訪問介護をスムーズに行うには、要介護者である親や配偶者、ともに介護にあたる兄弟姉妹や介護スタッフとの人間関係がとても重要です。
 
ところが、家族にもさまざまな事情があり、家族だから円滑なコミュニケーションができるかといえば、そうではありません。また、ホームヘルパーやケアマネジャーといった知らない人たちと一から関係を築くのも難しいものです。
 
この記事では、訪問介護サービスを利用する場合の家族の心得として、家族間や介護スタッフとのコミュニケーションの取り方について解説をします。

1. 家族間のトラブルをなくす方法

介護サービスを受ける場合、家族で話し合わなければならないことがたくさんあります。サービスを利用する本人の意思はもちろんのこと、家族の負担を考え、ベストな方法を話し合うことが必要です。
 
特に長期化しやすい訪問介護では、介護を担う家族への身体的・精神的・金銭的な負担が多いため、家族間でトラブルになることがよくあります。
 
まずは、家族間のコミュニケーションの取り方について考えてみましょう。

2. 親・配偶者とのコミュニケーションの取り方

いつ、どこでやってくるのかわからないのが介護です。そのため、親、または配偶者が元気なうちからどのような介護を望んでいるかを知っておくのは大切なことです。
 
●介護についての考えを聞く
親、または配偶者が介護に対してどう考えているかを知るのは非常に重要です。「訪問介護を希望するか、施設を利用するか」「誰に介護をしてもらいたいか」といった情報は、とても繊細なテーマですが、その人らしい生活を守るためには必要不可欠です。


●親の経済状況を確認する
要介護者が親の場合、金銭的な状況を把握できていない人も多いのではないでしょうか。預貯金や保険、年金収入などの金銭に関わる情報を知ることは、介護計画を立てるうえで非常に重要です。かかる費用は、親自身のお金を使うことを基本と考え、足りない分を家族でどう補うかを話し合いましょう。

3. 兄弟姉妹とのコミュニケーションの取り方

兄弟姉妹の関係性も家族によってさまざまです。それぞれに自身の生活があり、家族があり、事情も異なります。話し合いの際には、「金銭面でどのくらい負担ができるか」「どのくらい介護に時間を使えるか」など具体的にお互いの状況を知ることが必要です。


●誰が介護の主体者かを決める
兄弟姉妹のうち、「誰が主体となって介護をするか」というのは大きな問題です。主たる介護者は、日常生活のサポートから身体的介助、介護サービスの利用手続き、ケアマネジャーやホームヘルパーとのやりとりなどの全てを担う人であり、必要があれば金銭面での負担もする人です。そのため、ほかの兄弟姉妹よりも介護疲れが生じやすいということに理解を示し、まめにコミュニケーションを取るようにしましょう。
 

●役割を分担する
介護をするにあたって家族間で役割を明確にしておくことも重要です。兄弟姉妹がいる場合、金銭面や身体的なサポートも含めて、どう分担するかをしっかりと話し合いましょう。兄弟姉妹の仲がよくても、経済的な余裕がないなどの事情から介護に消極的になることもありますが、いつでも助け合えるような関係を保つことが必要でしょう。

4. ケアマネやヘルパーと上手に付き合う方法

ケアマネジャーやホームヘルパーとうまく付き合えないという声をよく耳にします。そのような不安を抱えている利用者、または家族の多くは、コミュニケーション不足が主な原因ではないでしょうか。
 
ここからは介護支援者たちとのコミュニケーションの取り方について説明します。
 
●ケアマネジャーとのコミュニケーションの取り方
ケアマネジャーがケアプランを立てる際は、健康状態や症状を正しく伝えるのはもちろん、利用者についてよく知ってもらうことも大切です。生い立ち、好きなもの、嫌いなもの、趣味や特技などの情報をたくさん提供することで、適切な介護サービスを受けやすくなります。
 
ケアマネジャーとの付き合い方でいちばん気をつけなくてはならないことは、なんとなくわかってくれるだろうと考え、すべてを任せきりにすることです。利用者や家族は普段からこまめに連絡を取ることを心がけましょう。


●ヘルパーとのコミュニケーションの取り方
訪問介護においては、基本的にはケアプランに沿った介護サービスが提供されますが、利用者と家族から直接要望を聞いてサポートしてくれるのはホームヘルパーです。そのため、困っていることや何か希望などがあれば、より明確に伝えることが大切になります。利用者本人の性格や食べ物などの好み、掃除の仕方や洗濯物の片付け方など具体的に説明することで、納得のいくサービスが受けられるでしょう。

5. まとめ

人間関係を良好に保つためには、円滑なコミュニケーションが大切です。介護においてもそれは同じで、親子や兄弟姉妹などお互いよく知っている間柄でも、相手の話をよく聞き、自分の意思を正しく伝えなくてはなりません。
 
ところが、介護の話を嫌がる人は多く、普段は何でも気軽に話せる関係でもなかなか本音を話してくれなかったり、親御さんのなかには、年寄り扱いをされたと腹を立てたりする人もいます。介護はそれだけデリケートな話題だと認識したうえで、相手の気持ちに寄り添うような会話を心がけましょう。
この記事の提供元
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著者:服部広子

服部 弘子(はっとり ひろこ)
<略歴>
FPサテライト所属ファイナンシャルプランナー
栃木県出身、東京都在住。大学卒業後、出版社に記者として勤務。主にエンターテイメントに関連の取材活動、原稿執筆を行うかたわらFPの勉強を始め、2007年にAFP資格を取得。2011年には介護事業所を運営する会社を設立し、訪問介護の事業所を経営している。現在はライター業と介護の仕事に従事しながら、FPとしても活動中。

<所有資格>
日本FP協会 AFP認定者

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