シニアと行きたい旅行先を、トラベルライター間庭典子がご紹介! 5回目の今回は、前回の石川県加賀温泉から「はしご」しての金沢片町。加賀100万石の伝統工芸が令和の今、どう進化したかを体感できるグルメ旅です。
部屋はスタイリッシュかつ機能的。金沢らしい伝統文化モチーフのカラフルなインテリアなど、滞在するだけでわくわくするデザインの部屋で、暮らすようにくつろげる仕掛けが満載です。全室トイレと浴室が別々なのもシニア世代にはうれしい点。全101室の中にはキッチンが備え付けられているタイプも。作業しやすい大きなデスクを設けたワーケーションに適した部屋など6タイプから旅の目的に合わせて選べます。九谷焼そばちょこや雪つりのイラストを施したクッションなど、部屋にも金沢をモチーフにしたアイテムがたくさん。モダンでスタイリッシュな今の金沢をイメージした部屋です。
写真下:コンパクトで機能的な客室。全室、浴室とトイレが別なのもうれしい。
さらに効率よく散策するなら、ぜひご近所ガイドOMOレンジャーが街を案内する「金沢片町味わいまっし散歩」に参加してみて。こちらは4時からの1時間、スタッフであるOMOレンジャーがいっしょに散策しながら、片町の食のルーツや食と伝統工芸品のつながりについて案内するという無料のツアー(要予約)。長町武家屋敷跡や木倉町、せせらぎ通りの見どころや名店を案内してくれ、途中で参加者限定の試食体験も。途中離脱もOKなので、そのまま買い物をしたり、気になるお店でちょっと一杯、なんて参加者も多いのだそう。効率よく街歩きができ、そのときの気分や好みにあわせたおすすめのお店を教えてくれます。そしてOMOレンジャーたちがキュートで、こちらまでフレッシュな気分になります。
写真下:武家屋敷をガイドしてくれるOMOレンジャー。夜の街の案内も完璧!
私はガイドツアー途中に教えていただいた木倉町のCRAFEATへ。ここは正式名称がCRAFEAT produced by 田谷漆器店ということでもわかるように、老舗漆器店が上質な器を実際に体感する場としてオープンしたレストランなのだそう。50万円相当の価値があるお重など、手に取るのもどぎまぎする貴重な器ばかりですが、食事をすることでその滑らかさや機能性、繊細さを実感します。2階は会員制でコースのみですが、1階のバーはアラカルトでもOKで、誰でも気軽に利用できます。ふと気づくとカウンターの両脇は先ほどツアーに参加した方たち。偶然にも同じお店を選んだというわけです。1時間、一緒に歩いたことでなんとなく顔見知りになったので、和やかに語り合いながら、金沢の味覚と伝統工芸のマリアージュを楽しみました。ツアー旅行ほどべったりではなく、薄くつながるこの距離感が心地いい。親子旅でもほかの参加者と交流できるのはいいですね。そんな連帯感も生まれ、初めての街でもディープな側面や住む人が秘密にしたい名店も知ることができる――それがOMOレンジャーが案内する街歩きのよさなんです。
旅のしめくくりは金沢駅の「金沢百番街 あんと」で。ここは石川県を代表する老舗や人気店が集まっているんです。旅の疲れもあるので、お土産を一か所でまとめて買えるのはうれしい。要冷蔵のものも帰る直前に買えます。また、あんとでは金沢おでんや回転ずしなどの金沢グルメも味わえますよ。北陸新幹線かがやきで東京駅までは約2時間半。旅の余韻にひたって語り合うにはちょうどいい復路に。森八の上生菓子やすずめの大福、有名料亭のお弁当なども販売しているので、車中で味比べしてみるのもいいかもしれませんね。
写真下:ラウンジでもあり、街情報の発信地でもあるOMOベース。
著者:間庭典子(まにわのりこ)
中央線沿線の築30年以上の一軒家に後期高齢者の両親と同居する50代独身フリーランス女子。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「mc Sister」編集者として勤務後、渡米。フリーライターとして独立し、女性誌など各メディアにNY情報を発信し、「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」(講談社)などを発行。2006年に帰国し、現在は日本を拠点に、旅、グルメ、インテリア、ウェルネスなど幅広いテーマの記事を各メディアへ発信。旅芸人並みのフットワークを売りとし、出張ついでに「研修旅行」と称したリサーチ取材や、さびれた沿線のローカル列車で進む各駅停車の旅を楽しむ。全国各地の肴を味わえる地元の居酒屋やスナックなどの名店を探すソロ活動も大好き。