小松菜や鮭は、高齢者にとっても食べ慣れた食材なのではないかと思われますが、実は栄養的な面でも優れた点は多いのです。おいしさや栄養を逃さない工夫に加え、あんかけで飲み込みやすさにも配慮した一品です。
骨は加齢とともに弱くなります。骨がスカスカになる骨粗しょう症になると、骨折しやすくなり、自宅で転倒してそのまま寝たきりに……ということもあり得ます。
加齢による骨密度の減少を抑え、骨粗しょう症を予防するには、骨の材料になる「カルシウム」と「たんぱく質」に加えて、骨がつくられるのを促す「ビタミンD」と「ビタミンK」などの栄養素が不可欠です。
ビタミンDにはカルシウムの吸収を促し、ビタミンKにはカルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあるため、一緒にとると効果的です。また、牛乳などの乳製品にはカルシウムとたんぱく質が、魚にはビタミンDとたんぱく質が豊富に含まれます。これらをメニューに上手に組み込んで、効率的に骨密度アップを図りましょう。
小松菜には牛乳よりカルシウムが多く含まれ、ビタミンKも豊富です。これに、ビタミンDとたんぱく質が豊富な鮭、ビタミンD が豊富なきのこを合わせた、骨密度アップレシピを紹介します。ビタミンDは脂溶性なので、油と一緒に調理すると吸収がよくなります。また、あんかけにすると口当たりなめらかになり、高齢者でも食べやすくなります。
材料(2人分)
鮭(切り身)……2切れ
小松菜……3株
しいたけ……1枚
しめじ……30g
まいたけ……30g
塩……ひとつまみ
片栗粉……大さじ½
A
だし汁……200mL
みりん……大さじ1
しょうゆ……小さじ2
サラダ油……小さじ1
エネルギー 169kcal
塩分 1.4g
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:磯村優貴恵
①鮭は半分に切り、塩をふって10分ほどおき、キッチンペーパーで水気を拭き取る。小松菜は4~ 5㎝長さに切り、しいたけは薄切り、しめじとまいたけは手でほぐす。
②フライパンに油を入れて中火で熱し、鮭を焼き色がつくまで両面焼く。小松菜を加え、水20mL(材量外)を回し入れて弱火にし、ふたをして3分ほど蒸し焼きにする。
③小鍋にしいたけ、しめじ、まいたけ、Aを入れてふたをして、きのこがしんなりするまで弱火で加熱する。
④③に水大さじ1(材量外)でといた片栗粉を回し入れ、とろみをつける。
⑤器に鮭、小松菜を盛り、④をかける。
シニアのためのひと工夫:
小松菜の茎の部分の繊維が気になるときは、下ゆでをする、1〜2㎝の長さに切るなど、繊維をやわらかくしたり、短くすることでより食べやすくなります。同様に、きのこ類も包丁で粗く刻むことで、あんにからみやすくなり、食べやすくなります。
著者:MySCUE編集部
MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護にあたるケアラーをサポートをするプラットフォームです。 シニアケアをスマートに。高齢化先進国と言われる日本が、誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。