認知症を予防するために、まずは生活習慣を見直し、脳内の血流をよくすることが最も重要です。それに加え、日々つづけたいのが「脳を混乱させること」。日常生活に変化を与えたり、新しいことに挑戦したりするのはもちろん、ちょっとした時間の合間にできる「認トレ®」も有効です。開発者の精神科医・広川慶裕先生に、座ったままできる、おすすめの認トレを教えていただきました。ケアラーのみなさん!ぜひ家族みんなでチャレンジしましょう!

1. 集中力がアップする! 指折りグーパー

認知症予防メソッド「認トレ®︎(※)」は、間違えながら少しずつできるようになる過程で認知機能が高まります。仕事での集中力アップにもつながるので、できるだけ毎日チャレンジしてみましょう。家族や仲間と一緒に、楽しく笑いながら行うのがポイントです!

※「認トレ」は登録商標です。

 

〈指折りグーパー〉

1から10まで数える間に、右手はグーパーをくり返し、左手は指を1本ずつ折り曲げていきます。10までできたら、手を左右逆にして同じ動作を行なってみましょう。

 

①左手は親指を折って、右手はグーで準備。

②「1」といいながら、左手は人さし指を折り、右手はパー。

③「2」といいながら、左手は中指を折り、右手はグー。

④「3」といいながら、左手は薬指を折り、右手はパー。

⑤ この動作を「10」までつづけ、最後は左手は親指を折った状態に、右手はグーになる。

 

広川流 認トレの極意

●間違えても気にしない

●毎日少しずつ行う

●笑いながら楽しく行う

●真剣にやりすぎない

●家族や仲間と一緒に行う

集中力がアップする! 指折りグーパー

2. 足先を動かしながら血流アップ! つま先かかとトントン

複数の動作を同時に行うと脳が混乱し、混乱を整理するときに脳が活性化されます。「できること」よりも「チャレンジすること」が大切です!

 

〈つま先かかとトントン〉

数を数えながら両足のつま先とかかとを上げ下げし、3の倍数でひざをたたきます。

※3の倍数…  3  6  9  12  15  18  21  24  27  30

 

①両手を胸の高さに上げ、「1」といいながら両足のかかとを上げる。

②「2」といいながら両足のかかとをトンと床につけ、つま先を上げる。

③「3」といいながら両足のつま先をトンと床につけ、かかとを上げて両手でひざをたたく。これを30までつづける。

足先を動かしながら血流アップ! つま先かかとトントン

3. 楽しみながら元気よく! 片手勝ちじゃんけん

「認知症予防のためにやらなければ…」と思いながら行うと、それがストレスに。楽しみながら行うと脳が刺激されて、認知機能を効率よく高めることができます。

 

〈片手勝ちじゃんけん〉

左手はグー、チョキ、パーを出し、右手は左手に活用に出します。

 

①左手はグーを出し、右手は左手に勝つようにパーを出す。

②左手はチョキを出し、右手は左手に勝つようにグーを出す。

③左手はパーを出し、右手は左手に勝つようにチョキを出す。①〜③を4回くり返す。

④今度は右手をグー、チョキー、パーの順に出し、左手が勝つように出す。これを4回くり返す。

楽しみながら元気よく! 片手勝ちじゃんけん

4. 左右対称になるように! 両手で鏡文字

脳を使いながら大きく両手を動かすことで血流が促され、脳への血流もよくなります。からだを大きく使いながらチャレンジしてみましょう。

 

〈両手で鏡文字〉

右手で文字を書き、同時に左手で左右対称になるように書きます。

 

①右手で大きく「1」を書きながら、同時に左手は左右対称になるように「1」を書く。

②右手で大きく「2」を書きながら、同時に左手は左右対称になるように「2」を書く。

③右手で大きく「3」を書きながら、同時に左手は左右対称になるように「3」を書く。これを同様に「10」までつづける。

④右手で大きく「あ」を書きながら、同時に左手は左右対称になるように「あ」を書く。これを同様に「お」までつづける。

左右対称になるように! 両手で鏡文字

5. 声に出して! 足踏みしながら足し算

2つの動作を組み合わせる「ながら動作」は、脳神経をより刺激します。いつもと違ったことを行い、脳を混乱させることで脳は活性化するからです。

 

〈足踏みしながら足し算〉

足踏みしながら、5と7を交互に足し算します。

※5と7を交互に足し算(100まで)

 5  12  17  24  29  36  41  48  53  60  65  72  77  84  89  96

 

①足踏みしながら、0+5=「5」と声に出して答える。

②足踏みしながら、5+7=「12」と声に出して答える。

③足踏みしながら、12+5=「17」と声に出して答える。これを100になる前までつづける。

声に出して! 足踏みしながら足し算

6. 歌に合わせて! 手でかたつむり

楽しみながらトレーニングすると脳が刺激され、効率的に認知機能を高めることができます。歌を歌いながら両手を動かす「ながら動作」で脳を活性化させましょう。

 

〈手でかたつむり〉

童謡『かたつむり』を歌いながら、グーとチョキを交互に重ねます。

 

①『かたつむり』の1番を歌いながら、下の手はチョキ、上の手はグーにして手を重ねる。

②リズムに合わせながら手を入れ替える(下の手はいつもチョキ)。

③これをくり返す(上の手はいつもグー)。

④『かたつむり』の2番を歌いながら、下の手はグー、上の手はチョキにして手を重ねる。

②リズムに合わせながら手を入れ替える(下の手はいつもグー)。

③これをくり返す(上の手はいつもチョキ)。

 

童謡『かたつむり』の歌詞

でんでんむしむし かたつむり

おまえのあたまは どこにある

つのだせやりだせ あたまだせ

 

でんでんむしむし かたつむり

おまえのめだまは どこにある

つのだせやりだせ まだまだせ

 

歌に合わせて! 手でかたつむり

7. まとめ

広川先生による認知症予防メソッド「認トレ」、いかがでしたか? 若い人でもなかなかスムーズに行うのが難しいものばかり。脳が刺激されているのを実感できたのではないでしょうか?

 

認知症の疑いがある人だけでなく、家族みんなで、仲間と一緒に楽しんで行うのが「認トレ」の最も重要なポイントです。笑い合いながら少しずつつづけて、みんなで認知症予防に取り組んでいきましょう。

8. 監修者のプロフィール

広川慶裕(ひろかわ よしひろ)

ひろかわクリニック院長(京都府)。京都大学医学部卒、精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医。精神科医として認知症やうつ病などの精神疾患治療を数多く行い、2014年に認知症・認知症予防/働くひとのメンタルヘルスに特化したクリニックを開院。開院当初より「認知症は生活習慣病の終着駅」「認知症は40代から予防」を提唱し、認知症予防トレーニング「認トレ®」を考案。ひとりでも多くの人が認知症から遠ざかった楽しい生活がおくれるよう、著作や講演会など精力的に活動中。

https://j-mci.com/



この記事の提供元
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著者:MySCUE編集部

MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。

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