1. 入居後の生活をイメージする
希望条件を検討する前には、今の生活を振り返り、抱えている不安や困りごとを解消するには、何が必要かを考えてみましょう。
例えば「頼れる家族がそばにいない」「持病がある」「寝たきりになったらどうしよう」「買い物や食事の準備ができなくなった」など。
次に、思い浮かんだ不安や心配ごと、近い将来起こりそうな問題をリストアップして、それらの解消に必要な、施設の設備やサービス、環境などについて考えてみましょう。
入居後の生活を考えながら「こんな設備やサービスがあったら安心」「こんな環境であれば安心して親を預けられる」など、現実的なことをイメージするとよいでしょう。
入居後の生活をイメージすることで、入居する目的が明確になり、何を求めて入居するのか明確になるはずです。
2. リストアップする希望条件の例
希望条件をリストアップするときの具体的な項目を挙げていきます。希望条件の一例として参考にしてください。
◾️1.予算
老人ホームに入居する際には、「入居一時金」が必要です。また、入居期間に応じて毎月の家賃や介護サービス費、食費などの費用も必要になります。
予算を決める時には、まず現在の預貯金額や資産、これから受け取れる収入(年金など)を洗い出し、入居する年数を想定して、無理なく支払える予算を割り出しましょう。
なお、入居する施設によって、入居一時金が不要な場合もあるため、入居一時金と利用料の予算は分けて考えると良いでしょう。
例えば、「入居一金がある場合:入居一時金◯円、利用料◯円が上限」「入居一金がない場合:入一時金◯円、利用料◯円が上限」という具合です。
◾️2.立地
一般的には、入居者が今住んでいる地域にある施設か、家族が暮らす地域の施設のどちらかを選択することになります。
住み慣れた地域であれば、土地勘もあるので外出もしやすく、今までと変わらない生活を送ることができるでしょう。入居する本人にとっては、環境の変化によるストレスが少なく済むので大きなメリットとなります。
しかし、家族が遠くにいる場合は、すぐに会いに行けないことがデメリットです。
一方で、家族の家に近い施設であれば、家族が面会に行きやすく、緊急時もすぐに駆けつけることができます。入居する本人と家族の双方にとって、安心できる環境と言えるでしょう。
また、自然豊かなところが良いのか、交通アクセスの良いところにするのかなど、立地環境についても検討が必要です。
立地条件は、入居する本人の希望と家族の希望をすり合わせて、住みたい場所の候補を挙げましょう。
◾️3.サービス
施設で提供されるサービスは生活の満足度を高める重要な要素のひとつです。どのようなサービスを受けたいのかについても整理しておきましょう。以下は、整理する条件の一例です。
・施設スタッフから介護サービスが受けられる
・イベントやレクリエーションが充実している
・健康的で美味しい食事が提供される
・アレルギー対応食や介護食など個々に対応した食事の提供がある
・好きな時間に食事ができる
・庭や菜園などがある
・好きな時間に入浴できる
・毎日お風呂に入ることができる(入浴回数に制限がない)など
・備え付けのキッチンがある
・居室にトイレ、お風呂がある
・大部屋がある
・夫婦部屋がある
・ペットと一緒に入居できる
など
◾️4.医療ケア体制
医療ケアの体制は施設ごとに異なります。そのため、持病のある方や日常的に医療ケアが必要な方は、施設の医療体制や受けられる医療ケアの内容から条件を考えていきましょう。
・看護職員の配置がある
・夜間も看護職員が勤務している
・医療機関との連携体制
・必要な医療ケアが受けられる
・夜間や緊急時の対応・体制
・健康診断の頻度
・リハビリテーションが受けられる
・認知症ケアが受けられる
・看取りケアが受けられる
など
3. 希望条件の優先順位を決める
希望条件をリストアップしたら、優先順位を付けていきましょう。
ただし、全ての希望条件を満たす施設を探すことは難しいため、譲れないもの、譲れるものを判断して、優先順位を付けることが大切です。
4. さいごに
老人ホームには、さまざまな種類があり、施設ごとに入居の目的や特徴、サービス内容などが異なります。
老人ホームを選ぶためには、入居する本人の希望する条件を決めて、本人の希望に合う施設を選ぶことが大切です。