シニアと行きたい旅行プランをトラベルライターの間庭典子がご提案。今回は沖縄本島からさらに南西に約290kmの「宮古島来間リゾート シーウッドホテル」での夢のVILLA(ビラ)暮らしを実現するとっておきのプランです。
沖縄本島よりさらに南西に約290km、北緯24度の宮古島。その南端に位置する栗間島に2020年にオープンしたのが「宮古島来間リゾート シーウッドホテル」です。にぎやかな繁華街から離れて、大自然の中に身をゆだね、別荘で暮らすように過ごす。そんな休日を望むなら、宮古島から車で行き来できる離島・来間島は絶好のロケーションです。満天の星空のなか、南十字星を眺め、海ガメにあいさつしながらクルージング、なんて体験もできるのですから。
107棟の「ビラ ハウス」はすべてプライベートプールもしくはジャグジー付き! ビーチへのアクセスも良く、宮古ブルーの大パノラマや幻想的なサンセット、星降る夜空などの絶景が楽しめます。62室のホテル棟や、フロントや和食レストラン、ショップなどのある「竜宮ハウス」、メインプールやレストランのある「ビーチハウス」、スパなどが13万㎡の広大な敷地内にあり、2025年には天文台も完成する予定。まるでひとつの街や村のようなリゾートタウンなのです。
非日常のラグジュアリーではなく、日常の延長のような安心できる空間を、というのがデザインコンセプト。というのも運営の飯田産業は戸建て住宅分譲のトップシェアを誇る住宅会社。リゾートにいながら、自宅でくつろぐような安心感のある設計を心がけ、一棟貸しビラをメインとしたリゾートが完成したのだそう。107棟のビラの中には長期滞在しやすいミニキッチンやランドリーのあるタイプも。それぞれのペースで過ごしつつ、趣味やアクティビティに没頭できるので、複数の家族が集まるファミリー旅行や、スポーツ合宿にも最適です。
写真上:ビラの目の前にはプライベートプールもあり、テラスで過ごすのも快適。
宮古島初となるウェーブボートでクルージングし、幻の島「ユニの浜」に上陸するアクティビティはぜひトライして。ウェーブボートというのは水上バイクと合体させたアクティブクルーザー。水上バイクのように小回りが利き、迫力のスピードを誇りながら、安定感があります。水上で切り離して、単独の水上バイクとしても走行できることから、さまざまな遊び方ができるのだそう。
伊良部大橋近くの海上にぽっかり浮かんだ白浜の島「ユニの浜」に上陸後は、浅瀬でゆったり過ごせますが、私が一番感動したのは、海ガメとの遭遇! ユニの浜までのルートには、海ガメの通り道があり、息継ぎにぷかっと浮かんだ姿をほぼ100%発見できるんです。慣れると自分で見つけ出せて、それがまたうれしい。うれしすぎて「海ガメ自分で探せました記念」に宮古ブルーの鮮やかな海と海ガメをモチーフにしたレジンアートのキーホルダーを買っちゃいましたもん。施設内のショップ「ザ・ブティック」では、スタイリッシュなオリジナルアイテムや人気サーフブランドのウェアのほかにも、宮古島の人気スイーツやクラフトビール、泡盛なども並び、コンビニ代わりとしても活用しました。ユニの浜にお気に入りのドリンクやおやつを持っていくのもおすすめです。
このクルージングは毎日開催、一人7,700円(約2時間)で参加できます。経験豊かな海の案内人、ダイビングやSUP(スタンドアップパドルボード。サップ)のインストラクターでもある竹岡キャプテンがナビゲートしてくれるから、マリンアクティビティ初心者でも安心ですよ。
写真上:潮の満ち引きの関係でぽっかり浮かぶ幻のユニの浜へはウェイブボートで。
東京の北緯35度と比較すると宮古島の北緯24度の宮古島は、ハワイ州の北部とほぼ同じ緯度。さまざまな星座や天の川銀河が鮮明で、沖縄本島でも見られない南十字星も観測できます。さらに宮古島の最南端にある来間島は、街の灯りがないため、さらに星空が美しく。また、宮古島にはハブが生息していないため、安心して星空観測ができるのです。
「スターゲイジング(星空観測)ツアー」は、ハワイ島公認のネイチャーガイドである「星のおじさま」こと池田副総支配人による人気アクティビティです。天体望遠鏡で誕生日の星座や土星の環っか、南十字星などを観測しながら、レクチャーを受けます。
私が訪れたときにはあいにくの曇りだったのですが、夜中の3時が一番星空が美しい、とのことで期待を込めてアラームをセット。タイミングよく雲が去り、満天の星を拝めました! プールサイドに寝そべりながら、見上げるとあまりの壮大さに、天の川が雲の一部かと思ってしまうほど。流れ星もたくさん見ました。想像を超えた絶景に、しばし言葉を失うほど。2025年には敷地内に観測所が完成したら、天文学がさらに身近に感じられそうです。
写真上:天の川も描くようにはっきりと見え、南十字星も観測できる宮古島の星空。
翌日はシュノーケリングを満喫。宮古島の海底はユニークな地形で、世界有数のダイビングスポットでもあるのですが、施設からそのまま行けるビーチは遠浅で、波も穏やかでした。腰くらいの深さでも、魚たちがまさに大渋滞。席に座れないときの山手線社内のようなにぎやかさです。南の島らしく、カラフルな魚も多く、ぷかぷか浮きながら眺めているだけで、さまざまな魚たちが行き交い、わくわくします。
大自然に囲まれ、リゾート内でビーチやプール、星空観測と、朝昼晩さまざまな過ごし方ができるのは贅沢。面積2.84K㎡、面積人口約150人という小さな集落ですが、「宮古島来間リゾート シーウッドホテル」から徒歩圏内には南国フルーツのパフェが人気の「楽園の果実」や宮古島いち 美味しいと評判の宮古そばの名店「ふぃふぃま家」、おしゃれなカフェなどもあり、散歩が楽しいエリアです。太陽染めやアダンの葉の草編みなどのワークショップに参加できる「マヒナ」のようなアトリエも。竜宮城のような展望台からは宮古島と来間島を結ぶ全長1690mの来間大橋も見渡せます。自分だけの島時間を楽しみましょう。
写真上:フロントやホテル棟のある竜宮ハウスからの眺めは壮観。ビーチまでも歩いて行ける。
宮古島には市街地から近い宮古空港と、みやこ下地島空港の2つがありますが、スカイマーク便の今回は、みやこ下地島空港を利用。下地島に降り立ち、伊良部大橋を渡るその絶景に感動しました。パイロット養成のための訓練空港として活用されていたこの空港は、2019年にみやこ下地島空港ターミナルとして開業し、スカイマークやジェットスター、韓国のジンエアーなどが就航するように。
チェックイン棟とラウンジ棟の両棟は、木のぬくもりを感じる日本初のCLT(木質系材料)空港で、空港全体がホテルのラウンジのような心地よさ。中でも保安検査通過後のエリアはバーやライブラリーのようなスペースがあり、仕事がさくさく進みそう。もっと早めに行き、ゆったりと過ごせばよかった! 撮影したくなるような水盤もあり、テラスから離陸直前の飛行機を眺めるのもスペシャルです。空港ですぐにレンタカーが借りられるのでストレスフリー。高齢者との旅には最適です。
スカイマークは羽田空港発、荷物も無料で預けられるのが便利でした。JALやANAなどのFSC(フルサービスキャリア)と機内サービスや荷物預けを有料にすることでコストを抑えたLCC(ローコストキャリア)の中間、機能性と快適さのバランスがいいMCC(ミドルコストキャリア)が今、注目されていて、スカイマークやソラシドエア、エア・ドゥなどが当てはまります。いずれも時期によってはLCC並みの低価格でありながら、FSCなみの安心感。日常の延長にある、暮らすような旅にはちょうどいいのです。
まるで自分の別荘に帰るような感覚で、宮古島の大自然に囲まれ、ゆったりと過ごす。最近、移住する芸能人も多い沖縄や宮古島ですが、憧れのビラ滞在をしてみたら、そんな気持ちがわかるかもしれません。さぁ、南の楽園へ…!
写真上:保安審査通過後の出発待ちのラウンジはホテルのロビーのようにゆったり。
著者:間庭典子(まにわのりこ)
中央線沿線の築30年以上の一軒家に後期高齢者の両親と同居する50代独身フリーランス女子。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「mc Sister」編集者として勤務後、渡米。フリーライターとして独立し、女性誌など各メディアにNY情報を発信し、「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」(講談社)などを発行。2006年に帰国し、現在は日本を拠点に、旅、グルメ、インテリア、ウェルネスなど幅広いテーマの記事を各メディアへ発信。旅芸人並みのフットワークを売りとし、出張ついでに「研修旅行」と称したリサーチ取材や、さびれた沿線のローカル列車で進む各駅停車の旅を楽しむ。全国各地の肴を味わえる地元の居酒屋やスナックなどの名店を探すソロ活動も大好き。