毎日を充実させる睡眠の法則を「すいみんコラム」として分かりやすくお伝えします。
Vol.1「高齢の家族の睡眠ケアをしなければならなくなったときのために」

監修:作業療法士/アクティブスリープ指導士養成講座主宰 菅原洋平さん

1. 自宅でできる睡眠ケアの方法を知っておきませんか?

高齢になると、眠り続ける、短い間隔で寝たり起きたりを繰り返す、 短時間しか眠れないなど、人によってさまざまな睡眠のスタイルに変化することがあります。 そんな中でも基本的な睡眠リズムは同じなのでで、 負担がかからないように睡眠リズムが整う環境作りに努めることが大切です。
自宅でできる睡眠ケアの方法を知っておきませんか?

2. まずは、朝の光

高齢になるとメラトニンの分泌量が減ることで、メラトニンの分泌リズムが形成されにくかったり、乱れやすくなったりすることがあります。朝目覚めたときに光を感知すると夜に眠気を感じやすくなる、という仕組みは同じものです。
 
朝、目覚めたら早い段階で、窓際に行って朝の光を浴び、そこでゆっくり過ごせるようなスペースづくりを工夫するのも良いと思います。

3. 日中の明るさも重要

また、高齢になると日中の明るさも睡眠の質に影響します。日中過ごす部屋の照明を明るくしたことで、夜中に目覚めたり、もうろうとして歩き回ったりするなどの行動が減少したことが研究で明らかになっています。
 
日中も部屋の照明をつけ、少しでも外に出る時間をつくってみましょう。

4. 夕方の過ごし方

夕方には深部体温が最高になりますが、その影響でうとうとしてしまうこともあると思います。入浴時間を午前中から15時台にしたことで、夜に歩き回ることが減ったという研究結果もあります。
 
夕方にはまず、体を起こしてみましょう。
 
横になっているより、座る姿勢をとるだけでも重力に対抗して筋肉の活動が高まり、深部体温は上昇します。
 
15時前は眠っていても、15時以降は体を起こして少し動くようにする、また、入浴や食事などで間接的に深部体温を高めるようなスケジュールで過ごすことも検討してみましょう。

5. 無理に就寝を促さない

夜は、眠気がこないならば無理に就寝を促すことは避けてみましょう。

脳にとって、休むことと眠ることは別の行動なので、ベッドは睡眠の場所だと記憶させるためにも、眠らずにベッドの中にいる時間は減らすようにしてみましょう。
 
睡眠の習慣は2週間単位のリズムで改善していきます。環境をつくってしまえば、普通に生活しているだけでリズムは整ってゆきます。
 
高齢の方が夜にまとまって眠ることができれば、見守りや介護をしている方もラクになるので、リズムが整う環境づくりを検討してみてください。
 
 
イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

6. 眠りについて考えてみませんか?

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眠りについて考えてみませんか?
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著者:菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。

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