1. 浴室はさまざまな汚れが付きやすい場所
浴室は頻繁に水を使う場所なので湿気がたまりやすく、カビやぬめりが発生しやすい場所です。また、皮脂汚れや石けんカスなども付きやすいので、知らず知らずのうちに汚れがたまっていたりしますよね。日頃の掃除で落としきれなかった汚れは、大掃除でキレイにしましょう。
浴室の主な汚れは、主に水垢・皮脂汚れ・石けんカス・ぬめり・黒カビの5つです。ちなみに、皮脂汚れやぬめり、黒カビは酸性で、水垢と石けんカスはアルカリ性の性質を持っています。しっかり覚えて、大掃除に役立ててください。
浴室掃除のときにあると便利な洗剤・グッズは次のとおりです。
・酸素系漂白剤(粉末タイプ):弱アルカリ性で強い洗浄力を発揮するほか、初期のカビの除去、漂白、除菌にも効果があります。
・アクリルスポンジ:アクリル100%の毛糸でできたスポンジ。水だけで汚れが落ちます。
・タイル目地ブラシ:目地や溝の汚れを落とすのに便利。角度がついているので、歯ブラシを使うよりも、力を入れずに無理なくこすれます。
2. 浴室の水垢・カビを防ぐ掃除術
黒カビは深く根を張ってしまうと落としにくくなるので、初期のうちに酸素系漂白剤で落としましょう。それではトイレと同様、場所別に掃除のコツを解説していきます。
場所別浴室掃除のコツ・その1
①浴槽&風呂小物
浴槽は、ふだんの浴室用洗剤で汚れを落としてもよいのですが、年に一度の大掃除では別の方法でキレイにしましょう。
はじめに、お湯をためた浴槽に酸素系漂白剤(1.5 ~2 カップ)を入れて、ひと晩つけおきしてください。翌日、スポンジなどで軽くこするだけで汚れがすっきりしますよ。浸けおきのときに風呂小物も一緒に入れておくと、一石二鳥です。
4. 浴室はふだんから「汚れをためない工夫」をするのも大事
さて、浴室掃除のコツはここまでですが、江口先生は「浴室をピカピカに保つために、日ごろから意識してほしいこと」として、次の3のルールを付け加えてくれました。
●ルール1:壁全体にシャワーをかける
最初にお風呂に入る人は、壁全体にシャワー(お湯)をかけましょう。壁に膜をつくることで、水 垢やカビの原因になる石けんカスが付きにくくなります。
●ルール2:風呂小物の水 垢を洗い流す
椅子や風呂おけは、使い終わったらスポンジでこすりながらシャワー(お湯)で洗い流して、水 垢が付 かないようにしてください。
●ルール3:カビをつくらない
カビは、「20℃以上の温度」「水分」「石けんカスなどの汚れ」によって繁殖するので、カビを防ぐには、これらを絶つことが大切です。お湯を抜いた浴槽の内側は、シャワー(お湯)をかけながら、アクリルスポンジで洗い、タオル(体を拭いたものでOK)で水滴を取りましょう。
いろいろな汚れがたまりやすい場所だからこそ、汚れをためないように工夫する——。これを徹底できたら、大掃除はもちろん、ふだんの掃除もぐんとラクになりそうです。
5. 洗面所掃除でいちばんやっかいなのは水垢汚れ
最後に番外編として、洗面所掃除のコツも紹介しておきましょう。洗面所に付きやすい汚れといえば、水垢汚れです。水垢汚れは、水に含まれるカルシウムなどのミネラル分が固まったもの。放置するほど落ちにくくなるので、水滴はすぐに拭き取るようにしてください。しつこい汚れには、クエン酸が効果的です。
洗面所掃除では、次の洗剤・グッズを用意しましょう。
・アルコール水:高い殺菌効果があるので、カビ予防にもなります。
・クエン酸水:酸性なので、アルカリ性の汚れを中和します。
・重曹:弱アルカリ性の重曹は、油汚れ対策の代表格。粒子が細かく、水に溶けにくいのでクレンザーとしても使えます。
・マイクロファイバークロス:マイクロレベルの極細繊維を使ったクロス。吸水性が高く、細かい汚れが取れます。
・メラミンスポンジ:水だけで汚れが落ちるメラミン素材のスポンジも揃えておくと便利です。
以下では、洗面ボウル、鏡、蛇口の3箇所について掃除のコツを解説していきます。
場所別洗面所掃除のコツ・その1
①洗面ボウル
洗面ボウルに黒ずみが見られるときは、粉末の重曹をふりかけて(適量)、水にぬらしたメラミンスポンジでこすりましょう。水で洗い流した後に、クエン酸水スプレーを吹きかけ、マイクロファイバークロスで拭き取れば、よりキレイになります。
②鏡
水垢や皮脂汚れが気になるときは、アルコール水スプレーを吹きかけてから、マイクロファイバークロスで拭き取りましょう。
7. まとめ
水回りの掃除について解説してきましたが、ポイントはつかめましたか? 付け加えておくと、最初にお風呂に入る人が「壁全体にシャワーする」、最後にお風呂に入る人が「水滴を取る」など、家族の間で入浴と掃除をセットにするのも、浴室を清潔に保つためのコツです。 もちろん、洗面所もついで掃除がおすすめ。洗顔や歯磨きなど、洗面所を使ったら、その都度、水滴を拭き取るだけでも、大掃除の手間が軽減できますよ。洗面台に物を置くと掃除がしにくくなり、水垢がたまる原因になりかねないので、できるだけ物を置かないように心がけましょう。 次回は、「大掃除の効率をアップするラク家事講座」のしめくくりとして、リビングやキッチンまわり冷蔵庫、玄関などの収納術をお伝えします。しっかり読んで、効率的に大掃除を行ってください。
写真撮影:山田 英博
監修:江口 恵子さん
江口恵子(えぐち・けいこ) ※写真下 フードスタイリスト・料理家。雑誌やWEB、広告でのレシピ提案やスタイリング、企業やメーカーのレシピ開発など、幅広く活躍。さらに、料理教室「ナチュラルフードクッキング」主宰、カフェ&デリ「ORIDO. 吉祥寺」オーナーとして、シンプルでおいしい、野菜たっぷりのごはんを多くの人に届けるべく奮闘中。著書に『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)『子どもと一緒に季節の食しごと』(マイナビ出版)『普段使いの器は5つでじゅうぶん。』(ジービー)がある。