実家に帰ると気になるのが、室内に所狭しと積まれた生活用品の数々。片づけなくちゃと思っても手をつけられずそのままに……。そこで今回は、後回しにしている実家の片づけの始め方や、親子げんかをせずに片づける方法などを紹介します。「片づけすぎも要注意!」という終活専門家の意見も気になるところ。ぜひ参考にしてみてください。

1. 実家の片づけは「とりあえず断捨離」から始めてみる


もったいない精神でものを捨てられない傾向にある親世代。ものを大事にするのは良い事ですが、生活用品であふれ返った実家を見ると途方に暮れてしまいます。親が納得したうえで処分できればいいのですが、なかなか首を縦に振ってくれないケースもあるのでは。そんなときは大がかりな断捨離をしようとせず、室内でつまずくのを防ぎ、介護が必要になったとき車椅子が通れる程度にものを片づける「とりあえず断捨離」から始めてみましょう。

〈とりあえず断捨離で処分するもの〉
・廊下、階段、ドア付近に置いている不用品
つまずきや転倒防止のために、頻繁に行き来する場所に置いてあるものを減らしましょう。

・ため込んだタッパーや紙袋
いつか使うと思ってためていたものは、結局使わないことがほとんど。本当に必要な分だけを残して思い切って処分を。

・使わない大型家具や家電
マッサージチェア、子ども部屋のデスクやベッド、収納家具など大型のものは家庭ごみとして処分できません。専門業者に連絡をして処理手数料を払って処分する必要があるなど、手間とお金がかかるものは早めに着手しましょう。

・食器棚の使わない食器
子どもが巣立つ前と同じ数の食器が残っている場合、使わない食器は処分を。枚数を減らしたら、出し入れがしやすいように上段の食器を下段に移しておきます。

重いものを持って腰を痛めるなど、断捨離でけがをしたら本末転倒です。無理のない範囲で行い、負担を感じたら整理業者や収納アドバイザーなどの専門家に頼ってみてもいいでしょう。

2. 提案型のアプローチで、親と衝突しない断捨離を!


なかなか重い腰を上げない親に代わって子どもが片づける場合、捨てる、捨てないで口げんかが始まり、それだけで心が折れてしまいがちです。その際、けんかの原因となるのは親への小言です。歯に衣着せぬ物言いができる関係だからこそきつい言い方になりがちなものですが、子どもには不用品にしか見えなくても、親には「思い出がある」「もったいない」など捨てたくない理由があるので、「なんでこんなものを?」というストレートな言い方は避けましょう。大切なのは、親の自尊心や決定力の弱さを否定しないことです。ほんの少し、寄り添う気持ちを携えて、「もう少し数を減らしてみない?」と提案型のやわらかい表現でアプローチしてみましょう。

3. 趣味のものは最後に着手。親の心に穴が開かない片づけ方とは?


実家の生前生理の難所と言えば、親の趣味に関わるものの処分です。コレクションしている骨董品、絵画、釣り具など……。好きで集めたものは思い入れが強く、「生きている間は絶対に手放したくない」という親の意向を無視し、内緒で捨てる、無理矢理捨てたりするとトラブルのもとになります。あるいは、生きがいを奪われた気持ちになり、落ち込みの原因になることもあります。

親の趣味に関わるものは最初に着手せず、家の中を徐々に片づけて、整理整頓した環境での暮らしの快適さを感じ、その必要性を理解してもらい、最後に手をつけるのが得策です。その際、大切なものを写真に撮り、データの形に変えて残すと、自分が所有していた事実と愛着を手元に残すことができます。ただし片づけは絶対ではなく、どうしても処分に同意しなければ、親の死後に片づけるという選択肢も頭に入れておいてください。

4. 片づけ方がわからない! 捨てられない人のための片づけ術


家にものがたまる人は、年齢に関係なくそもそも片づけが苦手です。いざ片づけを始めても結局はほとんど捨てられず、断捨離が進まないなんてことも。そこで提案したいのが、「いるもの」「いらないもの」「一時保管」に仕分ける片づけ術です。「いる」「いらない」の二択しかないと、つい「いる」に入れたくなりますが、判断に迷ったものは「一時保管」する箱に入れるルールを作っておくと、すぐに捨てなくていい安堵感から片づけがスムーズに進みます。そして、少し時間をおいて冷静な頭でもう一度、要・不要を判断してみましょう。もったいない精神が強いときは処分ではなく寄付に回し、誰かのもとで生かされると思うと心残りなく手放せます。

5. 生前整理と終活の誤解。心に留めておきたいことは?


実家の片づけは、自分が亡くなったあとに子どもに迷惑をかけないように、とにかくものを減らすことに目が向きがちです。しかし、頑張りすぎて思い出まで片づけないように注意しましょう。きれいさっぱり片づけてしまうと、亡くなってから親の思い出が見当たらず、家族が寂しい思いをすることがあります。残された家族は実家の整理などやることがあるほうが死別の悲しみが紛れ、遺品の整理をしながら心も整理されることがあるので、頑張りすぎない片づけをおすすめします。

また、終活で最初に手をつけたくなるのが、ものの生前整理です。片づけをした達成感から「終活はこれで完了!」と思うのは大きな間違い。片づけだけが終活ではなく、死後に必要な情報をエンディングノートにまとめる作業や、お墓についての話し合いも忘れずに行うようにしましょう。

6. まとめ

実家の片づけは、ただものを減らせばいいというわけではなく、親の自尊心を傷つけない、思い出を捨てすぎないなど、気持ちの面に配慮して行うことが大切です。室内での転倒を防ぎ、車椅子が通れるように整理し、趣味のものは最後に片づければ問題なし。体と心が疲弊しない範囲で片づけを始めてみませんか?

この記事の提供元
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著者:明石久美(あかし・ひさみ)

明石行政書士事務所代表。相続・終活コンサルタント、行政書士、ファイナンシャル・プランナー(1級・CFP)、葬祭アドバイザー、消費生活アドバイザーほか。遺言書作成、おひとりさま準備、相続手続きなどの相続業務を17年行っており、講師歴は19年。葬儀、墓などにも詳しいため、終活も含めたセミナーを全国で行うほか、メディア出演、執筆・取材等を通じた情報発信も行っている。著書に『読んで使えるあなたのエンディングノート』(水王舎)ほか多数ある。

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