介護施設・老人ホームの費用相場や月額費用の内訳など、費用について知りたい方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、介護施設・老人ホームの種類別の費用相場と月額費用の内訳について解説していきます。
介護施設や老人ホームの費用は「公的施設」が安く、「民間施設」が高くなるのが一般的です。自治体や社会福祉法人が運営する「公的施設」は、国からの助成や税金の優遇があるため、民間施設に比べると料金負担が少なくなるのが特徴です。
所得の低い方でも入所しやすい減免制度が用意されており、この減免制度を組み合わせて使うことで、費用が抑えられる仕組みになっています。
一方で、民間企業が運営する「民間施設」の費用は高額になりやすいものの、公的施設よりもサービス内容や設備、ケア体制などが充実しています。
公的施設の中でも、費用負担が少ないのが、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院の介護保険施設です。
公的施設(その他)の費用相場を見てみます。
民間施設の費用相場を見てみます。
ここからは、介護施設・老人ホームの月額費用の主な内訳を確認していきましょう。
◾️居住費
居室や共用設備の利用費用のことです。
公的施設の場合は、国が定めた「基準費用額」が決められており、この基準費用額を目安にして、施設と利用者との契約で決定します。
民間施設の場合は、施設の立地や居室のグレード、医療体制により料金に開きがあります。
◾️食費
施設で提供される食事にかかる費用です。
公的施設では、食費も「基準費用額」が定められています。1日3食分が請求されるのが一般的です。
民間施設の食費は、1日あたりの食費を定額で設定するところもあれば、実際の食事回数に応じて請求するところもあります。食材費のほか、厨房の維持費などが含まれている場合もあります。
◾️介護サービス費
公的施設や民間施設に関わらず、介護サービスを利用した場合の自己負担分(原則1割、所得に応じて2〜3割)のみ支払います。残りの7〜9割は「介護給付」により賄われます。
民間施設の場合、介護型の施設では、要介護度に応じた定額制ですが、自立型で外部の介護サービスを利用する場合は、利用した分だけ料金がかかります。
特養などの介護保険施設では、おむつ代も介護サービス費に含まれています。
◾️サービス加算
基本的な介護サービスに加えて、提供されるサービスに対する加算です。
◾️上乗せ介護費
介護保険制度による職員配置基準(入居者3人に対し、1名の介護・看護職員の配置)よりも手厚い人員配置をしている施設に発生する費用です。
◾️管理費
管理費は、施設・ホームの人件費や維持費にかかる費用です。実費ではなく定額で請求されることがほとんどです。
◾️光熱水費
電気、ガス、水道、電話などの使用料です
◾️日常生活費(日用品費など)
日用品や介護用品など、施設・ホームでの生活に必要な諸費用です。介護用品は、指定のものを利用する場合は、使った量に関わらず定額制としているところもあります。
◾️医療費
病院での診療費、薬代、通院費、入院費などは基本的にすべて自己負担になります。
介護施設・老人ホームの費用は、施設の種類や入居する本人の要介護度、地域などにより大きく変わるため、複数の施設を比較検討することが大切です。
希望するサービスや予算などを考慮し、ご自分に合った施設を選びましょう。
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著者:中谷 ミホ
福祉系短大を卒業後、介護職員・相談員・ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。現在はフリーライターとして、介護業界での経験を生かし、介護に関わる記事を多く執筆する。
保有資格:介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・保育士・福祉住環境コーディネーター3級