1. トイレの臭いや汚れは尿はねによるもの
家事テクに詳しいフードスタイリストの江口恵子さんにご協力いただき、水回りの代表格であるキッチンの「掃除のコツ」をお伝えしました。大掃除に取り組む際の心構えを簡単におさらいしておくと、押さえておきたいのは次の2点でしたよね!
・大掃除は、年末の忙しい時期に1日で終わらせようとしない
・ガンコな汚れが多い水回りを最初に片づける
さて、今回も江口さん監修のもと、同じ水回りのトイレの掃除術を紹介していきます。トイレは利用する頻度が高いうえに、尿はねによる臭いや汚れが付きやすい場所。年末の大掃除で汚れをリセットして、気持ちよく新年を迎えましょう!
トイレは、放っておくと汚れが落としきれなくなったり、イヤな臭いが発生したりしてしまいます。そのため、「日々こまめに掃除している」という人も、意外に多いのではないでしょうか。
とはいえ、便器や便座に比べて、壁や床は掃除の頻度が低くなりがち。大掃除のときは、ふだん力を入れていない部分の汚れもしっかり落としましょう。
2. トイレ掃除も「汚れの性質に合った洗剤を使う」のが鉄則
江口先生いわく、「トイレ掃除を効率的に行うポイントは、キッチンと同様に汚れに合った洗剤や道具を効果的に使うこと」だとか。トイレ掃除に取りかかる前に、【酸性の汚れはアルカリ性の洗剤、アルカリ性の汚れは酸性の洗剤で中和する】という法則を思い出しておいてください。
トイレ掃除のときにあると便利な洗剤・グッズは次のとおりです。
・アルコール水(※1):高い殺菌効果があるので、カビ予防にもなります。
・クエン酸水(※2):酸性なので、アルカリ性の汚れを中和します。
・酸素系漂白剤(粉末タイプ):弱アルカリ性で、強い洗浄力を発揮します。
・トイレ用掃除シート:使ってそのままトイレに流せるので衛生的です。
※1 消毒用エタノール90mLと水110mL、ハッカ油3滴をアルコール耐性のあるスプレーボトルに入れて使いましょう。ハッカ油を入れることで、香りがついて除菌効果もアップします。
※2 水200mLにクエン酸小さじ1杯を混ぜ、スプレー容器に入れて使用しましょう。
トイレの汚れや臭いは主に尿はねによるものです。尿はね汚れはもともと酸性ですが、時間がたつとアルカリ性に変わるので、アルカリ性の汚れを中和する酸性の洗剤を使うと、汚れと一緒に臭いもとれますよ。
3. 汚れをためないトイレ掃除術
ここからは場所ごとにわけて、トイレの掃除方法を解説していきます。
場所別トイレの掃除方法・その1
①便器
軽い汚れの場合は、トイレ用の中性洗剤適量を便器の中にふりかけ、トイレ用ブラシで汚れをこすり落としてください。水面付近に輪っか状の輪じみ(掃除をさぼるとあらわれることから、「さぼったリング」とも呼ばれます)が付いてしまった場合は、酸素系漂白剤を活用しましょう。
「便器の輪じみは、尿石と水垢がたまったもの。就寝前や外出前などに、酸素系漂白剤を大さじ1杯ふりかけて、浸けおきすると汚れがゆるみます」とは江口先生のアドバイスです。浸けおきの時間は30分〜6時間、その後はトイレ用ブラシで軽くこすり、水で流しましょう。
1週間に1回これをやると、輪じみができにくくなるのでおすすめです。ただし、その間トイレが使えなくなるので、江口先生の言葉にあるように、就寝前や外出前に行ってください。
4. 場所別トイレの掃除方法・その2
②ふた・便座
ふたや便座の表側はアルコール水を使って拭き掃除をしましょう。便座裏の汚れは、はねた尿が原因でできた尿石(アルカリ性)なので、クエン酸で中和してください。クエン酸水を吹きかけたトイレットペーパーでパックし、さらに上からクエン酸水をスプレーしたら、しばらく放置しましょう。それだけで、汚れが格段に落ちやすくなります。
5. 場所別トイレの掃除方法・その3
③壁
トイレの壁には、飛び散った尿汚れが付着していることがあります。ホコリを落とした後に、クエン酸水を直接スプレーして、トイレ用掃除シートで拭きましょう。壁の汚れは臭いの原因になりやすいので、腰の高さの位置まで念入りに拭いてください。
④床
こちらも尿はね汚れがつきやすい場所です。壁と同じように、クエン酸水を直接スプレーして、トイレ用掃除シートで拭いてください。
⑤収納
洗剤類はまとめて収納ケースに入れておくと、掃除するときに使いやすくて便利です。またトイレブラシと柄は、サイズを合わせたケースに入れておくと、ホコリがたまりにくく衛生的ですよ。
6. まとめ
トイレはそれほど大きな空間ではないので、コツを押さえて手早く終わらせましょう。
江口さんいわく、「トイレマットや便座カバーを使わないと、すぐに拭けるので、一気に掃除がしやすくなります。こまめに拭くことで、臭いも取れるので、消臭剤も不要になるというメリットもありますよ」とのこと。こまめに掃除をしているのに、トイレの臭いが気になる場合は、床や壁に飛び散った尿はねが原因かもしれません。便座以外にも壁や床も、しっかり拭くようにしましょう。
次回は、「浴室・洗面所編」をお届けするので、ぜひ年末の大掃除にお役立てください。
写真撮影:山田 英博
監修:江口 恵子さん
江口恵子(えぐち・けいこ) ※写真下
フードスタイリスト・料理家。雑誌やWEB、広告でのレシピ提案やスタイリング、企業やメーカーのレシピ開発など、幅広く活躍。さらに、料理教室「ナチュラルフードクッキング」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナーとして、シンプルでおいしい、野菜たっぷりのごはんを多くの人に届けるべく奮闘中。著書に『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)『子どもと一緒に季節の食しごと』(マイナビ出版)『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)がある。