この10年で急速に広まった家電のひとつが「自動調理鍋」。圧力タイプと非圧力タイプがあり、食材と調味料を入れるだけで手間なく料理が完成するという家電です。その手軽さから特に多忙な共働きの家庭で人気がありますが、もちろん、忙しいケアラーや火の元の管理が心配な親世帯にとっても強い味方になるはず。そこで、今回は自動調理鍋の種類の違い や選び方について、家電ライターが詳しく説明します。

1. そもそも「自動調理鍋」とは? ホットプレート調理で代用はできないの?

自動調理鍋とは、食材と調味料を入れてボタンを押せば、放置していても自動的に加熱調理をしてくれる家電のこと。最近は煮物もできるホットプレートも増えていますが、自動調理鍋との違いは「料理に合わせて自動的に火力調整できる」機能があるかどうかです。
 
自動調理鍋なら「最初に強火で素早く鍋内の温度を上げ、沸騰してからは食材が煮崩れないように弱火でコトコト煮る。調理終了後は自動的に保温する」などの作業を自動的に行ってくれます。調理中に火加減を調整しなくてよいので、スタートボタンを押したら放置するだけ。調理中はキッチンにいる必要もありません。
 
最近は電気代が高騰しているため 、「自動調理鍋は電気代が高いのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。電気代は各製品の消費電力によって変わりますが、自動調理鍋の多くは 最大消費電力が800W前後。パワフルなタイプだと最大 消費電力が1200Wという製品もあります。
 
30分間ずっと最大パワーで利用した場合、消費電力がつねに800Wなら15円 弱、1200Wなら22円弱かかる計算です(1kWhあたり36.6円で計算。※2024年1月における東京電力の標準的な電力量料金)。ですが、通常はつねに 最大消費電力では動かないのでもっと安くなります。たとえば、シャープのヘルシオホットクック  KN-HW10Eでカレー2人分を15時間予約調理した 場合の消費電力は518Wh(実測値)。これは電気代に換算すると19円ほどになる計算です。
そもそも「自動調理鍋」とは? ホットプレート調理で代用はできないの?

2. 自動調理鍋には圧力タイプと非圧力タイプがある

そんな便利な自動調理鍋ですが、実は製品によってさまざまな違いがあります。特に重要なのが「圧力機能」の有無。圧力鍋は短時間で食材をやわらかく煮ることができる代表的な時短調理器具ですが 、「圧力が怖い」と使用をためらう人もいます。しかし、電気圧力鍋 なら加圧から減圧までが自動なので 、「圧力鍋は爆発しそうで怖い」という人でも安心して利用できます。
 
とはいえ圧力タイプも、非圧力タイプの自動調理鍋も 、「材料を入れてボタンを押すだけ」という手間 の少なさは同じ。変わるのは「調理ができるまで待つ時間」の長さだけです。このため、あえて圧力機能非搭載の製品を選ぶ人もいます。非圧力タイプはお手入れが簡単だったり、圧力タイプよりも本体がコンパクトといったメリットがあります。


圧力機能非搭載の代表ともいえるシャープのヘルシオホットクック シリーズ。最上位モデルのKN-HW24Gは生クリームのホイップまでできる高性能モデル
 
自動調理鍋には圧力タイプと非圧力タイプがある

3. 圧力の強さを切り替えられる 電気圧力鍋も

ちなみに、圧力鍋は高い圧力をかけられる製品ほど短い時間で食材をやわらかく煮ることができます。一般的な電気圧力鍋 は最大圧力が70~80kPa前後ですが、高機能なものでは 最大100kPa近い圧力をかけられる製品も登場しています。ただし、圧力が高いと料理によってはじゃがいもなどの一部の食材が煮崩れてしまうことも。このため、最近は「高圧」「低圧」など、料理によって圧力を切り替えられる製品も増えてきました。


圧力の強さを切り替えられる シロカのおうちシェフPRO Mタイプ 。最高圧力が95kPaと加圧のパワフルさも魅力

圧力の強さを切り替えられる 電気圧力鍋も

4. 予約機能がない製品も多いので注意!

「朝に自動調理鍋をセットして、夕方に帰宅したらできあがっている」という使い方をしたい家庭も多いはず。そんな場合は予約機能があるか どうかをチェックしましょう。自動調理鍋は傷みやすい肉や魚をセットすることもあるため、予約ができない製品もあるのです。 生肉などの予約調理ができる製品は「予約設定後すぐに加熱し、予約時間まで食材が傷まない温度で保温。予約時間が近づいたら本格的に加熱調理して仕上げる」という賢い動きをします。気を付けたいのが、予約機能があっても「時間に合わせて加熱調理するだけ」という製品もあること。こういった製品は、予約 調理は炊飯モードにしか利用できないなど、調理 できる料理が限定されるので注意が必要になります。

 

予約調理の一例(図はシロカのおうちシェフPROによる予約調理の温度コントロール)

予約機能がない製品も多いので注意!

5. 最近注目されている「かくはん」機能搭載モデル

ここ数年注目されているのが、調理中に食材を混ぜる機能を搭載した「かくはん」機能搭載製品です。かくはん機能搭載機といえば、数年前まではシャープの「ヘルシオ ホットクック」シリーズ くらいしか選択肢がありませんでした。今は圧力機能を搭載したパナソニックの自動調理鍋「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」や、お手頃価格のハイアールの 「ホットデリ JJT-R10A」など複数の選択肢が出てきました。 かくはん機能があれば煮込み料理もムラなく作れます。また、製品によってはパラパラチャーハンや飴色玉ねぎといった炒め調理まで自動で任せることも可能になります。


かくはん機能搭載製品は非圧力タイプばかりだった中、かくはんも圧力調理もできることで注目を集めたパナソニックの自動調理鍋 オートクッカー ビストロ NF-AC1000

最近注目されている「かくはん」機能搭載モデル

6. 製品によって特徴いろいろ、ライフスタイルに合わせた機能を選んで

自動調理鍋 は製品によってさまざまな特徴があります。このため、自分の生活 スタイルにあった製品を選ぶことも重要です。たとえば、自動調理鍋のボリュームゾーンは3L容量タイプですが、少人数世帯なら手軽に洗える1~2Lのコンパクトな製品、世帯人数が多かったり作り置きをする家庭なら6Lなどの大容量タイプが使いやすいでしょう。
 
料理のスキルによっても選びたい製品は変わります。普段から料理をしている人なら、自動調理モードだけでなくマニュアルモードが 充実した製品を選ぶ のがおススメ。製品によっては無水調理はもちろん、スロー調理(やや低温でじっくり煮込む調理方法)や低温調理モードもあるので 、料理のバリエーションがより豊かになるはずです。
 
反対に、そもそも料理が苦手という人は自動調理レシピの種類が豊富で、レシピがわかりやすい製品を選びましょう。たとえば、ティファールの「クックフォーミー タッチ」なら鍋についたタッチパネルで料理の作り方をわかりやすく表示してくれます。

タッチパネルで料理を選ぶと調理方法まで教えてくれる 、ティファールのクックフォーミー タッチ 3L (270レシピ内蔵)CY9221JP
製品によって特徴いろいろ、ライフスタイルに合わせた機能を選んで

7. カロリーから料理を選べる電気圧力鍋

家族にカロリーを気にする人がいるなら、カロリーから料理が検索できる製品を選ぶのも手です。アイリスオーヤマの電気圧力鍋 「KPC-MB3」はカロリーからメニューを選べる「ヘルシープラス」という機能を搭載しています。 見た目の可愛さやお手頃な価格で人気があるアイリスオーヤマの電気圧力鍋 KPC-MB3

カロリーから料理を選べる電気圧力鍋

8. 普段は炊飯器として利用

「圧力鍋はそこまで頻繁に利用しないかも?」という家庭なら、普段は炊飯器として利用するのもよい でしょう。たとえば、A-Stageの電気圧力鍋 「Re・De Pot」は炊飯のおいしさで人気のシリーズ。しかも、高い圧力をかけて炊飯するため、吸水から炊き上がりまで25分という時短炊飯ができるのも魅力です。

炊飯のおいしさで人気があるA-StageのRe・De Pot。カラーバリエーションの豊富さも特徴で、モーヴピンクなど他にはないカラーが選べます。お求めやすい価格ながら低温調理などもできる多機能さも魅力

普段は炊飯器として利用

9. まとめ

介護をしている人は特に料理に気を使っていると思います。おいしい食事は人生を豊かにしてくれますが、毎日きちんとした料理をするのは大変な労力がかかります。自動調理鍋を導入することで少しでも料理の手間を減らし、自分の時間を作ってみてはいかがでしょうか?

10. 監修者プロフィール

倉本 春(くらもと・はる)
家電ライター。白物家電(生活家電)やIoTガジェットなど 、生活を快適・便利にする製品の紹介や解説、レビューを中心に記事を執筆。ソフトバンクにてPC系雑誌(月刊誌PC Japan /PC Computing )の編集を5年、 その後、6年間 東京にてドッグカフェを経営(オーナー兼シェフ)。2013年より生活家電、白物家電をメインとした家電ライターとして活動する。カフェのオーナーシェフ経験を生かした、 調理家電の使いこなし方の紹介やレシピの提案、PC系雑誌の誌編集経験 を生かした、 テクニカル面からの製品紹介、専門ライターとして 製品選定など、柔剛 両面からの家電の紹介・解説・監修が得意。

この記事の提供元
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著者:MySCUE編集部

MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい人への介護やサポートをする、ケアラーのためのプラットフォームです。 MySCUE(マイスキュー)は、高齢化先進国と言われる日本が、誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。

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