家族や被介護者がいる家庭では、洗濯物が大量に出ます。特にシーツや毛布といった大物も頻繁に汚れがち。大物洗濯は干すのにも体力が必要なうえ、梅雨などの雨が多い時期は室内で干すとしても場所が限られてしまいます。そこで力を発揮するのが、乾燥までを全自動で行ってくれる洗濯乾燥機の存在です。洗濯乾燥機にもいろいろな製品がありますが、少しでも洗濯の手間を軽減するためにはどのようなものを選べばよいのでしょうか? 今回は忙しいケアラー向けの洗濯機の選び方について家電ライターが説明します。
ドラム式を選ぶ際、予算と設置場所に余裕があるならば、可能な限り大容量タイプを利用するのがおススメです。その理由は2つあります。1つめは、ドラム式は「回転で衣類を天井に持ち上げて落とす」動きが基本なため、ドラムの直径が大きい方が汚れ落ちがよく、乾燥時にシワになりにくい傾向があるということ。そしてもうひとつの理由が大物洗いに強いということ。少人数世帯でも毛布やカーテンといった大物の洗濯物は存在するため、一人暮らし世帯であっても大容量タイプを選ぶことに越したことはないのです。
最後にチェックしてほしいのが乾燥方式です。一般的な洗濯乾燥機は、ヒーターによる熱風で衣類を乾燥する「ヒーター式」を採用しています。ですが、洗濯を頻繁にするケアラーにおススメしたいのは、エアコンと同じ仕組みである「ヒートポンプ式」。ヒートポンプ式は空気中の熱をギュッと圧縮することで温風を作り出すため、ヒーター式の半分以下の電気代で乾燥ができます。
ヒートポンプ式のメリットは電気代だけではありません。ヒートポンプはエアコンの「除湿運転」と同じ方法で衣類を乾燥させるため、衣類に当てる風がヒーター式よりかなり低温(60~70℃前後)になります。このため、乾燥機能を使っても衣類を傷めたり縮めたりしにくいというメリットがあります。そのうえ、衣類から出た湿気を水(結露)に変換して排水するので、洗濯機を設置した部屋の湿度や温度がそこまで上がらない、というメリットもあります。
パナソニックのドラム式洗濯乾燥機で比較するとこの通り。標準コースで半分以下、省エネコースなら3分の一以下に電気代を抑えられています
●日立(日立グローバルライフソリューションズ) 日立のドラム式上位モデルといえば、ビッグドラムシリーズ。中でも「風アイロン」機能を搭載したモデルは、少量の衣類を乾燥させることで軽くアイロンをかけたようにシワを伸ばしてくれます。さらに、SXシリーズなどの上位モデルは掃除に手間がかからない「らくメンテ」機能を搭載。通常は乾燥のたびに必要な乾燥フィルターをなくし、フィルター掃除の手間を低減させてくれました。
シャープのドラム式上位モデルは、ヒートポンプ式と併用してサポートヒーターも搭載した乾燥機能が特徴です。ヒートポンプの省エネ性と快適性を維持しつつ、ヒーター式ならではのカラっとした乾燥仕上がりを実現しています。また、二つの乾燥方式をうまく利用することで、ヒートポンプ単体よりも電気代も抑えられています。光センサーや泡センサーをはじめとした7つのセンサーで洗濯状況をチェックし、自動的に最適な運転パターンを選択して電気や水のムダを省く運転も可能です。
シャープ
高性能なドラム式洗濯乾燥機は決して安い買い物ではありません。しかし、洗濯機の平均使用年数は10年前後。10年もの間、衣類や寝具を手間なく清潔に保てると考えれば、実は意外とコストパフォーマンスの高い買い物かもしれません。洗濯にストレスを感じているなら、ぜひ便利な洗濯乾燥機の導入を検討してみてください。
倉本 春(くらもと・はる)
家電ライター。白物家電(生活家電)やIoTガジェットなど 、生活を快適・便利にする製品の紹介や解説、レビューを中心に記事を執筆。ソフトバンクにてPC系雑誌(月刊誌PC Japan /PC Computing )の編集を5年、 その後、6年間 東京にてドッグカフェを経営(オーナー兼シェフ)。2013年より生活家電、白物家電をメインとした家電ライターとして活動する。カフェのオーナーシェフ経験を生かした、 調理家電の使いこなし方の紹介やレシピの提案、PC系雑誌の誌編集経験 を生かした、 テクニカル面からの製品紹介、専門ライターとして 製品選定など、柔剛両面からの家電の紹介・解説・監修が得意。
著者:MySCUE編集部
MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。