1. 要支援の方が入居できる施設①民間施設
①サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
60歳以上の自立した方、比較的介護度の低い方を対象とした高齢者向けの住まいです。館内は、手すりやスロープなどのバリアフリーが完備され、高齢者が安心して生活できる環境が整っています。
サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があり、要支援の方は「一般型」の対象になります。(介護型は、要介護1以上が対象)
一般型のサ高住には、日中に1名以上のスタッフが配置され、規定のサービスである安否確認と生活相談サービスが義務付けられています。また、希望者にはオプションサービスで食事・掃除・洗濯などの生活支援サービスが提供されています。
介護サービスは提供されないため、介護サービスを利用したいときは、入居者が地域の居宅介護支援事業所のケアマネジャーと個別に契約し、訪問介護やデイサービスなど外部のサービス事業者による介護サービスを受けることになります。
・費用の目安
入居金:0〜20万円
月額利用料:12〜20万円
②介護付き有料老人ホーム
都道府県による「特定施設生活介護」の指定を受けた有料老人ホームです。
施設スタッフによる24時間体制の介護サービスや生活支援、健康管理、日常的な医療支援などのサービスを受けることができます。
介護付き有料老人ホームは、自立〜要介護5まで幅広い介護度の方々を入居対象としています。「混合型」と「介護型」の2種類があり、要支援の方は「混合型」の対象になります(介護型は、要介護1以上が対象)。
・費用の目安
入居金:0〜数百万円
月額利用料:16〜30万円
③住宅型有料老人ホーム
生活支援などのサービスが受けられるタイプの有料老人ホームです。自立〜要介護の方まで幅広く入居できます。
「介護付き有料老人ホーム」と異なるのは、介護サービスを施設常駐のスタッフから受けられないことです。
介護サービスを受けたい場合は、入居者が地域の居宅介護支援事業所のケアマネージャーと個別に契約し、外部の介護サービスを選んで利用します。
・費用の目安
入居金:0〜数十万円
月額利用料:10〜16万円
④グループホーム(認知症対応型入居者生活介護)
認知症のある高齢者が少人数で、施設スタッフのサポートを受けながら共同生活を送る施設です。家庭的な雰囲気の中で、入居者の自立した生活を支援することを目的としています。
グループホームでは、認知症介護の専門スタッフが常駐し、認知症の進行を穏やかにしつつ、入居者の能力の維持を図るためのさまざまな取り組みが行われています。
入居対象は、認知症の診断を受けている要支援2以上の方です。施設のある地域に住民票があることも条件となっています。要支援1の方は対象外ですのでご注意ください。
・費用の目安
入居金:0〜16万円
月額利用料:10〜14万円
2. 要支援の方が入居できる施設②公的施設
⑤一般型ケアハウス
ケアハウスは、経済状況や家庭環境などによって自立した生活を送ることが困難な方に、生活支援サービスを提供する施設です。
入居できるのは、家族による援助を受けることが難しい方、あるいは身寄りのない方です。「一般型」と「介護型」の2種類があり、要支援の方は「一般型」の対象となります。
・費用の目安
入居金:0〜30万円
月額利用料:9〜13万円
⑥養護老人ホーム
養護老人ホームは、環境上や経済的な理由により、居宅で養護を受けることが困難な高齢者を受け入れ、社会復帰を目指す施設です。
提供されるサービスは、食事や入浴、健康管理などの生活支援のみで、基本的に介護サービスは提供されていません。入所するには、市区町村による入所基準を満たす必要があります。
・費用の目安
入居金:なし
月額利用料:0〜14万円(前年度の収入によって決定)
3. 要支援者が入居前に確認すべきこと
要支援の方の場合、入居した施設によっては、入居中に介護度が重くなったり、医療ケアを必要とする状況となったりした場合に、施設側から退去を求められることがあります。
施設の設備やスタッフの体制などにより、退去を勧告される条件は異なりますが、入居を検討する際には、身体の状態が変わったときにどんな症状までなら暮らせるのかを確認しておくことが大切です。