サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は、高齢者が安否確認や生活相談などの支援を受けられる賃貸住宅です。今回は、サ高住の費用についてご紹介します。

1. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は2種類

サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があります。

一般型
・比較的介護度が軽い方や自立している方が対象
・介護が必要になったときは、外部事業者のサービスを利用する

介護型
・要介護度が高い方も入居できる
・施設に常駐しているスタッフから介護を受けられる

一般型のサ高住は、基本的に施設内で介護サービスを受けることはできません。介護が必要になったときは、外部事業者のサービスを利用して支援を受けるので、サ高住に支払う費用とは別に介護サービス費がかかります。

介護型のサ高住とは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた住宅のことで、施設に常駐するスタッフから介護サービスを受けられます。注意点として、一般型に比べて施設の数が少なく、希望する地域にない場合があります。

2. サ高住の費用相場

一般型と介護型のサ高住は、以下の通り費用相場が異なります。

一般型
初期費用:0~25万円
月額利用料:10~20万円

介護型
初期費用:0~数千万円
月額利用料:15~40万円

どちらのサ高住も、立地や設備などによって費用は異なります。初期費用や月額利用料はサ高住によって開きがあるので、入居時に確認しておくことが重要です。

介護サービスを提供しない一般型のサ高住は、介護型のサ高住と比較して、費用が安くなる傾向があることを知っておきましょう。

3. 初期費用

一般型のサ高住は賃貸借契約を結んで入居するので、入居時の初期費用として「敷金」が必要になります。敷金は家賃の2〜3ヶ月ほどで設定されることが多く、退去時には返還されます。ただし、家賃を滞納していたり修繕が必要なほど居室が破損していたりする場合は、返還されない場合もあるので注意が必要です。

一方、介護型のサ高住は利用権方式を採用しており、初期費用は「入居一時金」とも呼ばれます。
支払い方法は入居時に全額支払う方法と、毎月支払う月額利用料に上乗せして支払う方法があり、選択できるようになっています。

【賃貸借契約と利用権方式の違い】
賃貸借契約:通常の賃貸住宅と同様に月々の家賃や管理費を支払う方式。

利用権方式:全額または一部の費用を支払うことで、居室の利用権と各種サービスの利用権を得られる方式。

介護型のサ高住では、施設の利用と介護サービスの利用を一つの契約で同時に確保できるため、利用権方式が採用されています。

4. 月額利用料

サ高住の月額利用料とは、賃料や共益費、水道光熱費、食費など毎月支払う費用のことです。


賃料:施設の立地や部屋タイプなどによって異なる
共益費:施設によって異なる
水道光熱費:施設によって異なる
食費:
一般型:食べた分のみ支払う
介護型:毎月定額
日常生活費:
・おむつ代
・理美容代
・歯ブラシなどの日用品代など
雑費:
・レクリエーション活動費
・通信費(電話代) など
医療費:診察費、薬代、通院のための交通費など
介護サービス費:
一般型:月々に利用した分だけ外部のサービス事業者に支払う
介護型:要介護度によって定められた額を施設費   用として支払う
オプションサービス費:上乗せ介護サービス費 など

一般型のサ高住では、入居者が自炊したり外食したりする機会も多いので、実際に食べた分の食費のみを支払うことが一般的です。これに対し、介護型のサ高住では、食事の提供は基本サービスの一部となっており、毎月定額の食費を支払います。

また、サ高住の費用はオプションサービス費の有無によっても異なります。オプションサービス費の一つである上乗せ介護サービス費は、介護保険制度で定められた基準以上の人員配置をしている際に発生する追加費用です。

月額費用がどれくらいかかるかを確認するためにも、入居前にはオプションサービス費の有無も確認しておきましょう。

5. サ高住の費用に関する注意点

①設備の充実度や立地によって金額が異なる
サ高住は、主に民間企業が運営しており、施設によって立地や設備の充実度に違いがあります。例えば、駅に近かったり人口が多い地域にあったりするなど、生活の利便性が高い場所にあるサ高住は賃料が高くなる傾向があります。

また、食堂やフィットネスルームなどの共用施設が充実しているほど費用が高くなる場合があるので、これらも合わせて確認することが重要です。

②介護サービスの量によって月々の負担が割高になる場合がある
 一般型は外部の介護サービスを利用するので、サービスを利用すればするほど介護保険の自己負担額が増えていきます。また、心身状態が悪化して要介護度が上がると、必要な介護サービスも増えるので、月々の負担が高くなる可能性があることに注意が必要です。

サ高住のパンフレットなどに記載されている月額費用には、別契約の介護サービス費の金額が含まれていないことがあります。そのため、介護サービスの利用を予定している人は、これらの費用が必要となることを想定しておきましょう。

一方、介護型はどれだけ介護を受けても毎月定額なので、月々の費用を想定しやすいといった利点があります。サ高住を選ぶ際には、現在の心身状態だけでなく、将来的な心身の変化も考慮して、入居するサ高住を選ぶことが大切です。

③入居一時金の償却期間や返還ルールは施設によって異なる
一般的に、定められた償却期間内に退去する場合、残りの期間に応じて入居一時金が一部返金されます。例えば、5年間の償却期間で3年後に退去する場合、残りの2年分に相当する金額が返還される可能性があります。しかし、具体的な返還の条件や計算方法はサ高住によって異なるため、注意が必要です。将来の退去時のトラブルを避けるためにも、入居前に返還ルールなどを詳しく確認しておきましょう。


監修者:中谷ミホ

イラスト(トップ):著作者:Freepik

この記事の提供元
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著者:倉元 せんり

福祉系大学を卒業後、急性期病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務。現在は、フリーライターとして、福祉にまつわるさまざまな記事を執筆している。福祉制度や社会保障などの知識を分かりやすく伝えるのが得意。
保有資格:社会福祉士・ケアマネジャー

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