親の自宅を相続した後、空き家になってしまう危険性はありませんか? 相続した家をどう活用するか悩む相続人は実は多く、そのままにしておいた結果、ただの「金食い虫」になってしまうこともあります。

一方、最近では空き家を解体し、駐車場に転用する方法をとる方が多く見受けられるようになりました。今回は、相続した空き家を駐車場にすることによるメリットとデメリットについて深掘りしてみます。ぜひ、相続後の空き家対策について考えるきっかけにしてみてください!

1. 空き家問題表面化のきっかけは「相続」

国土交通省によると、空き家を取得する理由のうち最も多いのは「相続」で、空き家問題の56%を占めると言われています(出典:令和元年空き家所有者実態調査〈国土交通省〉 ※下記グラフ)。相続で受け継いだ建物の運用方法には、「自用」(相続人が移り住むこと)、「土地活用」(自用以外の方法で利用すること)、売却、貸し出しなどがありますが、近年、すでに自宅を保有している相続人が相続した建物を取り壊し、駐車場などにするケースも多く見られます。





では、実際に相続した建物を取り崩して駐車場にする場合のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

2. 空き家を駐車場にした際のメリットとは?

メリット

●安定収入が得られる
月極の駐車場として貸した場合、安定的に賃料収入を得ることができます。また、タイムズなどと契約して時間決めの駐車場として貸す場合も、毎月定額の賃料収入が約束されているため、安定した収入を得ることが可能です。賃料収入は、土地の維持費用に充てることができるため、ご自身の資産を切り崩す必要もなくなります。

●初期費用が低い
アパートやマンションのように建物を建てるのに比べ、駐車場の設置は比較的低コストで行うことができます。そのうえ日常的な管理の手間も少なく、維持管理に掛かる費用も低く済ませることが可能です。

●売却が簡単
誰かに土地を貸してアパートやマンションにした場合、その物件の住民には借地権や借家権が発生します。その場合、いざ土地を売却したいと思っても容易に売却ができないことがありますが駐車場として利用している場合、それらの制限が発生しないため、比較的スムーズに売却ができます。

3. 空き家を駐車場にした際のデメリットとは?

デメリット

●固定資産税が増える
200平米以内の土地に住宅施設が建っている場合、本来掛かる固定資産税が6分の1となり、200平米を超える部分については、3分の1に軽減されます。しかし駐車場にした場合、それらの減税措置の対象外となるため、100%の固定資産税が掛かってしまいます。

●所得税・住民税が増える
アパートやマンションを建てて運用する場合に比べ、経費計上できる項目が少なくなります。そのため、所得の大半に税金が掛かることになり、結果として所得税や住民税が増える可能性があります。

●立地の影響を受けやすい
駐車場として運用する場合、立地の良さが借主を見つけられるかどうかの鍵になります。あまり立地が良くない場合、期待した収益が見込めず、運営費用や管理費だけで赤字になってしまう可能性があります。

4. 解決策のご提案

相続した空き家を解体し駐車場にするのが良いかどうかを判断するには、立地の良さ、そのエリアの駐車場へのニーズの有無などをしっかりと見極める必要があります。また、駐車場以外の方法で運用した場合の初期投資費用、運用コスト、収益、税金などを比較検討したうえで、最も良い方法を選ぶことが望ましいと言えます。

5. まとめ

相続した資産を活かすことは、その土地を後世のために残してくれたご家族にとっても喜ばしいことではないでしょうか。 相続した空き家の活用方法に悩んだ場合は、信頼できる不動産会社や相続のプロへ相談してみることもまた、有効な手段です。土地の特徴を理解できるプロにアドバイスをもらうことで、その土地のポテンシャル(潜在的能力)を最大限に伸ばし、同時にリスクを最小に抑えることができます。

この記事の提供元
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著者:スクエアワン司法書士法人

法律

スクエアワングループは、不動産取引や相続問題を得意とする多様な専門家・士業が在籍する唯一無二のコンサルティングファームです。

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