仕事と介護の両立は予想以上に大変です。介護が人生の中心になると、介護離職や家族関係の悪化につながることもあるからです。

介護と仕事の両立、あるいは家族関係のバランスを取りながら、後悔のない生き方をする為にはどうしたら良いのかご提案しています。
 

1. はじめに

厚生労働省のデータによると、介護の平均年数は男性9.79年、女性12.93年と推測されます。介護をする方の年齢は働き盛りの世代ですから、介護の終了と共に定年を迎える方も多いと思われます。
 
働き盛りの世代は昇進なども期待される時期です。自分自身のキャリアの集大成にあたる時期であり、子供の就職や結婚、ご自身の定年後の暮らし方を考えることもあるでしょう。
 
介護と自分の人生の両立について、何を優先すべきか、ご両親の介護と自分の人生に向き合う方法は一概には言えません。
 
ご両親の介護の始まりは人生の後半戦に向かって軌道修正を余儀なくされ、不安な気持ちを抱く方、様々さまざまな感情が伴いながらライフプランを見直す方もいらっしゃるでしょう。
 
大切なのは、自分の人生について考え、自分にとって最良の判断をしていくことです。

2. 人間の喜びとは

昔から仏教で言い伝えられてきた言葉があります。そこでは、人間の喜びは4つあると語られています。
 
⑴人に愛されること
人間は愛されることで誰かを愛したい気持ちを強く感じるようになります。
 
⑵人に褒められること
人間は誰かに認められることに喜びを感じるようになります。
 
⑶人の役に立つこと
人間は誰かの役に立つことで生きがいを感じるようになります。
 
⑷人に必要とされること
人間は誰かに必要とされることで自分の存在意義を感じるようになります。
 
この4つは働くことで得られるものです。
 
この人間の4つの喜びを広めた方は日本理化学工業株式会社の会長、大山泰弘氏です。企業にお勤めの方はご存じかもしれません。
 
皆さんは仕事で、または日常で喜びを感じていらっしゃるでしょうか。
人間の喜びとは

3. 人生に喜びを感じ幸せになる為の条件

⑴自己肯定感を持つ
ア)自分の弱さを受け入れる
自分の欠点や過ちを否定せず、人間として完璧ではないことを受け入れます。
 
イ)自分の内側から出る言葉を変える
連載2回目の「人間関係を良好に保つコミュニケーションの基本」で説明いたしましたが、人間は24時間自分とコミュニケーションをしています。そのコミュニケーションの中ではネガティブな言葉もあります。その言葉を前向きな言葉に変えることによって、自分自身の不安な状態も改善されます。
 
ウ)小さな成果を積み重ねていく
自分の得意なことや好きなことに時間を費やし、人に喜んでもらう、共感してもらうことで成果を上げます。
 
例えば私は文章を書いています。文章を書き始めたのはブログからでした。最初は1000字書くのもやっとでしたが、次第に2000字ほど書けるようになりました。
 
そして、イイネやフォローして下さる方も増えてきました。「共感しました」などのコメントや記事をシェアして下さる方もいらっしゃいます。

これは全て私の小さな成果の積み重ねです。
他の方からのコメントなどを通じて、自分の経験や考えが誰かの役に立っていることが嬉しいと感じます。
 
このように自分の好きなことを続けること、積み重ねることで心が満たされてきます。
 
成果というとお金などの利益を考えてしまうかもしれませんが、日常のことや趣味、人間関係を通じてどのくらい心が満たされるかが大切になってきます。
 
⑵愛の関係性を意識する
親の介護に直面した時、老いを人として自然な過程だと大らかに受け入れる方もいらっしゃるかもしれませんが、大抵の方は介護に対して消極的でご両親とのやり取りで悲しい思いをされる方もおられるのではないでしょうか。
 
「親を見捨てるの」
「今まで大切に育ててきたのに」
「誰の世話にもなりたくない」
「どこにも行きたくない、デイサービスなんて嫌」
 
こういった言葉はご両親の本意ではないことを知っておきましょう。
 
ご両親は子供に介護を受けることを望んでいるのではなく、いくつになっても誰かの役に立ちたいと思っています。しかし、子供の世話になっている状態に苛立ちを感じてしまうこともあります。
 
そんな時は、ご両親の言葉をそのまま受け取らず、ご両親の気持ちを理解しようとすることが大切です。私達の親は子供の成長、自立、そして幸せを何より望んでいます。
 
幸せの定義はそれぞれの家族、親子関係、夫婦関係、個々の価値観で異なりますが、この繋がりは愛から始まっていることを忘れないでいただきたいと思います。
 
この視点を持つことで、どんな問題に遭遇しても、自分の原点に立ち返り関係性を修復しようと思えるようになるからです。
人生に喜びを感じ幸せになる為の条件

4. 自分らしい人生を過ごすための考え方

人間は問題に直面すると、それを人生の中心に捉えがちです。
 
人生の目標が明確な方だとそれが主軸になりますが、見つからない方は一時的な目標を設定し以下を読み進めてみて下さい。
 
人生は木に例えられます。木を豊かな実りとなるように育てていきましょう。
 
根:家族、環境、教育などが私達の人生の根になります。成長に欠かせない存在です。どんな環境に置かれていても成長に繋がることを認識しましょう。
 
幹:幹が人生そのものです。ここに人生の目標、成し遂げたいこと、なりたい人物像が入ります。
 
枝:人生の分岐点、これまでの選択を表します。
また、選択してこなかった別の可能性もあります。未来の新しいチャンスも新芽と共に隠れています。
 
葉と実:人生の喜びとなるものです。親子関係、お金、趣味、夫婦関係など人生を構成するさまざまな成果を表現しています。
 
季節:木の成長の為には四季が必要です。人生の経験と四季の移り変わりは同じようなものだと考えます。
 
物事の始まりや全盛期、学びを深める時や全てを清算する時も、いくつもの要素や経験があるから独自の成長を遂げていくのだと思います。
 
木は人生そのものです。
介護も人生の一部であり、どんな実りを得るかは自分自身の捉え方、行動の仕方で変わってきます。さまざまな出来事と調和を取りながら過ごすことが大切です。
 
自分らしい人生を過ごすための考え方

5. まとめ

現在直面していることは人生のほんの一部であることを認識しましょう。

仕事と介護だけに焦点を当てるのではなく、まずは自分の存在を大切にしてください。そうすることで自分自身を広い視野で見つめることができます。
 
後悔のない生き方をする為にはさまざまな選択や学び、時には思い切って行動することも必要なことがあると思いますが、バランスよく人生という木を育てていきましょう。
 
この記事の提供元
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著者:郷堀有里夏

⼀般社団法⼈⽇本ナースオーブ・ウェルネスナースとして活動しています。看護師歴は 30 年になりますが、⾃分の親の介護を経験した際は、不安や苛⽴ち、葛藤を感じていました。しかし、認知科学を学ぶことで視点が⼤きく変わり、後悔のない介護を⾏うことができました。現在はその経験を活かし、認知科学やコミュニケーションの⽅法を応⽤したオンライン講座や介護相談を⾏って います。

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