1. 訪問介護にかかる月額の平均費用
訪問介護サービスを受けるためにかかる費用は、大きく2つに分けられます。
1つ目は、介護保険に基づく介護サービスの「介護サービス利用料」、2つ目は、おむつなどの介護用品への支出や医療費、税金・社会保険料などにかかる「介護サービス以外の費用」です。
家計経済研究所の調査によると、ヘルパーによる訪問介護やデイサービスの利用などにかかる介護サービス利用料は、1ヶ月当たりの全体平均で1万6,000円でした。
一方、介護サービス以外の費用は全体平均で3万4,000円。介護サービス利用料と合わせた1ヶ月の費用の合計は、全体平均で5万円となりました。
介護サービス利用料にはデイサービスなどにかかる費用も含まれていますが、訪問介護にかかるおおよその費用として把握しておきましょう。
2. 一時費用の目安
訪問介護にかかる費用には、介護用ベッドや車いすなど福祉用具にかかる費用や住宅リフォーム代など一時的にかかる費用もあります。
生命保険文化センターの調査によると、そのような一時的にかかる費用の合計額は平均74万円。要介護度が上がるほど高く、要介護度5が最も高額で平均107万円となりました。介護状態によっては福祉用具も機能性が高いものを使用する必要があり、そのことが費用がかさむ要因の1つです。
4. 家族の心得
ここまでの説明でわかるように、訪問介護にかかる費用は約400万円ほどになります。
親の介護は、基本的に親の年金や貯蓄、資産などをその費用に充てるとしても、食費や家賃、光熱費などの生活費も別途必要です。いつまでも蓄えが続くわけではなく、親のお金が不足する場合は家族が負担する必要が出てきます。
そこで、費用を抑えるために必要な対策としてさまざまな補助制度があることを知っておくと良いでしょう。
5. 費用を抑えるための対策
自己負担額が高額になった場合、いくつかの軽減制度があります。
・高額介護サービス費
1ヶ月の介護サービスの自己負担の合計額が一定額を超えると、超えた金額が市町村から払い戻されます。同じ世帯に複数のサービス利用者がいる場合には世帯で合算することができます。一般的な所得の人の負担限度額は、月額4万4,400円です。
・高額医療・高額介護合算療養費
毎年8月から翌年7月までの1年間の医療保険と介護保険の自己負担額を合算して、一定の限度額を超えた分が払い戻されます。限度額は所得区分に応じて異なり、年額で設定されています。公的医療保険の一般所得者の限度額は、70歳以上の世帯で56万円です。
・医療費控除
同一生計の親が、訪問看護や訪問リハビリテーションなどの医療系サービスと併せて利用する場合の訪問介護(生活援助中心型を除く)サービス費用の自己負担額は、所得税の医療費控除の対象となります。
医療費控除は次の式で計算した金額です。
{(実際に支払った医療費の合計額)−(保険金などで補てんされる金額)}−10万円
大人用の紙おむつ・パッド類の購入費も医療費控除の対象となります。控除を利用するためには、医師がおむつの使用が必要であると認めた「おむつ使用証明書」が必要になるので主治医に相談してください。
6. まとめ
今回のシミュレーションで算出された費用合計額は約400万円でしたが、あくまでも平均額であり、訪問介護にかかる費用はサービスを受ける方によって、あるいは受けるサービスによっても異なります。
親の介護をすることになった場合、子供の経済的負担は大きく、(きょうだい等がいた場合)誰が負担するかで揉めることも多くなります。トラブルに発展しないためには、兄弟姉妹や家族間でよく話し合い、協力することが大切です。
また、家族の介護のために会社を辞める「介護離職」が社会問題となっていますが、介護にかかる費用について知れば知るほど、離職によって収入源を失うことがいかに大きなリスクとなるのかがわかるかと思います。
さまざまな制度をうまく活用して、お金の面でも快適な訪問介護生活を送りましょう。