今回は、塩焼きやフライが定番のあじを、かぶやにんじんとあわせて煮ものにしました。あじは片栗粉をまぶしてから煮ると、うま味や脂質が閉じ込められて、パサつき防止にもなります。お好みであじをさっと焼いてから加えると、風味が際立ちます。
認知症の予防や改善には、食事内容も重要です。栄養バランスが偏ると、脳の血液中の栄養状態のバランスも悪化してしまいます。新陳代謝をよくして、脳と体を若々しく保つにはたんぱく質が必須です。
高齢になると、良質なたんぱく質の摂取が不足しがちなので、意識的に摂取することを心がけましょう。たんぱく質は肉や魚、卵、大豆などに含まれます。中でも、あじやさば、いわしなどの青背魚にはたんぱく質のほか、EPAやDHAが豊富に含まれます。
彩り野菜のにんじんやさやえんどうなどには、抗酸化力をアップさせるβカロテンも含まれます。また彩りも華やかになり、食欲アップ効果も期待できます。
材料(2人分)
真あじ……2尾
かぶ……2個
にんじん……30g
さやえんどう……6枚
塩……少々
片栗粉……大さじ1
A
だし汁……300mL
みりん……大さじ½
しょうゆ……大さじ1
しょうが(せん切り)……½かけ分
白いりごま……少々
エネルギー 143kcal
塩分1.9g
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:磯村 優貴恵
①あじは3枚におろして中骨を取り、塩をふって5分ほどおき、水けをキッチンペーパーで拭き取る。半分に切り、片栗粉をまぶす。
②かぶは皮ごと6等分のくし形切り、にんじんは5㎜幅の短冊切りにする。
③鍋にA、②を入れて中火で熱し、沸騰したらふたをして弱火で10分ほど煮る。
④かぶがやわらかくなったらしょうゆを回し入れ、①、さやえんどうを加え、汁をかけながら弱火で2~3分煮る。
⑤器に盛り、しょうがをのせ、白ごまをちらす。
かぶの皮をむいてから煮込むことでさらにやわらかくなり、咀嚼力に自信がない方にも食べやすくなります。皮がない分煮崩れしやすくなりますので、加熱時間の調整をしましょう。あじの大きさは食べる方の口腔可動域に応じてさらに小さくひと口大に切ることで食べやすくなります。
著者:磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)
管理栄養士、フードコーディネーター、薬膳インストラクター、健康・食育ジュニアマスター。大学卒業後、大手ダイエット専門のエステサロンにて、エステティシャン・管理栄養士として、お客様の体を内側・外側の両面からサポートする。働く中で、具体的に食事面から提案することの必要性を実感し、日本料理店やカフェの厨房、特定保健指導の仕事に従事したのち、独立。メタボ健診の特定保健指導で行われる栄養指導の経験をもつ。現在は、子どもから大人まで、家族みんながおいしく食べられて健康になれるようなレシピ・商品を開発するほか、執筆、講演会など、幅広く活動中。