シニアと行きたい旅行先を、トラベルライター間庭典子がご紹介! 5回目の今回は、前回の石川県加賀温泉から「はしご」しての金沢片町。加賀100万石の伝統工芸が令和の今、どう進化したかを体感できるグルメ旅です。

1. OMO5金沢片町を拠点にしたモダンな金沢を訪ねる旅へ

シニアである親世代も、サポートする側の子世代も、旅そのものを満喫し、快適に過ごせるのがこれから目指すべき旅のあり方。今回は「加賀百万石の伝統文化にふれる旅」をテーマとして親子旅プランの後編。星野リゾートの温泉旅館・界のある加賀温泉から、金沢の街へ。アクティブな旅を提案するOMO5金沢片町で、現代の生活になじみ、モダンに進化した伝統工芸や、街歩きを楽しみます。
 
2日目は加賀温泉から特急列車で約25分、伝統と洗練が融合した金沢の街へ。金沢駅は世界で最も美しい鉄道駅のひとつにも選ばれ、鼓門などフォトジェニックな名所で有名。効率よくショッピングや食事ができる金沢駅の「金沢百番街 あんと」の下見をしておくと、帰りのお土産探しが便利になりますよ。

今回の宿は2022年5月に開業した星野リゾートのOMO5 金沢片町。「あっぱれ! 味のかたまち」がコンセプトというだけに、金沢の街の中心地、香林房からもほど近く、名店へも徒歩圏という絶好のロケーション。グルメはもちろん、食にまつわる歴史や文化も気軽に体験でき、テンションが上がります。POPで明るいデザインのインテリアは若い層にも人気があり、OMOカフェは地元の若者も多く訪れる場所。旅のテンションが上がります。

写真下:香林坊からもすぐ。金沢観光の中心地にあるOMO5金沢片町。
OMO5金沢片町を拠点にしたモダンな金沢を訪ねる旅へ

2. スタイリッシュでシンプル、かつ機能的な客室

部屋はスタイリッシュかつ機能的。金沢らしい伝統文化モチーフのカラフルなインテリアなど、滞在するだけでわくわくするデザインの部屋で、暮らすようにくつろげる仕掛けが満載です。全室トイレと浴室が別々なのもシニア世代にはうれしい点。全101室の中にはキッチンが備え付けられているタイプも。作業しやすい大きなデスクを設けたワーケーションに適した部屋など6タイプから旅の目的に合わせて選べます。九谷焼そばちょこや雪つりのイラストを施したクッションなど、部屋にも金沢をモチーフにしたアイテムがたくさん。モダンでスタイリッシュな今の金沢をイメージした部屋です。

写真下:コンパクトで機能的な客室。全室、浴室とトイレが別なのもうれしい。

スタイリッシュでシンプル、かつ機能的な客室

3. 片町の街をディープに楽しむ情報収集はOMOベースで

1階のパブリックスペースもユニーク! 朝食からバータイムまで、1日を通じてだれでも気軽に立ち寄れるOMOカフェでは、さまざまな金沢グルメを味わえます。例えば、朝ごはんはメインの料理を選び、サラダやヨーグルトなどをセルフサービスで盛り付けるシステム。棒茶と生麩のリゾットなどのご当地メニューも。ぜひトライしてほしいのが、カフェメニューの五郎島金時モンブラン(1000円)! これはサツマイモのクリームを自分でしぼって仕上げるタイプのスイーツで、動画を撮って盛り上がるゲストも多いのだとか。
 
OMOベースでは生らくがん作りに挑戦するアクティビティも、毎日15時30分から開催しています。材料を混ぜたり、型に押し固めたり、その工程を実際に作業できるのです(要予約で参加費1000円)。出来立てのほろりとした食感には感動するはず! 老舗和菓子店「落雁 諸江屋」の材料だから味は間違いなし。香ばしい加賀棒茶との相性もばっちりです。夕方には棒茶を飲み比べながら、知識を深めるミニ講座も無料で開講。界 加賀同様、OMO5金沢片町も、滞在するだけでさまざまな体験ができる宿なのです。
片町の街をディープに楽しむ情報収集はOMOベースで

4. スタッフのおすすめを集めたMAPを頼りに街歩き

ラウンジを兼ねたOMOベースには2m角のご近所マップを用意。徒歩圏にある、知る人ぞ知る美味しいお店や隠れた名所など、スタッフが足を運んで見つけた情報が満載なので、街歩きの前には必ずチェックして! 九谷焼や漆器などの作品も飾ったギャラリーのような棚もあります。
 
準備が整ったら、いよいよ街を散策! 片町はさまざまな名所にも近く、にし茶屋街、金沢城公園や兼六園なども徒歩圏内。街の中心地なのでトイレなどのアクセスも良く、タクシーもつかまえやすい。普段、歩きなれていないシニアの親世代でも、気軽にウォーキングに挑戦しようという気になれます。
スタッフのおすすめを集めたMAPを頼りに街歩き

5. OMOレンジャーが案内をしてくれる無料のツアーでGO!

さらに効率よく散策するなら、ぜひご近所ガイドOMOレンジャーが街を案内する「金沢片町味わいまっし散歩」に参加してみて。こちらは4時からの1時間、スタッフであるOMOレンジャーがいっしょに散策しながら、片町の食のルーツや食と伝統工芸品のつながりについて案内するという無料のツアー(要予約)。長町武家屋敷跡や木倉町、せせらぎ通りの見どころや名店を案内してくれ、途中で参加者限定の試食体験も。途中離脱もOKなので、そのまま買い物をしたり、気になるお店でちょっと一杯、なんて参加者も多いのだそう。効率よく街歩きができ、そのときの気分や好みにあわせたおすすめのお店を教えてくれます。そしてOMOレンジャーたちがキュートで、こちらまでフレッシュな気分になります。

写真下:武家屋敷をガイドしてくれるOMOレンジャー。夜の街の案内も完璧!

OMOレンジャーが案内をしてくれる無料のツアーでGO!

6. 老舗漆器店による会員制レストランのカウンターへ

私はガイドツアー途中に教えていただいた木倉町のCRAFEATへ。ここは正式名称がCRAFEAT produced by 田谷漆器店ということでもわかるように、老舗漆器店が上質な器を実際に体感する場としてオープンしたレストランなのだそう。50万円相当の価値があるお重など、手に取るのもどぎまぎする貴重な器ばかりですが、食事をすることでその滑らかさや機能性、繊細さを実感します。2階は会員制でコースのみですが、1階のバーはアラカルトでもOKで、誰でも気軽に利用できます。ふと気づくとカウンターの両脇は先ほどツアーに参加した方たち。偶然にも同じお店を選んだというわけです。1時間、一緒に歩いたことでなんとなく顔見知りになったので、和やかに語り合いながら、金沢の味覚と伝統工芸のマリアージュを楽しみました。ツアー旅行ほどべったりではなく、薄くつながるこの距離感が心地いい。親子旅でもほかの参加者と交流できるのはいいですね。そんな連帯感も生まれ、初めての街でもディープな側面や住む人が秘密にしたい名店も知ることができる――それがOMOレンジャーが案内する街歩きのよさなんです。

老舗漆器店による会員制レストランのカウンターへ

7. 早起きはプライスレスにお得! 誰もいない美術館で撮影大会

翌日の朝は「金沢21世紀美術館お散歩ツアー」へ。8時45分に集合し、宿から歩いて約5分の美術館が目的地です。美術館の創立までの背景や、なかなか聞けないエピソードなどをOMOレンジャーから聞きながら、展示作品を見て回ります。こちらも参加は無料(要予約) ! この美術館のコンセプトは「まちに開かれた公園のような美術館」。誰もが入館できる「交流ゾーン」があり、展覧会ゾーンに比べて1時間早い9時に開館します。実はこの1時間が絶好のシャッターチャンスなのだとか! あの作品を独占して記念写真が撮れるとあって、それだけでもこのツアーに参加する価値あり! おとなになると、親子そろっての旅先スナップって意外と撮る機会がないものですが、ロケーションを熟知したOMOレンジャーが絶妙のアングルで撮影してくれますよ。

このツアーはちょうど展覧会ゾーンがオープンする10時前に終了。現地解散なので、そのまま美術鑑賞を楽しむもよし、すぐ近くの兼六園や金沢城を観光するもよし、それぞれのプランを生かせます。

写真下:早朝の美術館はまだ人も少なく、ほぼ貸し切りで撮影ができます!
早起きはプライスレスにお得! 誰もいない美術館で撮影大会

8. 旅の「しめ」は金沢駅のあんとでお土産さがし!

旅のしめくくりは金沢駅の「金沢百番街 あんと」で。ここは石川県を代表する老舗や人気店が集まっているんです。旅の疲れもあるので、お土産を一か所でまとめて買えるのはうれしい。要冷蔵のものも帰る直前に買えます。また、あんとでは金沢おでんや回転ずしなどの金沢グルメも味わえますよ。北陸新幹線かがやきで東京駅までは約2時間半。旅の余韻にひたって語り合うにはちょうどいい復路に。森八の上生菓子やすずめの大福、有名料亭のお弁当なども販売しているので、車中で味比べしてみるのもいいかもしれませんね。

街をアクティブに楽しむOMOは、デザインもPOPで若い層向けの宿のイメージが強かったのですが、実際に滞在してみると、OMOレンジャーによるツアーに無料で参加できたり、ご当地メニューが館内のカフェでも試せたり、高齢者との旅でも無理なくアクティブに過ごせたことが発見でした。
伝統の界 加賀とアクティブなOMO5金沢片町。まったく違うタイプの宿泊施設に滞在することで、より深く、豊かな「加賀百万石の伝統文化にふれる旅」が実現します。
 
 
OMO5金沢片町 by 星野リゾート
石川県金沢片町1₋4‐23
050-3134-8095(OMO予約センター)
 
OMO5金沢片町 | 星野リゾート【公式】 (hoshinoresorts.com)
 


写真下:ラウンジでもあり、街情報の発信地でもあるOMOベース。

旅の「しめ」は金沢駅のあんとでお土産さがし!
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著者:間庭典子(まにわのりこ)

中央線沿線の築30年以上の一軒家に後期高齢者の両親と同居する50代独身フリーランス女子。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「mc Sister」編集者として勤務後、渡米。フリーライターとして独立し、女性誌など各メディアにNY情報を発信し、「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」(講談社)などを発行。2006年に帰国し、現在は日本を拠点に、旅、グルメ、インテリア、ウェルネスなど幅広いテーマの記事を各メディアへ発信。旅芸人並みのフットワークを売りとし、出張ついでに「研修旅行」と称したリサーチ取材や、さびれた沿線のローカル列車で進む各駅停車の旅を楽しむ。全国各地の肴を味わえる地元の居酒屋やスナックなどの名店を探すソロ活動も大好き。

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