噛む力を鍛えるためには、きのこ、こんにゃくなどの弾力のある食材や、根菜などの食物繊維の多い食材を取り入れることを意識しましょう。今回は、シャキシャキ食感の根菜類をアクセントにした、子どもから高齢者まで楽しめるトマト煮込みをご紹介します。
噛む力が弱まると、硬い食品を避けるようになるため食事の内容が偏ります。するとミネラル・ビタミン・食物繊維などが摂取しづらくなるため、栄養バランスがくずれがちになります。そうならないためにも、日頃から歯ごたえのある食品を積極的にとり、噛む力を維持することが重要です。
今回メイン食材に使うれんこんやごぼうは、加熱しても歯ごたえが残る根菜類です。シャキシャキとした食感は、満腹中枢が刺激します。また、鶏肉と大豆を使うことで、動物性・植物性の両方のたんぱく質を摂取でき、噛む力を鍛えながらバランスの良いたんぱく質がとれるため、まさに一石二鳥です。
食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうと無意識に食べるスピードは速くなります。早食いは肥満を招くため、メタボ予防や改善のためにもゆっくり噛んでゆっくり食べることが重要です。
材料(2人分)
鶏もも肉(皮なし)……100g
ごぼう……½本
れんこん……50g
たまねぎ……¼個
にんじん……¼本
にんにく(スライス)……1かけ
大豆(水煮)……50g
イタリアンパセリ……適宜
塩・黒こしょう……各少々
A
トマト缶…… ½ 缶(200g)
鶏がらスープの素(顆粒)……大さじ½
水……100mL
オリーブ油……小さじ1
エネルギー 181kcal
塩分 1.5g
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:磯村 優貴恵
① 鶏肉はひと口大に切り、塩、黒こしょうを振る。
②ごぼうは1㎝幅の輪切り、れんこんは1.5㎝角に切り、それぞれ薄い酢水(材量外)に5分ほどさらし、水けを切る。たまねぎとにんじんは1.5㎝角に切る。
③鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火で熱し、香りが立ったら①を入れ、中火で加熱する。
④鶏肉の表面の色が変わったら、②と大豆を入れて全体に油が回るまで炒め合わせ、Aを入れて混ぜ合わせる。沸騰したらふたをして弱火で15分ほど煮る。
⑤器に盛り、好みでイタリアンパセリを飾る。
シニアのためのひと工夫:
今回のテーマは「噛むこと」ということもあり角切りをおすすめしていますが、咀嚼や嚥下に不安がある場合は厚さ5mm程度の薄切りにすることで噛みやすくなります。にんじんは下茹でをしたり、少し長めに加熱することでより柔らかく仕上がります。
また、ゴロゴロと根菜が入っていると食べづらいと感じてしまう場合は、ごぼうやれんこんを芋類(じゃが芋、さつま芋、里芋など)やきのこ類に変更することで食材自体は柔らかくても、食物繊維をとることができます。鶏もも肉の繊維が気になる場合はひき肉で代用が可能です。
著者:磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)
管理栄養士、フードコーディネーター、薬膳インストラクター、健康・食育ジュニアマスター。大学卒業後、大手ダイエット専門のエステサロンにて、エステティシャン・管理栄養士として、お客様の体を内側・外側の両面からサポートする。働く中で、具体的に食事面から提案することの必要性を実感し、日本料理店やカフェの厨房、特定保健指導の仕事に従事したのち、独立。メタボ健診の特定保健指導で行われる栄養指導の経験をもつ。現在は、子どもから大人まで、家族みんながおいしく食べられて健康になれるようなレシピ・商品を開発するほか、執筆、講演会など、幅広く活動中。