ダブルケア状態になると介護と子育てに関するお金の負担が増えることになります。お金に関する不安や負担を和らげることが出来るように、この記事ではダブルケアのお金に関することを中心にお伝えしていきます。

1. 必要な費用の項目

介護に必要な費用について、項目別にみてみましょう。

1.介護費用
① 生活費
・食費
・光熱費
・家賃
 
介護サービスが必要ではなくても、年金だけだでは家計が賄えず、経済的な援助をする必要な場合もあります。経済的な援助を行うことも立派な介護の1つです。
 
②在宅介護で必要な費用
・介護サービスの利用料
・介護用品の購入費
・福祉用具費
・自宅のリフォーム工事費
・通院のための交通費
・医療費
・健康保険料
・介護保険料
 
介護保険サービスは所得によって1~3
割負担で利用できますが、介護度が重くなるほど介護費用は膨らんできます。
 
 
③ 施設入所すると必要になる費用
・医療費
・介護サービスの利用料
・介護用品の購入費
・ホテルコスト
・オムツ代
・おやつ代
・レクリエーション費
・理美容代
・外出時の送迎費
・買い物代行の費用
・貴重品管理費
・行政手続きの代行費用
 
ホテルコストとは介護施設において、家賃、光熱費、食事のことを指します。以前は介護保険で賄われていましたが、2005年からは原則的に全額自己負担となっています。また上記の中でオムツ代以下の項目に関しては、使った分だけ実費で払う施設もあれば、定額で払う必要がある施設もあります。見学の時に確認してみてください。

2.子育てに必要な費用
① 養育費
・衣類・服飾雑貨費
・食費
・生活用品費用
・医療費
 
② 教育費
・保育費(入園料、保育料、給食費、行事費、教材費、一時保育料、ベビーシッター代など)
・学校教育費(入学料、授業料、給食費、PTA会費、修学旅行費、制服、交通費など)
・学校外教育費(学習塾費、教材費、家庭教師代金など)
・学校外活動費(習い事の月謝、習い事に必要な用具費、発表会費、試合費など)
・子どもの携帯代金
・おこづかい
・子どものための貯金、保険
・レジャー、旅行費
・出産関連の費用
 
年齢が上がるほど必要なお金は増えます。また地域によっても掛かる費用の差は大きくなります。特に東京23区内の養育費・養育教育費は突出して多くなります。
 
 

2. 実際にかかる費用

1.介護にかかるお金
生命保険文化センターが2021年に調査した結果によると、住宅改造や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の合計は平均74万円、月々の費用が平均8.3万円となっています。また在宅で介護を行った場合の平均介護費用は4.8万円、施設入居の場合は平均で12.2万円程度かかります。
 
介護を行った期間は6ヶ月未満が3.9%、6ヶ月~1年未満が6.1%、1~2年未満が10.5%、2~3年未満が12.3%、3~4年未満が15.1%、4~10年未満が31.5%、10年以上が17.6%という結果になっています。平均すると介護期間は5年1ヶ月となります。

2.子育てにかかるお金
2010年に内閣府が行った子育て費用に関する調査では、就学区分別にみた第1子1人当たりの年間子育て費用総額の平均額が算出しています。
 
未就園児は843,225円、保育所・幼稚園児は1,216,547円、小学生は1,153,541円、中学生 1,555,567円です。年齢が上がっていくほど、子育て費用は高くなっていきます。また東京23区内の年間子育て費用総額は他の地域より突出して多くなっていることが分かりました。
 

3. 介護費用の捻出方法

介護費用は要介護者になる人の年金や預金で払うことが望ましいです。

1.年金、預金の把握
介護費用を捻出するために年金や預金を把握します。預金通帳、判子などの場所を確認しておきましょう。

2.生命保険の把握
生命保険の中には介護が必要になる、認知症になる、または要介護状態になることで一時金や年金が受け取れるものがあります。また重度の要介護状態になると死亡保険金が前払いされるものもあります。どちらも受け取るためには要件を満たしている必要があるため、契約内容をよく確認してみてください。 生命保険の確認はとても大切です。条件に当てはまっていても、自分から申請をしないと受け取ることができません。介護費用に充てるためにも、しっかりと請求していきたいですね。

3. 介護費用が足りない場合
介護費用は要介護者の年金や預金で払うことが望ましいですが、介護費用を年金では賄えずに援助が必要になる場合もあります。 介護が必要になった初期段階で誰が、どの程度負担するのか家族内で話し合いをしておくと良いでしょう。後から決めようとすると話し合いが難航することがあります。

 

4. 公的サービス、制度を活用する

1.介護保険
要介護認定を申請し、要支援・要介護認定が出ると、介護保険サービスを受けることができます。要支援では介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス、介護予防支援を受けられます。

要介護では居宅介護サービス、施設サービス、地域密着型介護サービス、居宅介護支援を受けられます。自己負担額は基本的に1割ですが、現役並みの所得があると2~3割負担となります。
 
2.介護予防住宅改修費、居宅介護住宅改修費
介護予防住宅改修費は要支援1、2の方が対象の介護予防サービスで、居宅介護住宅改修費は要介護の方が対象の介護保険サービスです。住み慣れた自宅を改修することで住みやすくし、介護負担を軽減させるための制度です。修繕にかかる費用を1~3割に軽減させることができます。20万円を上限に支給され、超えた分は全額自己負担となります。
 
この制度で修繕できることは以下となります。
①手すりの取り付け
②段差の解消
③滑り防止及び移動の円滑化等のた
めの床又は通路面の材料の変更
④引き戸等への扉の取替え
⑤洋式便器等への便器の取替え

事前申請が必要なため、必要な場合はケアマネジャーに相談してみてください。
 
3.高額介護合算療養費制度
高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険における1 年間の自己負担の合算額が高額になる場合、自己負担額が軽減される制度です。毎年8月1日から翌年7月31日までの期間で計算されます。
 
4.高額療養費
高額療養費とは月々の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。年齢、所得によって自己負担額は異なります。
 
5.高額介護サービス費制度
高額介護サービス費制度とは月々の介護サービス費が自己負担限度額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
 
6.家族介護慰労金
要介護認定者を主に介護している方に対して支給されます。支給条件や支給額は自治体によって異なります。自治体独自のサービスのため、実施していないところもあります。詳しくは窓口でお尋ねください。
 
7.介護手当
家族介護慰労金同様の自治体独自のサービスです。岡山県倉敷市では寝たきり、または認知症の方を在宅で介護している人に対して年額4万円の介護手当が支給されます。また、東京都中央区では「お年寄り介護応援手当」として月額2万円が支給されているそうです。ご自身のお住まいの自治体で実施されているか等、詳しくは窓口にてお尋ねください。

8.児童手当
中学校修了までの子ども1人につき月額15,000円または1万円が支給されます。所得によって、子ども1人につき月額5,000円を支給している場合もあります。
 
 

5. まとめ

制度やサービスは、自ら求めていかなければ利用することができません。活用できる制度やサービスを最大限に使うためにはケアマネジャーをはじめ、行政窓口や地域包括支援センターなどに相談することが近道です。さらに生命保険などについても今一度見直してみてください。
 
次回のテーマは「仕事を続けるために」となります。ダブルケアによる離職、仕事を続けるためのポイントなどについて詳しくお伝えしていきます。
 
 

 
この記事の提供元
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著者:山本みどり

大学病院のNICU(新生児集中治療室)で勤務後、精神科、訪問看護を経験。
現在は小児発達ケア専門訪問看護ステーションで発達障がいと診断された子どもやそのご家族へ小児発達ケアを行っている。
食から身体のことを整えたいと思い、プライベートでは中医学・薬膳を学んでいる。

【経歴】
看護師/Webライター
看護師歴6年 NICU、精神科、訪問看護(成人・精神特化・小児発達ケア)
家政婦やベビーシッターとしても働いている。

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