1. ケアプランとは何?
ケアプランとは、要介護(要支援)認定を受けた人が、介護保険でサービスを利用するための計画書のことです。
何のために(目的)、どんなことをしたいのか(内容)、どんな状態になりたいのか(目標)が書面にまとめてあります。
ケアプランは、担当のケアマネジャーに作成してもらうのが一般的です。
在宅でサービスを受ける場合、要介護1〜5の認定を受けた人は、居宅介護支援事業所に所属しているケアマネジャー、要支援1・2の方は、地域包括支援センターのケアマネジャーが担当します。
介護保険施設に入所した場合は、その施設に所属するケアマネジャーに作成してもらいます。
2. ケアプラン作成の流れ
ケアプランを作成するには、まず、ケアマネジャーが利用者や家族と面談し、身体状況や生活環境、要望などを聞き取ります。
そして、その情報をもとに、解決すべき課題や目標を設定してケアプランの原案を作成します。
原案ができたら、利用者と家族が内容を確認し、問題がなければ、介護サービス提供事業者と主治医などの関係者を集めた「サービス担当者会議」で原案の内容を話し合います。
この話し合いによって、ケアプランの内容が確定され、利用者と家族の同意が得られたら、ケアプランが完成します。そして、介護サービス事業者と利用契約を結ぶと、介護サービスが利用開始となります。
▪️ケアプランは定期的に見直す
ケアプランは一度作成したらそれで終わりではありません。
サービス利用開始後も、ケアマネジャーはケアプランに沿ったサービスが提供されているか、利用者の状況に変わりがないかを定期的に確認します。
必要があればケアプランの見直しを行い、最適なサービスが利用できるように変更していきます。
3. ケアプランを作成してもらうときの注意点
ケアプランの作成は、ケアマネジャーの担当ですが、利用者と家族も協力して一緒に作りあげていくことが大切です。
ここでは、ケアプランを作成してもらうときの注意点を確認しましょう。
●どんなサービスを受けたいかしっかり伝える
ケアプランには、どんな介護サービスを利用するかが書かれています。
ケアプランに書かれていない介護サービスは、あとで本人や家族が希望しても、利用することができません。そのため、利用したい介護サービスがある場合は、面談でケアマネジャーに伝えて、ケアプランに組み込んでもらう必要があります。
「どんな介護サービスがあるのかよくわからない」という方は、ケアマネジャーが、面談での聞き取りをもとに、利用者や家族に適切な介護サービスを提案してくれます。
そのため、面談のときに、希望や要望、介護の困りごとなどを具体的に伝えるようにしてください。
例えば「ずっと一人で家にいるので、話し相手が欲しい」「自宅での入浴介助の負担が大きい」など。
ケアマネジャーは、聞き取りをした内容から課題となるものを洗い出し、解決するためにどんなサービスが必要なのかを本人や家族と一緒に考えてくれます。
▪️「ケアプランの原案」はしっかり確認する
ケアマネジャーの作成した「ケアプランの原案」は、しっかりと確認しておきましょう。
チェックポイントは以下の3点です。
・本人や家族が暮らしやすくなるか
・サービスの内容や回数に間違いがないか
・費用がいくらかかるのか
自分たちの意向とケアプランの内容が合っていない場合は、合っていないポイントと要望をあらためて伝え、ケアプランの原案を作成しなおしてもらいましょう。
4. ケアプランの作成でよくある質問
一度作成したケアプランを変更することはできますか?
利用を開始したサービスが本人に合わなかったり、突然のケガや病気の進行などで利用者の状況が変わったりなど、ケアプランを変更したほうが良いと感じるケースはさまざまあることでしょう。
ケアマネジャーには、月1回以上の定期訪問が義務付けられているので、ケアプランを変更してもらいたい場合には、まずは訪問日に相談してみましょう。
ケアマネジャーがケアプランを見直し、あるいは軽微な変更など、いまの状況に合わせたサービスを検討してくれます。
なお、ケアマネジャー自身が、自分が作成したケアプランを見直して、サービスの効果が発揮されていないと判断した場合は、ケアマネジャーの方からケアプランの変更を提案する場合もあります。
▪️ケアプランの作成には費用がかかりますか。
ケアプランの作成費用は、全額介護保険から支払われるため、利用者の負担はありません。