1. ケアマネジャーの役割
在宅介護において、適切なサービスが受けられるようにサポートしてくれるのが、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーです。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、以下の役割を担っています。
● 介護サービスの提案
● ケアプランの作成
● 主治医や介護サービス事業者との連絡・調整
● 施設入居を希望する人に、条件に合った施設を紹介
● 介護に関係する手続きの代行
ケアマネジャーは、利用者本人やその家族にとって最も身近な相談窓口であり、長く付き合う相手となるため信頼できる人を選ぶことが大切です。
2. ケアマネジャーの探し方
ケアマネジャーは居宅介護支援事業所に所属しています。そのため、まずは居宅介護支援事業所を探す必要があります。
居宅介護支援事業所のリストは、市町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターでもらうことができます。(要介護認定の結果と一緒に送られてくることもある)
そのほかには、インターネットで「〇〇市 居宅介護支援事業所」と検索して探したり、入院中の方は、病院の相談員から紹介してもらうことも可能です。
3. ケアマネジャーを選ぶ5つのポイント
居宅介護支援事業所が決まったら、事業所の管理者から所属するケアマネジャーを紹介してもらいます。
ケアマネジャーは、これからの介護相談のパートナーとなる存在です。相性も踏まえて、悩みや不安を相談しやすい人を選ぶと良いでしょう。
ケアマネジャーを選ぶ際のポイントは、以下の5つです。
● 面倒がらず話を聞いてくれる
● 知識や情報を豊富に持っている
● 迅速な対応
● 勤務状況
● 資格や職歴
利用者や家族の話をよく聞いてくれるか、必要な情報についてわかりやすく説明してくれるか、すばやく行動に移してくれるかなど、仕事ぶりをチェックしましょう。
近所でケアマネジャーに依頼している知り合いがいれば、評判を聞いてみてもいいでしょう。実際に利用している人の意見は参考になります。
また、常勤か非常勤か、どのくらいの担当を持っているかといった勤務状況も確認するポイントです。忙しいケアマネジャーでは、きめ細やかな対応をしてもらえない可能性があります。
ケアマネジャーが保有する資格や以前の仕事の経験も確認しましょう。
ケアマネジャーは医療や福祉の資格を持ち、5年以上の実務経験のある人が取得できる資格です。ケアマネジャーによって得意な分野が異なるため、利用者本人の状況に合った人を選ぶことをおすすめします。
このように、ケアマネジャー選ぶ際には、仕事ぶりや人柄、専門性をチェックして、信頼できる相手かどうかを判断することが大切です。
ケアマネジャーを決めたら、所属する居宅介護支援事業所と契約を結びます。
4. ケアマネジャーは変更できる
どんなに慎重に選んでも、相談をしていくうちに相性が良くないと感じたり、対応に不満を感じたりすることがあります。その場合は、ケアマネジャーを変更することができます。
変更する場合には、2通りの方法があります。
1. 居宅介護支援事業所の管理者に申し出る
居宅介護支援事業所の管理者に連絡し、変更の理由やケアマネジャーへの要望を伝えると、それに合った人材を選び直してもらえます。
2. 居宅介護支援事業所そのものを変更する
別の居宅介護支援事業所と新たに契約して、そこに所属するケアマネジャーに担当してもらうことも可能です。ただし、契約後に変更する場合は、解約料を請求される場合もあるため、契約書にある解約条件をよく確認しておきましょう。
なお、ケアマネジャーや居宅介護支援事業所を変更しても、ケアプランの内容は引き継いでもらえるため、その時に受けている介護サービスはそのまま利用できます。
5. おわりに
在宅介護において、適切なサービスが受けられるようにサポートしてくれるのが、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーです。
ケアマネジャーは、利用者本人やその家族にとって最も身近な相談窓口であり、長く付き合う相手となるため信頼できる人を選ぶことが大切です。
なお、ケアマネジャーとうまく付き合っていくには、介護生活で困っていることや要望を遠慮なく伝えることが重要です。ケアマネジャーは利用者本人や家族の生活ついて相談に乗り、困りごとを解決する役割があります。希望や要望はできるだけ具体的に伝えると、ケアマネジャーも対応しやすくなります。
また、ケアマネジャーに利用者本人や家族についてよく知ってもらうことも大切です。ケアマネジャーには守秘義務があるので、利用者本人の生い立ちや性格、趣味などの情報や話しづらいことなども遠慮せず伝えるようにしましょう。こうした情報が、最適な介護サービスの利用につながります。