助成】
上記のほかにも、国や自治体は様々な経済的支援や助成を行っています。
以下に、いくつか例を挙げます。
※自治体によって支援の内容は異なりますので、ご注意ください。
・特別障害者手当
精神や身体に重度の障害があって、日常生活で常時特別の介護を必要とする「在宅」の方に対して、国から支給される手当です。
2022年12月現在、支給額は月額27,300円です。
要介護4、5の認定を受けている場合は、対象になる可能性があります。
利用には「在宅」が条件ですが、グループホームや有料老人ホームなど「在宅」扱いの施設であれば、受給可能な場合もあります。
・家族介護慰労金
介護保険サービスを利用せずに、要介護度が高い高齢者を在宅で介護している家族に支給される慰労金です。支給額は年額10万円程度です。
・紙おむつの支給・助成
多くの自治体が、介護支援サービスの一つとして、紙おむつの支給・助成を行っています。現物を支給する場合や費用を助成する場合があります。自治体によっては、「住民税非課税世帯」を支給の条件にしています。
このほか、
・福祉タクシー料金の助成
・補聴器購入費の助成
・車いすの貸出し
・出張理髪・美容サービス
などがあります。
【まとめ】
介護費用を軽減できる制度や方法をいくつか紹介しましたが、こうした制度を利用するには、自ら調べて、申請する必要があります。
介護費用の負担軽減には、情報収集が不可欠なのです。
親に代わってしっかりと情報を集め、利用できる制度は上手に利用して、介護費用の負担を少しでも軽減しましょう。