1. 手間が省けて栄養もぎっしり!なさば缶詰を利用
中性脂肪が気になる人は、食事でDHA・EPAなどの多価不飽和脂肪酸を取り入れることを意識しましょう。中性脂肪は活動するための大切なエネルギー源になりますが、過剰になり過ぎると、悪玉のLDLコレステロールが増え、逆に善玉のHDLコレステロールは減りやすく、動脈硬化の進行を促してしまいます。
青背魚のさばやいわしには、DHA・EPAが豊富に含まれます。DHA・EPAは、余分なコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、血中脂質の改善が期待できます。そのほか、脳の働きを高める働きもあるため、認知症予防の効果も期待されています。
DHA・EPAを効率よくとるのにおすすめなのが、魚の下処理が不要で調理時間の短縮にもひと役買う魚の缶詰。魚の缶詰にはさまざまな栄養素が切り身よりも多く含まれ、高温・高圧調理によって骨ごと食べられるので、栄養素を無駄なく摂取できます。
最近は、塩分控えめタイプも市販され、味のバリエーションも豊富です。用途によって選ぶとよいでしょう。
2. ひらひら大根とさばのうま煮|材料
今回は、栄養素やうま味が溶け出したさば缶の汁まであますところなく利用したレシピを紹介します。ふだんの調理では時間のかかる煮付けも、大根を薄く切れば、短時間で仕上がります。さば缶の缶汁のうま味で、滋味深い味わいになります。さばは最後にさっと温める程度にして、煮くずれを防ぎましょう。
さば缶はやわらかく、大根も薄く切るので、高齢者にも食べやすい1品です。
材料(2人分)
さばの水煮缶……1 缶(190g)
大根……200g
大根の葉……適量
ゆずの皮……少々
A
水……大さじ2~3
しょうゆ……大さじ½
みりん……大さじ½
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 198kcal
塩分 1.6g

料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:磯村優貴恵
3. 作り方
① さば缶は身と缶汁を分ける。大根はピーラーでリボン状にスライスする。大根の葉は小口切りにする。
② 鍋に大根と缶汁、Aを入れてふたをし、弱火で7~8分加熱する。
③ さばの身をそっと加え、3分ほど煮て、器に盛り付ける。
④ 鍋に残った汁で大根の葉を加熱して、せん切りにしたゆずの皮とともに③にのせる。
シニアのためのひと工夫:
さばの水煮缶は骨ごと食べられるため、カルシウム補給という点でも優れた食品ですが、嚥下力が落ちている場合は、骨を別にしたり、身を軽くほぐすことでより安心してお召し上がりいただけます。