ショートステイを連続して利用するには、いくつかのルールがあります。また利用期間の延長が認められるケースもあります。家族が病気になったときなどに慌てないために、連続利用に必要な知識をチェックしておきましょう。

1. ショートステイの期間はどのくらい?

ショートステイとは、施設に一時的に入所して食事・入浴などの介助やリハビリを受けられる介護保険サービスです。利用者の身体機能の維持や家族の介護負担を軽減する目的で利用されています。あくまでも一時的な利用を想定したサービスなので、以下のような条件のもとで利用期間が定められています。

 

●連続で利用できるのは最大30日
●利用日数は要介護認定有効期間の半分まで
●要介護度別に1ヵ月の利用可能な日数が設定されている

 

ショートステイは、これらのルール内であれば、繰り返し利用することが可能です。また、利用可能日数を超えても自治体への届け出や、工夫した使い方をすれば長期的に利用することが可能になります。次からは、ショートステイを賢く利用するために、上記のルールや長期利用のしくみを詳しく見ていきましょう。

ショートステイの期間はどのくらい?

2. ルール① 連続で利用できるのは最大30日

ショートステイは、原則として「最大30日まで」利用できます。「最大30日」ルールは月をまたいでも日数がリセットされず、連続して利用する場合は「原則30日まで」と決まっています。介護者、被介護者の様々な事情で長期利用が必要なときの対処法は後半で紹介します。

 

最短では1日から利用できるので、急を要する事情でも施設に空きがありさえすれば入所が可能です。しかし最近は、老々介護や少子化の影響などでショートステイのニーズが増加し、利用したいときに予約が取りづらいことも多いようです。都心部より地方に行くほど入所待ちが増えているのが現状ですが、まずはケアマネジャーに相談して利用できる施設を探してもらいましょう。

ルール① 連続で利用できるのは最大30日

3. ルール② 利用日数は要介護認定有効期間の半分まで

次に、ショートステイの利用は、「要介護認定有効期間の半分まで」と決まっています。要介護認定有効期間について説明すると、特別養護老人ホームなどでショートステイなどの介護保険サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定有効期間とは、要介護認定が認められた日から、その認定が有効とみなされる期限を指しています。

 

原則として、初めて要介護認定を受けた際の有効期間は6ヵ月、利用できる日数はその半分なので90日まで。更新の際の有効期限は12ヵ月なので180日までとなります。認定の有効期間は、介護保険被保険者証や要介護認定・要支援認定等結果認定通知書に記載されているので確認しておきましょう。

ルール② 利用日数は要介護認定有効期間の半分まで

4. ルール③ 要介護度別に1ヵ月の利用可能な日数を設定。延長はOK?

「最大30日まで」と「要介護認定有効期間の半分まで」というルールは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など、どの施設でも変わりません。このルールをベースとして、介護度別に定められた「区分支給限度基準額内での利用」という条件が加わります。

 

まず、区分支給限度基準額とは、介護保険でまかなえる1ヵ月あたりの上限額のことで、要支援・要介護の区分ごとに設定されています。1日に使える介護保険の枠は「1日の利用単位数+加算料金サービス」によって決まり、それをベースに介護保険の上限内で利用できる1ヵ月の日数を割り出します。

 

注意したいのは、加算料金サービスの状況(送迎やリハビリなど)は施設によって異なるという点です。つまり同じ要介護3でも、施設が算定した加算料金サービスの違いで利用日数に差が出ることがあるため、詳細は施設に問い合わせる必要があります。

 

〈ワンポイント〉
ショートステイの連続利用は最大30日ですが、やむを得ない事情により長期利用が必要になることがあるかもしれません。そんなときに役立つ対処法をチェックしておきましょう。

 

●自治体に届出書を提出する
30日を超えて利用する場合、あるいは要介護認定有効期間の半分を超えて利用する場合は、ケアマネジャーを通して保険者(市区町村)に相談する必要があります。たとえば、「一人暮らしが困難になり介護施設の入居を希望しているがどこも満室。空室が出るまで1ヵ月以上かかるので、その間、ショートステイを利用したい」といった長期利用の必要性を書いた届出書を提出します。手続きの方法は保険者によって異なる場合があるので、ケアマネジャーに確認してみましょう。

 

●31日目の費用を自己負担してリセット
連続利用の31日目にかかる費用をすべて自己負担にすると、翌日が新たな連続利用日数の1日目としてカウントされます。長期利用がわかった時点でショートステイが利用できる他の施設に移っても、利用日数はリセットされず連続利用と見なされるのでご注意を。

 

●レスパイト入院を利用する
医療的なケアや管理が必要な場合は、レスパイト入院も選択肢の一つです。レスパイトとは小休止、一時的な中断という意味。レスパイト入院は介護者のストレスを軽減するため一時的に被介護者の入院を受け入れる制度です。

ルール③ 要介護度別に1ヵ月の利用可能な日数を設定。延長はOK?

5. まとめ

ショートステイの利用日数には制限があり、「連続利用は最大30日」「利用日数は要介護認定有効期間の半分まで」というルールもあります。

 

また、原則として要介護度に応じて決められた「区分支給限度基準額の範囲内」で利用できます。いくつかの利用条件がありますが、機械的に適用するだけでなく、家族や利用者の事情を考慮して長期的にショートステイを利用できる対処法が用意されています。困ったときは遠慮なくケアマネジャーに相談してみましょう。

 

次回は、ショートステイをもっと身近に感じてもらうために、様々な利用シーンについて紹介します。

 

 

この記事の提供元
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著者:中村雅彦

中村雅彦(なかむら・まさひこ)
JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院居宅介護支援事業所主任介護支援専門員。特別養護老人ホームの生活相談員を経て、ケアマネジャーに。前一般社団法人長野県介護支援専門員協会会長、前一般社団法人日本介護専門員協会長野支部長、長野県主任介護支援専門員研修・長野県介護支援専門員専門研修(専門研修課程Ⅰ・Ⅱ)講師、介護予防ケアマネジメント指導者など、介護支援専門員に関する研修指導や、訪問介護・通所介護などの研修活動にも従事。

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