希望に合う老人ホームが見つかったら、実際に見学に行きましょう。実際に足を運ぶことで、パンフレットやホームページからは得られない実際の多くの情報や施設の雰囲気、スタッフ、入居者の様子を知ることができます。今回は、老人ホームの見学の手順と心構え、見学で見ておくべきポイント、見学時の注意点をご紹介します。
 

1. 老人ホーム見学までの手順と心構え

◾️手順1.予約する
 
見学に行く際は、電話または施設のホームページなどから連絡し、事前に予約することが必要です。
 
連絡なしで突然施設に訪問してしまうと、担当者の不在などで施設側が対応できず見学を断られる可能性があるためです。
 
施設側の都合もあるため、いくつかの候補日を決めてから連絡すると良いでしょう。
 
【予約するときに施設側に伝えること】
・希望の見学日時
・見学者の人数
・食事の試食を希望する場合は申し込む
・食事やレクリエーションなどの様子を見たい場合は、そのことを伝える(施設側が見学時間を調整してくれる)
・車で行く場合は、駐車場の有無を確認
・入手したい書類(重要事項説明書など)
 
施設見学は、入居する本人と一緒に行くことができればベストですが、難しい場合はきょうだいや親族など2〜3人で行くことをおすすめします。複数の目で見学する方が、施設を客観的に評価できるでしょう。
 
◾️手順2.確認したい項目、質問したい内容をまとめる
 
予約ができたら、見学で確認したい項目や施設側に質問したい内容をまとめたメモを用意しておきましょう。聞き忘れを防げるとともに、得られる情報の量と密度がアップします。
 
◾️手順3.持ち物の準備
充実した施設見学にするために、以下のものを準備して持参しましょう。
 
【施設見学の持ち物】
・筆記用具
・確認・質問事項をまとめたメモ
・カメラ(スマートフォンでも可)
・メジャー(家具を持ち込む際のスペースを確認するため)
 
写真を撮る際には、案内してくれる施設スタッフに確認し、許可を得てから撮るようにしましょう。
 
老人ホーム見学までの手順と心構え

2. 老人ホーム見学の4つのポイント

老人ホームを見学する際には、施設の「全体的な雰囲気」「生活」「設備」「介護・医療」の4つのポイントをチェックしましょう。
 
以下は、それぞれのチェックポイントです。
 
◾️全体的な雰囲気
・入居者の男女比、要介護度の割合
・入居者の様子、表情
・職員と入居者のコミュニケーションの様子
・清潔感があるか
・整理整頓がされているか
・温度、臭いはどうか
・展示物、飾りつけは季節に合っているか
 
◾️生活
・1日のスケジュール
・入浴回数と時間
・テラス、庭など季節を感じられる場所があるか
・レクリエーションの内容、実施回数
・イベントの内容、頻度
・面会時間
・外出・外泊の制限があるか
・タバコやお酒など、嗜好品に関する対応
・入居者のお金の管理方法
 
 
〈周辺環境〉
・施設までのアクセス
・家族が通いやすいか
・周辺道路の交通量
・近隣に商店やコンビニがあるか
・病院、医療機関は近いか
 
〈食事〉
・食事の場所
・食事の時間
・食事の内容(献立表の確認)
・食事料金(不要だった場合の料金対応)
・管理栄養士の有無
・介護食や病態食など個別対応の有無
・食事中の見守りは十分か
・食事をどこで作っているか(厨房での調理、配食など)
 
◾️設備
〈居室〉
・広さ、明るさ、日当たり、清潔さ
・手すりの設置位置、高さ
・出入り口の広さ(車椅子でも通れるか)
・ナースコールの位置
・エアコンの位置
・収納スペースの広さ
・家具の持ち込みの有無
・トイレや洗面スペースへの動線
・多床室(大部屋)はプライバシーが保たれているか
・窓から見える景色
・介護度が上がると居室を移動するか(追加費用の有無も確認)
 
〈共用設備など〉
・共有スペースの広さ、明るさ
・職員の目が届きやすいフロア構造か
・浴室、トイレ、水回りの清潔感
・浴室の数・種類(どの身体状況まで対応できるか)
・玄関やフロアのセキュリティ体制
・廊下の幅(車椅子がすれ違えるか)
・エレベーターの広さ
・食堂の広さ、雰囲気
・ゲストルームの有無
・非常口は適切な位置にあるか
 
◾️介護・医療
・介護・看護職員の配置数
・日中と夜間の職員数
・職員の勤続年数、離職率、教育体制
・緊急時の対応と体制
・医療機関との連携
・医療的ケア、看取りケアへの対応は可能か
・医療的ケアの対応範囲
・訪問診療や健康診断の頻度
・リハビリテーションを受けられるか
・服薬管理の有無
・通院の送迎、付き添いがあるか
 
老人ホーム見学の4つのポイント

3. こんな老人ホームは要注意!

1.契約を急がせる老人ホーム
「今月中に決めないと、次はいつ空室が出るかわかりませんよ」
「あと1室です。すぐに契約しないとなくなりますよ」
などと、契約を急がせる老人ホームは要注意です。
 
「早く決めないと他のひとに先に入居されてしまう!」と急いで契約をすると、入居後のトラブルにつながりやすくなってしまいます。老人ホームは、老後の長い時間を過ごす大切な場所となるのでよく検討してから契約しましょう。
 
なお、有料老人ホームなどでは「体験入居」といって、入居を検討している人が実際に施設に宿泊できるサービスを行っています。体験入居が可能な施設であれば、利用してリアルな施設生活を体験してみることをおすすめします。起床から就寝までの流れや、スタッフから受けるケアの内容など、見学しただけではわからないことが体験できます。
 
体験入居のサービスがない老人ホームでも、契約する前提であれば対応してもらえる場合もあるので相談してみましょう。
 
 
2.入居率が低い老人ホーム
入居率が低く、空室が目立つ老人ホームも要注意です。
 
経営状態が順調な有料老人ホームの場合、開設後2年程度で入居率は8割に至ると言われています。老人ホームの入居率は施設の重要事項説明書で確認できるので、8割に満たない場合は、入居者が退去した理由を聞いてみましょう。
 
本人の都合による退去が多い場合は、施設の運営方法やサービス内容、サービスの質に問題
があると考えられるでしょう。
 
この記事の提供元
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著者:中谷 ミホ

福祉系短大を卒業後、介護職員・相談員・ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。現在はフリーライターとして、介護業界での経験を生かし、介護に関わる記事を多く執筆する。
保有資格:介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・保育士・福祉住環境コーディネーター3級

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