「戸籍謄本」や「住民票」、そもそも何で必要なの?と思ったことはありませんか? また、戸籍謄本や住民票は、今でも市区町村の役場でしか取得できないと思ってはいませんか?
この記事では、戸籍謄本と住民票の役割の違いから便利な取得方法まで、近年の戸籍謄本と住民票事情を紹介します。さらに戸籍謄本や住民票が必要になるタイミングも併せてお伝えします。ぜひあなたのブラウザの「お気に入り」に登録し、何かの手続きをする際の参考にしてみてください!
「戸籍」とは、「家族の法的な繋がり」を証明する公的な文書で、出生から死亡までの間に起こった個人の法的な履歴が記録されます。例えば出生時に親の戸籍に登録され、結婚(婚姻)時に新たに家族を作る相手と新しい戸籍を作るなど、「家族」の状態に法的な手続きが必要な変化が起こった場合、戸籍の内容が書き替えられます。
その戸籍には「謄本」と「抄本」の2種類があります。謄本は、その戸籍に登録されている家族全員の情報が載せられている一方で、抄本は家族の中の特定の人物に関する情報の一部のみが記載されます。
戸籍を見ると家族構成の歴史が分かるものの、通常結婚などを機に親の戸籍から外れるため、家系図とは異なるものだということをご理解ください。
「住民票」は、あなたが現在住んでいる場所を証明するための書類です。
住民票を取得するには、まずご自身が住んでいる地域に「住民登録」を行なう必要があります。住民票を取得すると、居住地域で選挙権を行使したり、その地域の公共サービスを受けたりすることができるようになります。
言い換えると、居住地域に住民登録をしていない人は、そのエリアの公共サービスを受けられないため、お子さんを現地の学校へ通わせることができないなど、日常生活に支障を来すことになるのです。引っ越しをした際、直ぐに手続きをする必要があるのも、住民票があらゆる公共サービスを受ける上で必要不可欠な書類であるためです。
住民票にも、戸籍同様「謄本」と「抄本」があります。謄本には、戸籍に登録されている家族全員の情報が記載されており、抄本には家族の中の特定の人物に関する情報の一部のみ記載される点もまた、戸籍と同様です。
また、住民票には「マイナンバー」や「本籍地」なども記載することができますが、記載してもらう場合は、取得時に意向を申請する必要がある点にご注意ください。
◾️戸籍謄本
これまで戸籍謄本は、本籍地がある市役所でしか取得することができませんでした。例えば、現在東京に住んでいるが戸籍が沖縄県那覇市にある人は、那覇市の市役所に直接行って窓口で取得するか、所定の方法で郵送してもらう必要がありました。
しかし、令和6年3月1日から開始された「戸籍証明書等の広域交付制度」により、本籍地以外の市区町村役場でも取得できるようになりました。
また、住民登録をしている市区町村がコンビニエンスストアでの交付に参加している、且つ「利用者証明用電子証明書」の有効期限が過ぎていないマイナンバーカードを所有している場合は、コンビニエンスストアの複合機でも戸籍を取得することも可能です。
◾️住民票
主に、住民登録をしている市役所または出張所で取得することができますが、戸籍同様マイナンバーカードを使って、コンビニエンスストアの複合機で取得することも可能です。
戸籍謄本や住民票は、結婚して別世帯を設けている場合や世帯主と異なる住所に住んでいる場合など、同じ家族でも取得できないことがあります。ですので、ご家族の誰かに代わって戸籍謄本や住民票を取りに行く場合は、必ず事前に取得可能かどうかを確認するようにしましょう!
コンビニエンスストアの複合機で戸籍や住民票を取得したことがある人の中には、「役所で発行されるものと少し違う」と感じる人も少なくないと思います。用紙の色合いが違っており、何より普通の複合機から出力できる手軽さのため、ただの印刷物に見えてしまうのは致し方ありません。
しかし結論から言うと、コンビニエンスストアで発行した戸籍や住民票も、当然ながら公的な書類としての効力がきちんとあります。また、実は戸籍や住民票の他にも、さまざまな公的な書類をコンビニエンスストアで取得することができます。
どのような書類が取れるかは市区町村によって異なるため、コンビニエンスストアへ行く前にこちらで確認してみてください。
■戸籍謄本
家族の法的な繋がりを証明する戸籍謄本は、国への申請が必要な場合などによく使用されています。
<主な使用用途>
・パスポート申請時(一定の条件を満たしている場合は不要)
・相続手続き時
・公正証書遺言作成時 など
■住民票
現在住んでいる場所を証明する住民票は、ご自身の所在地を伝える必要性がある場合によく使用されます。
<主な使用用途>
・家の賃借手続き時
・家の購入手続き時
・自動車購入手続き時
・パスポート申請時
・相続手続き時 など"
公的な手続きを行う時によく求められる住民票と、滅多に必要とされない戸籍謄本。これまでは取得するのに時間と手間が掛かったこれらの書類も、マイナンバーカードの登場により、コンビニエンスストアでも手に入るようになりました。また、コンビニで手軽に手に入るようになったこれらの書類も、公的な効力をしっかりと持っていることから、安心して活用していただくことが可能です。
一方で、戸籍謄本や住民票が求められる手続きの中には、個人で対応するには複雑過ぎるものも多々あります。そのような場合は、身近な法のプロである司法書士をはじめとする専門家に相談することで、スムーズに手続きを進めることも可能です。
著者:スクエアワン司法書士法人
法律
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