胸焼けが発生した場合、水や牛乳などの飲み物を飲むことで症状が和らぎます。飲み物を食道に通すことで、胃酸を奥へと流す効果が期待できます。牛乳には食道の粘膜を保護する働きもあるため、とくにおすすめしたい飲み物です。
海外の看護師48,308人の食習慣と胸焼けとの関係を調べた論文(*1)において、コーヒーや紅茶、炭酸飲料を飲んでいるグループは、全く飲まないグループより胸やけの発症リスクが高いと報告されています。
・お腹を締め付けない
胃が圧迫されると、胃酸が食道に逆流しやすくなります。とくに食後の締め付けは逆流を招きやすいため、食後はお腹を締め付けないようにしましょう。
ベルトやコルセットなどをしている場合は、食後だけでも緩めるようにすると胸やけの緩和が期待できます。
また、ベルトなどを緩めなければならない状態にならないようにするために、小分けにして食べるなど、一度に食べる量を調整することも大切です。
・市販薬を使う
市販薬で胸焼けが改善されるケースもあります。例えば、暴飲暴食が原因となって起こる胸焼けは、市販の胃腸薬を服用することで対処できる可能性があるため、試してみてください。
胸焼けの薬に限ったことではありませんが、お薬は用量以上に摂取することでより高い改善効果が期待できるものではありません。1回分の量を守って服用しましょう。
・姿勢に気をつける
胃酸が逆流しやすい姿勢をとらないように気をつけることも、胸やけの対処法となります。
前かがみの姿勢や寝ころんだ姿勢を避けて、胃が食道よりも上にこないよう意識しましょう。
眠る際には完全に体を横にするのではなく、背中に枕や座布団などをおいて上半身が少しだけ上を向くようにすることで、胃酸が逆流しにくくなるでしょう。
・食べ物
脂質が多い食べ物は消化に時間がかかり、胃酸の分泌を促進するため、胸やけにつながりやすいことが分かっています。チョコレートやケーキ、ピザにラーメンなど、高脂質の食品の摂取を控えることで、胸やけを回避しやすくなるでしょう。
また、刺激物を避けることも胸やけの予防には有効です。カフェインやキムチ、タバスコ、唐辛子、炭酸飲料などの摂取は控えましょう。
さらに、繊維質が多い食べ物も消化に時間がかかるため、摂取を控えた方がいいでしょう。
・規則正しい生活をする
胃に負担のかからない生活を続けることも、胸やけの防止に役立ちます。
夜更かしや睡眠不足、過剰な疲労感などは消化器系に大きな負担となるため、早寝早起きを心がけ、ゆっくり休む時間を取ることも重要です。
また、就寝中に胃をしっかり休めるためにも、寝る前の食事は避けましょう。
夕食は量を控えめにした軽めのものを、就寝2時間前には済ませておくことをおすすめします。
*1 Clin Gastroenterol Hepatol. 2019 Nov 28. pii: S1542-3565(19)31380-1. doi: 10.1016/j.cgh.2019.11.040. [Epub ahead of print]
Association Between Beverage Intake and Incidence of Gastroesophageal Reflux Symptoms: Beverages and GER symptoms.
Mehta RS, Song M, Staller K, Chan AT.