シニアと行きたい旅行プランをトラベルライターの間庭典子がご紹介! 今回は都内にいながら雲海やオーロラを観測できる体験をご紹介。目白の「ホテル椿山荘東京」では7つの季節それぞれの絶景に出会えます。

1. 幻想的な絶景に心震えるホテル椿山荘東京の「東京雲海」

幻想的な雲海は兵庫県の竹田城や北海道のトマムなど、自然に囲まれた場所でないと目にすることのできない絶景だと思っていませんか? 実は山手線内にある「ホテル椿山荘東京」の庭園でも鑑賞することができるのです。通常、雲海が起きるのは前日との気温差や天候差があった早朝のみで、季節も春から初夏、もしくは秋などと限定されています。そのため観られるかどうかは運しだい。雲海を目的に旅したものの、1度も見られぬまま帰るなんてこともあるんですよね。


2020年に開業70年を記念したホテル椿山荘東京の「庭園プロジェクト」の一環として実現した「東京雲海」は年中、いつでも雲海を観測できます。人工で霧を流すため、時期や天候にかかわらず、毎回必ず出現し、夕暮れどきや夜景に漂う幻想的な雲海も拝めるのです。私も初めて鑑賞したとき、その壮大さに驚きました。たしかに「天然」ではないのですが、その迫力は一見の価値あり! 最近ではさらに進化して、季節に合わせた演出がされ、上質なエンターテイメントとなっています。


写真上:4月14日までは桜色にライトアップされた妖艶な「夜桜雲海」が楽しめる。

2. 7シーズンに分け、季節折々のライトアップやイベントを楽しむ

ホテル椿山荘東京の「東京雲海」では1年を7つの季節として分け、それぞれの季節に合わせた全く違うシーンになることも見どころのひとつ。どの季節も風情があり、通年、通いたくなります。ではその7つの季節について解説しましょう。

 

新年が明けると椿の季節に。もともとこのエリアは南北朝時代から椿が自生していたといわれる景勝で、「つばきやま」と呼ばれていました。「椿山荘」という名前の由来でもあります。広大な庭園内には約100種類以上、2,300本もの椿が花を咲かせるこの季節、真っ白な雪と赤い椿のコントラストが美しい風景が見られるラッキーな年もあるのだそう。


そして春、4月14日までは桜と雲海のコンビネーションが美しい華やかな演出に。河津桜から始まり、ソメイヨシノや八重桜など、次々と桜が咲く庭園はドラマチック。三重の塔と桜の競演は圧巻です。広い庭園を散策しながら、花の季節を楽しみましょう。

 

桜の季節が過ぎたら、次は新緑の初夏。爽やかな新緑をツツジやカキツバタ、紫陽花の花が彩ります。そのあとは蛍の季節。文京区のホテル椿山荘東京は70年前に蛍観賞のイベントを開始したのですが、蛍と雲海の共演もまた格別です。屋外が気持ちのよい季節になると毎年、シャンパンやビールなどを楽しむ各種イベントも始まります。

 

真夏は涼夏・深緑のシーズン。通常より20%増量という雲海で視界も涼やかに。庭園内には風鈴も飾られ、その音色でも納涼できます。アスファルトが照り付ける道路と、庭園内の木陰では約10℃から15℃の温度差があるそう。猛暑は避暑気分で雲海を楽しみましょう。

 

秋になると徐々に葉が色づき、11月末ごろからは見事な紅葉に。そして冬はなんとオーロラが鑑賞できるのです。雲海にゆらめくオーロラが見られるのはおそらくここだけ。北欧やアラスカまで行かなくても、オーロラを観測できちゃう時代になりました(笑)。


7シーズン、それぞれ違う趣があり、さまざまなイベントも展開されるので、リピートしたくなります。



写真上:真冬は雲海とオーロラの演出も展開。夢の中でみた風景のように幻想的。

3. 春は桜と雲海を楽しむためのプランも満載

「東京雲海」は「ホテル椿山荘東京」を利用するゲストなら何度でも鑑賞できます。しかも1時間に2回、朝の10時から21時までそれぞれ3分出現し、朝の7時台や22時台には庭園の3/4を雲が覆い尽くす大雲海に。宿泊し、ゆったり過ごしながら早朝と夜のこの景色を眺めるのもいいですね。朝昼晩と趣が異なり、かつ見るアングルによって景色が変わるので、何度見てもあきないのです(※最新のタイムスケジュールは公式HPをご覧ください)。


雲海を見ながらのランチブッフェやディナーなどのプランも人気です。2月8日から4月14日までは庭園もお花見の季節。雲海も桜色に染まります。 私の一押しはこの時期に開催される「ル・ジャルダン」の桜アフタヌーンティー。桜をかたどった桜バターサンドクッキーや桜ムース、彩りが鮮やかな和パフェなどのスイーツにわくわく。カヌレには桜風味の苺ジャムを添えて。下段には鰻と山椒のサブレや舌平目のエスカベッシュ サフラン風味、サンドイッチなどのセイボリーが並びます。ちょっと贅沢にシャンパンで乾杯、なんていうのもいいですね。



写真上:桜アフタヌーンティーは~4月30日まで。WEB予約7,500円~(税込、サービス料別)。

4. アートとの融合も人工の「東京雲海」ならでは

「ホテル椿山荘東京」の庭園は明治11年に政治家、山縣有朋公が残した庭園。故郷の山口県・萩の水景を表現しているといわれ、枯山水ではなく芝を用いるなど、生き生きとした自然を感じる日本庭園です。ほどよい高低差があることから、さまざまなアングルから庭園を眺められ、晴れた日には遠くに高層ビルを望む風景も。都会ならではの絶景が期待できるのです。歴史ある庭園と現代の都会の風景のコントラストがなんとも不思議です。


「東京雲海」は意外性のある自然とアートの融合も見どころです。例えば椿の季節にはアクセサリーブランドとコラボし、苔庭にステンレスフラワーで表現したアート空間を公開。秋には幽翠池の上に霧状の雲海スクリーンを作りだし、直径約3mの大きな月を投影するなど、その季節ごとにあっと驚く演出が。


この春は去年開始し、好評だった桜の小路も公開されます。水車からご神木に向かう小路が、花びらで敷きつめられたじゅうたんのようにプロジェクターで投影されます。レーザーにより花びらが舞い散る様子も映し出され、幻想的!(4月14日までの期間、日没から23時まで投影) 今から桜の季節が楽しみですね。


写真上:早朝と夜更けには庭園のほとんどを覆い尽くす幻想的な大雲海が出現。


ホテル椿山荘東京 東京雲海

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著者:間庭典子(まにわのりこ)

中央線沿線の築30年以上の一軒家に後期高齢者の両親と同居する50代独身フリーランス女子。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「mc Sister」編集者として勤務後、渡米。フリーライターとして独立し、女性誌など各メディアにNY情報を発信し、「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」(講談社)などを発行。2006年に帰国し、現在は日本を拠点に、旅、グルメ、インテリア、ウェルネスなど幅広いテーマの記事を各メディアへ発信。旅芸人並みのフットワークを売りとし、出張ついでに「研修旅行」と称したリサーチ取材や、さびれた沿線のローカル列車で進む各駅停車の旅を楽しむ。全国各地の肴を味わえる地元の居酒屋やスナックなどの名店を探すソロ活動も大好き。

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