介護施設や老人ホームの利用を検討する際、気になるのは費用ではないでしょうか? 今回は、主な介護施設・老人ホームの費用と、費用を抑えるためのポイントをご紹介します。

1. 公的施設は安く、民間施設は高くなる入居費用

◾️公的施設の特徴

公的施設は、自治体や社会福祉法人により、設置・運営されています。国からの助成や税金の優遇があるため、民間施設に比べると料金負担が少なくなるのが特徴です。


また、所得に応じた費用減免制度も用意されているため、費用面に不安のある方でも安心して利用できます。


◾️民間施設の特徴

民間施設は、主に民間企業が運営しています。公的施設と比較すると、サービス内容や設備、ケア体制が充実している分、高額になる傾向があります。

 

2. 主な介護施設・老人ホームの費用の目安

公的施設


民間施設

 

3. 介護施設・老人ホームの費用を抑えるポイント

◾️ポイント①費用の安い施設を探す

老人ホームの居室は、個室ではなく、多床室(相部屋)の方が費用が安い傾向にあります。そのため、費用を抑えたい方は、多床室ある老人ホームを選ぶと良いでしょう。


また、賃貸物件と同様に、地価の高い都市よりも地方の施設や築年数の古い施設、駅から遠いところにある施設の方が、費用が安い場合があります。さまざまな施設を比較検討して、予算に合った施設を見つけましょう。


◾️ポイント②減免制度を利用する

減免制度を利用して、自己負担を減らすという手段もあります。利用できる制度は以下の通りです。


①特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院の3施設)に入所する方のうち、所得や資産状況が一定以下の方に対して、上限額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給される制度です。支給を受けるには、市区町村へ申請し「負担限度額認定証」の交付を受ける必要があります。


②​高額介護サービス費
毎月かかる介護サービス費の利用者負担額の合計額が、上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給される制度です。支給を受けるためには、市区町村への申請が必要です。


③高額医療・高額介護合算制度
同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合、合算後の負担額が軽減される制度です。


決められた限度額(年額)を超えた場合、医療保険者に申請をすると超えた分が支給されます。


④自治体独自の助成制度

多くの自治体では、高齢者の生活をサポートするために、各種の助成制度を設けています。利用には、住民税が非課税であることや収入・資産が一定以下であることが条件となります。


助成制度の有無や内容は自治体で異なるため、詳細はお住まいの自治体の窓口に確認しましょう。


出典:厚生労働省 サービスにかかる利用料

 

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この記事の提供元
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著者:中谷 ミホ

福祉系短大を卒業後、介護職員・相談員・ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。現在はフリーライターとして、介護業界での経験を生かし、介護に関わる記事を多く執筆する。
保有資格:介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・保育士・福祉住環境コーディネーター3級

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