たこのうま味を塩麹で引き出して減塩しましょう。ほんのりと甘辛い塩麹がたこと野菜にしみ込み、塩分少なめでも深い味わいになります。たこは、噛み応えがあって満足感が得られるため、食べすぎ予防にもなります。適量を味わいましょう。
「タウリン」と聞くと、二日酔いに効くなど、お酒をイメージする人も多いかもしれません。タウリンは、肝臓の解毒機能を高める働きがあり、アルコールを分解して体外への排出を促す働きがあります。タウリンはたこなどの魚介類に豊富に含まれます。よくお酒を飲む人は、一緒に摂ることで二日酔いの予防効果が期待できます。
タウリンはアミノ酸の一種で、肉類、魚介類、乳製品に多く含まれ、かき、しじみ、あさり、ほたてなどの貝類や、たこ、いかなどに多く含まれています。肝臓の解毒作用を高める、血圧を上げる交感神経の働きを抑えるなど、さまざまな健康効果が期待できます。
たこは高たんぱくで低脂肪、低エネルギーで消化に時間がかかるので、ダイエット向きの食材の1つです。また、塩麹(こうじ)は、米と米麹に塩を加えて発酵、熟成させた発酵調味料のことです。塩の代わりに使うと、肉や魚のうま味を引き出して、素材をやわらかく仕上げます。
材料(2人分)
蒸しだこ……150g
さやいんげん……3本
じゃがいも……大1個
塩麹……小さじ2
A
水……200mL
酒……大さじ1
しょうゆ……小さじ1
みりん……小さじ1
エネルギー 156kcal
塩分 1.4g
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:磯村 優貴恵
①たこは全体をフォークで刺し、ひと口大に切る。
②さやいんげんはすじを取って端を切り落とし、斜め3等分に切る。
③じゃがいもは皮をむいてひと口大に切り、5分ほど水にさらして水けをきる。耐熱ボウルに入れてラップをふんわりかけ、電子レンジ(600W)で3分加熱し、やわらかくなったら塩こうじの半量を加え、混ぜ合わせる。
④鍋に①、A、残りの塩麹を入れ、中火で加熱する。沸騰したら弱火にして少しずらしてふたをし、20~25分煮る。
⑤たこがやわらかくなったら、②、③を加え、2~3分加熱する。
たこは噛み応えのある食材です。咀嚼力が弱い方には切り込みを多く入れる、薄切りにするなど、切り方に工夫をすることでより食べやすくすることができます。また、硬さが気になる方には、たこ天などのすり身の製品での代用も可能ですが、すり身には塩分も含まれますので使用する際は塩麹の量を加減しましょう。
著者:磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)
管理栄養士、フードコーディネーター、薬膳インストラクター、健康・食育ジュニアマスター。大学卒業後、大手ダイエット専門のエステサロンにて、エステティシャン・管理栄養士として、お客様の体を内側・外側の両面からサポートする。働く中で、具体的に食事面から提案することの必要性を実感し、日本料理店やカフェの厨房、特定保健指導の仕事に従事したのち、独立。メタボ健診の特定保健指導で行われる栄養指導の経験をもつ。現在は、子どもから大人まで、家族みんながおいしく食べられて健康になれるようなレシピ・商品を開発するほか、執筆、講演会など、幅広く活動中。